なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心身の疲労

2017年08月17日 | Weblog

 今日は午前2時半に病院から連絡が来た。当直師長さんからだった。当直医が嘔気を訴えて、トイレから出てこないという。救急外来を受診した二人を病室に上げたばかりで、一人は飲酒したため片頭痛がいつもよりひどくなった若い女性だが、もう一人は2日前から続く喘息重積発作の30歳代後半の女性でまだ喘鳴が強い。喘息の患者さんにデカドロンの点滴追加の指示を出して、病院に向かった。

 病院に着いたが、当直医がどこにいるかわからないという。医師更衣室に入ると、そこのトイレ内にひとの気配がする。声をかけると、返事があった。ドアを開けると、便器をかかえるようにしてうずくまっている。後で聞いたところでは、その時声をかけられて、我に返ったという。急にこみ上げるような嘔気が出現して、訳が分からなくなっていたそうだ。動悸や呼吸困難感ではなかった。外来のベットに行って休むように言ったが、動きたくないとじっとしていた。

 喘息患者さんを診察して点滴の指示を出して戻ると、その場にはいなかった。医局のコンピュータのあるスペースにいて、ごみ箱を抱えていた。具合を訊いても、話をするのがつらいという。また病棟に行って戻るといなかったので、当直室かどこかで休んでいるようだ。

 不明熱の入院患者さんが発作性心房細動(頻拍性)になったと病棟から呼ばれた。高血圧症として紹介元の内科医院からβブロッカー(テノーミン)が出ていた。ワソラン・ジゴキシン・サンリズム注を使用したが、心拍数が16~170/分から120~130/分になっただけで、洞調律に戻ることも、適正な心拍数の心房細動になることもなかった。βブロッカーの貼付薬を追加して経過をみていた。心不全症状は呈していない。

 朝に医局で売店で買ったサンドイッチを食べていると、お世話になりましたと、当直医が来た。顔色が良さそうで、話し方も落ち着いているようだった。ところが夕方看護師さんから、この当直明けの先生をこのまま家に帰していいでしょうか、と連絡が来た。日中対応していた看護師さんたちは、様子がおかしいので、車で帰宅すること自体が危険と思ったらしい。そのうち院長先生がやってきて、一緒に診てほしいという。院長先生にも連絡がいって、とりあえず点滴の指示を出して外来の点滴室で休ませたそうだ。日中ほとんど食事をとっていない。

 せわしなく話をして落ち着きがない。あいまいな言い方だが、目つきがおかしい。本人はいろいろ言っていたが、院長先生の「とにかく今日は病院にいて休め」で入院を承諾した。病棟の個室に入ると、一人でいると死にそうだという発言があった(看護師さんから報告)。

 身体の疲労はあるが、心労がひどいのだろう。というと素人の診かたになってしまう。精神科ではどう評価になるのか。今朝がたの急なこみ上げるような嘔気というのは、パニック発作にも思われる。全体的にはうつ病か。病院としては仕事を休んでもいいような配慮はできるが、それだけでは不十分だ。精神科受診を勧めても、はたして受診してくれるだろうか。

 

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