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四季折々の詩(句)を紹介/新・人間革命

小説「新・人間革命」

2016年10月20日 04時47分40秒 | 新・人間革命


源流 四十一 法悟空 内田健一郎 画 (5932)

 山本伸一は、ジャッティー副大統領と会談した九日の午後、ニューデリーにあるジャワハルラル・ネルー大学を訪問した。教育交流の一環として、図書を贈呈するためである。
 同大学は、その名が示す通り、故ジャワハルラル・ネルー首相の思想を基調に、新しい学問の創造をめざして創立され、言語学部を除いて大学院課程のみの国立の大学院大学である。当時、学生総数は約二千二百人、教授陣は約五百人であった。
 伸一は、この訪問で、コチェリル・ラーマン・ナラヤナン副総長と語り合えることを、ことのほか楽しみにしていた。インド社会には、「不可触民」と呼ばれ、カースト制度の外に置かれて差別され続けた最下層の人たちがいた。副総長は、その出身だが、国家を担う逸材として期待されていたのである。
 カースト制度は、インドの近代化を推進するうえで、超えねばならない大きな障壁であった。既にカーストによる差別は禁じられていたが、慣習として根強く定着していた。
 「生まれ」によって人間に貴賤のレッテルを貼ることに真っ向から対決し、人間は生まれではなく、行為によって賤しくもなれば貴くもなると説いたのが釈尊であった。
 マハトマ・ガンジーもまた、インドの独立とともに、最も卑しめられてきた最下層の「不可触民」の解放を最大の悲願とし、その人びとを、「ハリジャン」(神の子)と呼んで、最大の敬意を表した。
 カースト制度は、都市部にあっては職業カーストとして細分化され、清掃一つとっても床とトイレとでは、行う人のカーストが異なる。しかし、それによって、人びとの仕事が保障されているという現実もあった。それだけに、この制度の克服は容易ではなかった。
 だが、何よりも大切なことは、偏見と差別をもたらしてきた、人びとの心のなかにあるカースト制度を打破することであろう。
 それには、万人が等しく仏の生命を具えた、尊厳無比なる存在であると説く、法華経の教えに立ち返ることだ。





【「聖教新聞」2016年(平成28年)10月20日より転載】


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