なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

本当に病気があった

2013年01月23日 | Weblog

 昨日91歳男性が胸部全体が苦しくなって、頭もおかしくなるという訴えで、内科新患を受診した。頭を抱えてうずくまると良くなるらしい。内科医院に通院して、めまいの薬などを処方されているが、症状を訴えても取り合ってくれないという(きちんとした先生です)。何だか心気的な印象だとは思ったが、一通り検査することにした。

 胸部X線・心電図は異常なし。血液検査で肝機能障害を認めた。腹部エコーと胸腹部CTを追加したところ、肝臓全体に腫瘤があり、癌の転移が疑われる、というよりまず転移だろう。膵臓に腫瘍はなかった。胆のうは萎縮しているが、腫瘍はない。CTで見ると胃壁が肥厚している。おそらく胃癌だろう。食欲はそれなりにあって、食べられるというので緊急性はないが、早急に胃内視鏡検査が必要だった。翌々日に胃内視鏡の予約を入れた。

 息子夫婦が連れてきていたので、息子に胃癌の肝転移が疑われることをお話した。内視鏡検査の後に、詳しく説明して今後の方針を決めることにした。できるだけ自宅で過ごして、食べられなくなったら入院でみる(看取る)ことになるだろう。

 今日外来予約を入れていた60歳男性が受診した。12月に肺炎で入院して軽快退院したが、再度発熱して陰影も広がって再入院していた。基幹病院呼吸器科を受診してもらって、抗菌薬の指示をもらって2剤併用したところ解熱軽快した。ゾシンの点滴静注にアベロックス内服の併用で、かなり強力な組み合わせた。ゾシン2週間継続してアベロックスは継続していた。昨日から再々度発熱して、炎症反応も上昇してきた。胸部X線で明らかな淫ネイの増強はないが、陰影はまだある。普段元気な患者さんで、両側に肺炎をきたしたのが、おかしい気がしている。抗菌薬に反応したのだから細菌性肺炎には違いないと思うが、なんだかおかしい。患者さん自身もまた入院はしたくいないので、なんとか外来治療にしてほしいという。抗菌薬の選択が難しい。結局明日前に相談した呼吸器科の外来を予約して再度紹介することにした。私がこれ以上診ていても解決しない。

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