なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

救急隊さん、こめんなさい

2016年10月30日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。今のところ、81歳女性が急性肺炎・気管支喘息発作入院。76歳女性が良性発作性頭位性めまいで入院した。施設入所中の63歳男性(精神遅滞の方)が嘔吐下痢で外来で点滴していて、入院になるかもしれない。

 59歳女性は数日前からの発熱・咳で受診した。33歳の息子さんがマイコプラズマ肺炎で入院していて、やっと退院したところだという。精神遅滞とてんかんがあり、小児科で継続して診ていた(いわゆる、てんかん患者さんの小児科持越し例)。肺炎の時も小児科扱いだった。ずっと病院で付き添っていて、かなり疲労がある。胸部X線で左下肺に浸潤影があった。マイコプラズマですか、と言う。白血球数増加があり、マイコプラズマ迅速試験は陰性。年齢的にはどうだろうか。酸素飽和度は97%(室内気)。息子さんの世話を夫としていて、入院はできませんという。レボフロキサシン内服で経過をみることにして、改善しない時は入院でと伝えた。

 隣町の救急隊から、2件搬入依頼の連絡があった。ひとりは、野球の審判をしていた中年男性が当然胸痛を訴えたという。症状はいったん軽減しているというが、ACS疑いだ。直接、地域の基幹病院(距離的にも近く循環器科医5名)に搬送したほうがよいと思われた。連絡してみて、ダメだらもう一度連絡をもらうことにした。おそらく心電図で急性心筋梗塞の所見はなく、経過をみてどの時点で心カテをするかという判断になるのだろう。当院はこれまで待機的な心カテはしていたが、循環器科1名となり、それもできなくなった。今週末はその先生も不在。

 次はまた隣町の救急隊から、ゴルフをしていた中年男性が、めまいを訴えた後に意識障害をきたして、意識は戻らないという(刺激で開眼はするが、会話できず)。発症が急激で、血圧が高い以外バイタルは正常域。脳血管障害でも、脳梗塞ではなくて、くも膜下出血か脳出血(小脳脳幹出血も含めて)と思われた。これも当院で頭部CTをとってから脳外科のある施設(当院に脳外科はない)に搬送するよりは、最初から脳外科のある施設に搬入されるのが好ましいと思われた。基幹病院に連絡して、ダメだらもう一度連絡してもらうことにした。幸い、どちらも、受け入れてもらえたようで、その後連絡は来なかった。

 何だか続けて押し付けて、申し訳なかった。当院に来てから、さらに搬送すると時間がかかってしまうので、患者さんのためにはいいと思うが。救急隊は、あの病院はやる気がない、と言っているのだろう。今日内科系入院があれば、全部主治医は私。

コメント
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