なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高齢者の入院~ちょっと訳あり

2017年11月12日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。幸いに受診数は少なくて助かった。当番医は循環器科の先生のクリニックでそちらを受診した患者さんが多かったのだろうか。一昨日院長先生から、その先生が離婚したという話を聞いて驚いた。

 内科入院は2名あった。ひとりは84歳男性で、発熱と悪寒戦慄で救急搬入された。今月初めに尿閉で当院の救急外来を受診している。尿カテーテルを留置して市内の泌尿器科クリニックに紹介されていた。2日おきに受診して洗浄していたそうだ。肺炎もなく、尿路感染症かと思われたが、尿は混濁していなかった。血液培養と尿培養を提出した。

 意外だったのはCTで肝臓内に腫瘤を認めた。少なくとも2か所にある。消化器癌の転移が疑われるが、原発巣(転移性肝癌だとして)は指摘できないかった。発熱があることから肝膿瘍も疑われる。2か所にあるのがどうかとも思うが、腹部エコーと改めて造影CTを行うことにした。白血球数は正常域でCRPは2と軽度だった。

 この方はひとり暮らしだった。7~8年前に離婚して、お子さんとも連絡が取れないという。兄弟はいるが、どうも関係が悪いらしい。看護師さんがかかわっていた民生委員に連絡したが、生存確認で時々行っていただけで、病院に行く気はないと言われたそうだ。長く大学病院の心療内科に通院していた既往もある。悪性腫瘍だった場合に連絡する人がいないということになるかもしれない。

 もうひとりは、先月3か月の入院後に退院した87歳男性で歩行できない方だった。進行した前立腺癌と診断され、泌尿器科でホルモン療法が開始されている。PSAは治療に反応して低下していた(2000台から100台に)。尿が白っぽく混濁していた。胸部X線・CTで両側胸水は以前からあるが、斑状影と空洞病変があった。通常の細菌ではないのかもしれない。抗菌薬を投与してあっさり治癒退院とはならないのだろう。

 製薬メーカーで来週行う、社内向けの糖尿病の講演で使用するスライドが一応完成した。内容は糖尿病の先生が絶対しない話で、ちょっとだけ糖尿病の基本的な話、糖質と糖質制限の話、糖尿病の有名な先生方の下世話な話の3本立てにした。

 

 

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