なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胃瘻造設、膵癌術後再発の転院

2017年10月11日 | Weblog

 今日は内科再来を急いで診てから、昼前に内視鏡的胃瘻造設術を行った。消化器科医が病休中で、他院かた応援に来てもらっている若い先生に内視鏡をお願いした。

 患者さんは87歳男性で、超がつく高齢だが、会話もできるし歩行もできる。県内有数の病院で、原因不明の両側反回神経麻痺として気管切開術が行われた方だった。1~2か月前から食事摂取が低下してきて、10日前に入院した。聴覚言語療法士(ST)が入って、嚥下訓練をしたが、どうも難しいということになった。

 CTで見ると、胃が横位でやりにくいかと思われた。施行できるとしても胸骨剣状突起ギリギリかと予想したが、もう少し下でうまく造設できた。先週は他の先生の患者さんに胃瘻造設を行ったので2週連続になり、最近では珍しい。

 地域の基幹病院脳外科から、81歳男性が転院してきた。転院依頼の連絡は同院の外科医からだった。昨年6月に膵頭部癌が発見されて、外科で膵頭十二指腸切除術が行われた、今年の7月に術後再発による膵癌の多発性肝転移と判明した。緩和ケアのみの方針で外来通院で経過をみていたが、転倒して外傷性くも膜下出血(急性硬膜下血腫も)になって、脳外科に入院したのだった。

 保存的に経過をみて、出血が吸収されて食事も摂取できるようになった。脳外科としては五苓散継続の方針で終診になった。膵癌を診ていた外科としても緩和ケアのみと決めているので、リハビリ依頼と膵癌の緩和ケアのセットで当院に話がきたようだ。

 リハビリをして、後はできるだけ自宅で過ごせることを目指すところだ。しかし息子さんの話では、奥さんとの二人暮らしでよほど動けるようにならないと在宅ではみられないという。ずっと病院に置いてほしいようだが、長く入院できないということもわかっていた。

 予後3か月ならば最期まで当院でみられるが、やはりできることならリハビリで自力でトイレ歩行までできるようになって、いったんは自宅退院が望ましい。まあリハビリを開始して様子をみましょう。

 送られてきたCDには脳の画像しかなかったので、当院でも胸腹部CTで膵癌の広がりをみることにした。

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