なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心肺蘇生とDNR

2017年11月11日 | Weblog

 金曜日の早朝に内科の先生が担当していた85歳男性が急死した。パーキンソン病で嚥下困難となり、胃瘻造設による経管栄養が行われていた。今回は誤嚥性肺炎で入院して何とか治癒した。喀痰が多く入所していた施設では対応できず、当院から療養型病床のある病院へ転院の予定だった。病状悪化による心肺停止時はDNRの方針になっていたらしいが、同意書は作成していなかった。病棟看護師が心肺蘇生術を開始して当直医が呼ばれた。

 家族が来たところで当直医が、心肺蘇生に反応しないこと、継続しても身体を痛めるだけになることを説明して、同意により蘇生術を中止したそうだ。かけつけた主治医も家族に経過を説明した。

 このことで院長先生から招集がかかった。「予期せぬ突然死」に相当するかということだった。事故調査の対象になるのかという。「予期せぬ」か、と言われると、病状からは予期される事態だった。気管切開をしなければ、痰の喀出や吸引は充分にできない患者さんだ。と言って、誰が見ても「老衰」と思われるやせ細った寝たきりの患者さんに気管切開するのはやり過ぎだろう。

「予期せぬ突然死」とすれば、死亡後にAIを行わなければならないが、今回は施行していない。これは何としてもするべきなのか。確かに脳血管障害や虚血性心疾患(AIでは判断が難しい)の発症した可能性はある。それでも、こういう場合は家族との相談になるので、絶対とは言えない気がする。

 今日は休みで、「クイズあなたならどう診る!?ジェネラリストのための精神症状」を購入。なかなか面白本だ。夏井いつきさんの俳句の新刊2冊も購入した。消化管エコーのセミナーの申し込みをしたが、行けるかどうかはその時にならないとわからない。

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