なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

緩和ケア中

2017年07月20日 | Weblog

 大腸癌で入院している80歳代後半の男性は、昨年8月に息切れで受診した。貧血が進行していて、腹部CTで盲腸から腫瘍が進行してS状結腸に浸潤していた。症状は鉄剤投与で改善したが、大腸内視鏡検査自体を拒否して退院した。家族(息子)は本人がそういうなら仕方がないと言っていた。貧血はある程度改善したところで頭打ちになったが、何とか一定レベルをキープしていた。

 前回食欲不振で入院したが、輸血をすると食欲は少し回復した。S状結腸は次第に内腔が狭窄していったが、かろうじて通っていた。狭窄部を通って泥状便が出ていた。希望でいったん退院した。

 鉄剤だけでは貧血の進行を止められず、食欲不どう振でまた入院した。また輸血して貧血は少し改善したが、下腹部痛が進行していった。オピオイドの点滴静注とアセトアミノフェン点滴靜注を行って、腹痛は改善したが、うとうとした状態になる。呼べば開眼するがあまり話はしなくなった。

 もともとよくしゃべる人だったので、息子さんからしゃべらないのは寂しいと言われた。投与量を減量したいところだが、疼痛が治まっているわけではないので、疼痛対策を優先させてもらうことにした。

 昨年大腸内視鏡検査をして(S状結腸までの挿入で生検でもよい)外科に手術を依頼するとどうなっただろうか。切除できなかった可能性もあるから、経過観察のみでよかったのか。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする