古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

チョークと物理理論

2017-05-12 | 読書
『重力とは何か』(幻冬舎新書、2012年5月刊、大栗博司著)を市立図書館の棚に見つけ借りてきました。筆者は最近中日夕刊のコラム「紙つぶて」に時折投稿されていて面白いので、まとまった著書を読んでみたいと思っていたのです。大栗さんは、東京大学国際高等研究所カプリ数物連携宇宙研究機構主任研究員。
大栗さんが5月10日の中日のコラムに「幻のチョーク」と題して寄稿していました。
「2年前、世界中の数学者を震撼させるニュースが走った。日本の老舗チョークメーカーである羽衣文具が、後継者不在で廃業するというのだ。数学や理論物理学の研究では、頭に漠然と浮かんだアイデアを、数式として表現するプロセスが重要だ。貴重なアイデアを失わせないうちに書き留めるためには、書き味の良い文房具が欠かせない。
ペンを使うホワイトボードより、チョークを使う黒板の方が好まれるのもそのためだ。
 チョークは、指で消せるのも利点だ。間違ったらすぐに書き直せるので、集中力が途切れない。
 羽衣侮奴のチョークは、滑らかに書けて、きれいに消せる。「チョークが自分で数式をかいてくれる」、「間違った定理は書かせてくれない」と、まことしやかに語られるほどの評判だった。優秀な数学教官を表彰するときに、羽衣チョーク一箱を副賞として授与する大学もあった。
羽衣文具が廃業になったので、あのすばらしいチョークも幻と思っていたら、先日私の秘書が「みつけたわよ」と持ってきた。
 製造機械やノウハウを譲り受けた韓国企業が、米国で販売を再開したのだった。」
さて、大栗さんの本である。
 さて、大栗さんのこの本、ニュートン力学、一般相対性理論、量子力学、超絃理論が重力をどう説明しているかを解説しています。
 一般相対論は、重いものがあると、そのそばで光が曲がることを明らかにしました。その事実から最近、宇宙の中にある重力源。「暗黒物質」や「暗黒エネルギー」を探る研究が行われています。それらの正体が明らかになれば、数百年にわたって教科書に載る大発見になるでしょう。
 物理学者は一般に「保守的」で、確立した理論を使える限り使い続けますが、その理論が通用するかどうかぎりぎりの条件で使ってみて「使えない」とわかると、新しい理論を考えます
 アインシュタインは、電磁気理論とニュートンの重力理論の矛盾を解消するため相対論を確立しました。
 アインシュタインの重力理論は、ブラックホールの存在を予言したが、「ブラックホール」の説明をしようとすると、相対論と量子力学の間で矛盾が生ずる。
相対論が量子力学とうまくかみ合わない所がある。これを解消するための理論が「超絃理論」です。
 こうした物理学者の理論追及の跡をたどった本ですが、こうした理論追及のプロセスで、筆記具をなめなめ考えたのでしょうね。
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