なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心不全・肺炎・蜂窩織炎。鳥インフルエンザも。

2017年03月25日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。70歳代後半の男性が、午前5時ごろからの呼吸苦で他院を受診した。心房細動・心不全の診断で、当院がかかりつけということで救急車で搬送されてきた。ふだんは内科医院に高血圧症で通院している。下腿の浮腫があり、最近利尿薬(ダイアート30mg)が追加になっていた。当院の血管外科外来に3か月に1回フォローで通院していた。内科系の通院はない。

 当直の外科医が受けて、検査を始めていた。朝病院に来ると、連絡がきた。聴診上、明らかな心雑音はなかった。酸素吸入2L/分でSpO294%。血圧は140/90と高めだった。胸部X線と前医での胸部CTを見ると、心拡大が目立ち、肺うっ血は軽度にある。胸水貯留はほとんどなかった。下腿浮腫があるが、数か月前からあるという。

 血管拡張薬の点滴静注を開始しようかと思ったが、入院治療の話をすると、どうも患者さんは外来で治療を受けて帰宅するつもりだったらしい。こちらも、入院中の高齢男性の発熱(誤嚥性肺炎)や昨日入院した幻覚の70歳代女性の指示を出すので、まずラシックス1Aを静注した。外来で反応をみて、入院を検討することにした。

 ラシックス静注後は、尿が700mlほど排出して、SpO2も上昇した。患者さんも楽になったどいう。後から駆けつけてきた親戚に説得されて、入院を承諾した。

 内科クリニックから、誤嚥性肺炎の90歳代後半の男性を紹介したいと連絡が来た。往診で500mlの点滴にカルバペネム入りの点滴がすでに開始されていた。肺炎像としては重症ではないが、年齢が年齢なので、家族(妻)に急変がないとはいえないと説明した。この妻も高齢だと思うが、しっかりした方で、最初妻でいいのかと思ったくらいだった(さすがに娘ではないだろうが)。

 80歳代後半の女性が、高熱と嘔吐で受診した。昨夜40℃の発熱があって、嘔吐が続いているという。この方は昨年秋に右下腿の蜂窩織炎で入院した。その時は発熱の原因を検索して、ご本人の訴えはないものの右下腿の発赤・腫脹があり、最終的に蜂窩織炎が原因と診断された(尿路感染症も怪しかったが)。入院して抗菌薬治療で治癒して、少しリハビリをして自宅退院していた。

 前回のことがあるので、今回は連れてきた家族から、また右下腿が赤くなってますと報告があった。確かに蜂窩織炎だった。白血球数25500、CRP25となかなかの上昇だった。肺炎はなく、尿路館感染症も否定的で、今回も蜂窩織炎のようだ。家族の希望もあるが、病状としても当然入院だった。

 鳥インフルエンザで大量の鶏が殺処分にされる。もし処分作業にかかわった職員が発熱・体調不良になった際は、保健所を通して受診してくる。昨日の段階で対応策の検討がされた。もし受診したら、別の入り口から感染症用の病床に案内する。防護服を着て、インフルエンザ迅速試験と保健所に提出する鳥インフルエンザ用の検体を採取する。検査結果が出て、症状が改善するまでは入院でみることになり。たぶん来ないような気もするが、対応に当るのは500名規模だというから、受診してくる可能性はある。たぶん、普通の風邪などによる体調不良でしたとなりそうだが、油断はできない。国内では鳥インフルエンザが人に感染した例はないそうだ。

 

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