なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

総胆管結石

2014年12月19日 | Weblog

 昨夜84歳男性が上腹部痛で救急搬入された。高血圧症で外来通院している。地元の町の診療所へ通院するよう勧めたが、そのまま当院に通院していた。

 昨日の昼過ぎに上腹部痛が突然起きた。近くの診療所を受診して処方を受けたが、症状が続いて(増悪してか)救急要請した。午後8時前に当院に搬入された。腹痛は続いていたというが、当直医(外部の応援医師)が鎮痛薬を使用していないので、搬入後は治まってきたのだろう。AST・ALTが3ケタの肝機能障害を認めた。腹部CT検査を行ったが、画像を正確には読めなかったらしい。午前0時前に腹痛が消失したそうだ。点滴と抗菌薬の指示が出て、症状が良くなったので特に連絡はなかった(緊急を要しない時は当直医の裁量に任せている)。

 朝病院に来て画像を確認した。胆嚢結石(細かな結石が複数)があった。隣にいた消消化器科医が、「総胆管にありますね」という。総胆管末端に7mmくらいの結石が陥頓している。症状が治まったので、ひょっとしたら自然排石したかもしれないと期待した。MR担当の技師さんに頼んで、緊急でMRCPをしてもらった。一番MRに詳しい技師さんだったので、撮像を工夫してもらって検査したが、総胆管結石があるかどうかはっきりしなかった。放射線科医に診てもらったが、あるとはいえなかった。単純CTに写っていたのだから、もう1回単純CTで確かめれば、と言われた。CTで見ると、総胆管末端に結石がまだあった。

 今日の血液検査でも肝機能障害はあり、程度は昨日より微増といった値だった。血清ビリルビンが昨夜の1.9が3.2になっている。胆道系の拡張は今日見ても軽度だった。末端だらか完全閉塞のはずだが、多少通っているのか。発熱はないが、白血球数14300、CRP5と上がって来ている。胆管炎が進行する可能性が高い。このまま土日にかけて保存的に経過を見るわけにはいかない。

 当地の基幹病院消化器科の先生に電話で相談すると、診てくれるという。胆道膵の専門医が赴任してきたので、受け入れが良くなったのかもしれない。家族3人が病院に来ていて、患者さん本人も腹痛がないので普段のように動ける。救急搬送ではなくて、家族の車で向かってもらうことにした。

 午前中この患者さんを診ていたので、たまたま予定していた外来の内視鏡検査を1件行っただけで、病棟の仕事がほとんどできなかった。外来診察のない日でよかった。今日は病院の忘年会で、締めの挨拶を頼まれている。お疲れ様だけ言うわけにもいかない。何か実のある話(来年の希望につながる話)をしなければならないが、こういうことはいたって苦手だ。

コメント
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