なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

アルコール性肝炎~看護師さんに噛みついた

2017年06月14日 | Weblog

 昨日ICN(正しくは認定感染管理ナースCNIC)が、患者さんが病棟の若い看護師さんの腕を噛んだと報告に来た。患者さんは、前日にアルコール性肝炎で消化器科に入院した40歳代前半の男性だった。

 自宅は当地にあるが、他県に単身赴任していた、会社の健康診断で肝機能障害を指摘された。自宅で静養する様にと言われて、戻ってきていた。通常は二次検査を受けるくらいなので、仕事がうまくできない状態になっていたのかもしれない。

 嘔気がして食事がとれないと当院の外来を受診していた。肝機能障害を認め、γ-GTPは1500だった。血清アンモニアは正常域。肝臓自体は画像上脂肪肝で、肝硬変とはいえない。ウイルス肝炎や胆道系疾患はなく、アルコール性肝障害だった。自宅に戻って、仕事もないので普段以上に飲酒していた。

 入院すると離脱症状が危惧されて、外来で点滴を続けて帰宅としたそうだ。点滴が終わって、病院の駐車場でまで行ったところで、ふらふらして動けなくなり、また病院に戻ってきた。

 入院して奥さん付き添いで点滴を継続していた。体幹抑制をしていたが、かなり暴れて数人がかりでも抑えきれず、精神安定剤を2種類使用していた。押さえても起き上がってきて看護師さんの腕にかみついたのだった。

 入院後の経過は発熱・頻脈・発汗があり、まさにアルコール性肝炎相当の症状だった。慢性アルコール性肝障害があり、大量の飲酒をした時にアルコール性肝炎になる。案外、アルコール性肝炎と診断できることは少ない。正確には肝生検だが、普通はしないだろう。

 大抵は離脱症状が抜けて、自律神経症状の嵐が過ぎ去ると、食事もとれるようになって退院してしまう。アルコール依存の専門病院を勧めても、なかなか行ってはもらえない。昔アルコール依存の専門病院に見学に行った時、入院した患者さんで禁酒できるのは1/3と聞いたことがある。

 今日は症状が軽快して、食事もとれるようになっていたので、数日で帰るのだろう。腕を噛まれた看護師さんは気の毒だった。

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