三世の四季

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四季折々の詩(句)を紹介/新・人間革命

小説「新・人間革命」

2016年11月12日 04時59分17秒 | 新・人間革命


源流 六十一 法悟空 内田健一郎 画 (5952)

 シン知事は、残念そうに語っていった。
 「本来、一つであるべき人類が、国家や民族、身分など、さまざまな壁によって分断されています。本当に崩れない平和を築いていくのなら、人間が創ってしまった人と人とを隔てる壁を壊すことです」
 「そうです。おっしゃる通りです!」
 山本伸一は、思わず身を乗り出していた。そして、「インドの繁栄と平和のために献身されてきて、いちばん悲しかったことはなんでしょうか」と知事に尋ねた。
 「イギリスの支配が終わって、インドが独立してわずか数年で、多くの人びとが、釈尊やガンジーなど、偉大なインドの思想家の教えや宗教を忘れてしまったことです。とりわけ宗教は人類にとって極めて重要であり、人類史に誇るインドの大きな遺産でした。しかし世界も、精神の国であるインドも、それを忘れ去って、物質文明化してしまった。
 これは、人類の歴史のうえでも、インドの精神文明のうえでも、最も悲しいことです」
 精神を支える宗教性を失う時、人は欲望の従者となり、獣性の暴走を招いていく。
 知事は、言葉をついだ。
 「ガンジーは、私に教えてくれました。
 第一に、『政治に宗教が必要である』ということです」
 政治には慈悲などの理念がなければならない。また、政治は権力を伴うゆえに、政治に携わる人間は自身の心を制御する術を磨かねばならぬ。ゆえに宗教性が不可欠となる。
 「第二に、『人びとのなかに入っていけ!』『人びとに近づけ!』という実践規範を示してくれました」
 民衆から離れて政治はない。民衆との粘り強い対話こそが、時代を変える力となる。
 「第三に、『謙虚であれ』ということです」
 謙虚か傲慢か――この一念の姿勢が、人生の成否、幸・不幸を決する。傲慢は、自身の欲望、邪心を解放し、人の道を誤らせる。仏法とは、傲慢を砕く自己制御の力である。
 精神の共鳴し合う思い出の対話となった。


【「聖教新聞」2016年(平成28年)11月12日より転載】


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