なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

消化管出血で誤嚥

2015年04月26日 | Weblog

 今日(日曜)は日直で病院に出ている。糖尿病腎症の慢性腎不全で透析をうけている64歳男性が吐血と意識障害で救急搬入された。昨夜食物を嘔吐して、今朝はコーヒー残差様というより黒色胃液の嘔吐を繰り返した。意識が低下して血圧も70mmHgに低下していた。搬入時の血液検査では、普段のHb9~10mg/dlが11mg/dlになっていて、むしろ血液濃縮状態だった。輸液を嘔吐した分だけ早めに入れた。CTで拡張した胃内に胃液が大量に貯留していて、肺には誤嚥性肺炎と判断される陰影があった。

 消化器科医がたまたま病院に来ていた。血液検査の結果からは、このまま新鮮な出血がなければ、胃液が流れてから内視鏡検査をする方がいいだろうということになった。NGチューブで胃液を抜くべだか、それにしても意識と血圧が上がらないと処置しにくいと言っていたら、また黒色の胃液を嘔吐して、酸素飽和度が下がった。また誤嚥したようだ。呼吸も弱くなり、気管挿管して人工呼吸を開始した。自発呼吸はあるのでそれに合わせた。

 補液量の調整が難しい。酸素飽和度は正常化したが、血圧がなかなか上がらなかった。点滴速度を少しずつ上げて経過をみることにした。昨日に透析を受けていて、明後日が入院後最初の透析日になる。まず明日内視鏡検査ができるかどうか。そして明後日に透析ができるかどうか。

 ふだんもPPI(オメプラゾール)を内服していたが、出血してしまった。ラクナ梗塞と下肢閉塞性動脈硬化症からの下肢潰瘍・化膿を繰り返していて、入院回数は20回を超えていた。名前は病棟中で知られている。消化器科病棟のHCUに入院したが、内科病棟の看護師さんも画面で入院したのがわかったらしく、病状を訊かれた。

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