古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

世界一の日本経済

2016-12-24 | 読書
早いもので、もう年末です。正月休みに読む本をGETして来ようと、大学図書館で新書本2冊を借りてきました。その1冊、『財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済』(上念司著、講談社α新書、2016年9月刊)です。クリスマスイブの24日読みました。
「日本政府はGDPの2倍の借金を抱えている。国民一人当たり約830万円だ」よく聞きます。
しかし、負債(借金)があっても資産があればどうということはない。この点の解説を読みたいと思っていたのですが、この本が詳説していました。
 データは財務省のホームページに2年度遅れで公開される日本政府のバランスシートです。平成26年度末(2015年3月末)時点で政府資産は679.8兆円(前年度比27.1兆円増)です。「財政赤字は大変で消費税増税しないと日本は滅ぶ」くらいに言っていますが、そんな大赤字の国の資産が何で年27.1兆円も増加する?赤字で余裕がないなら、資産を取り崩して売る筈でしょう。それが増えているのです。しかも、このバランスシートには、巨額の資産を持つ子会社。日銀の資産(約3兆円)を含めていない。
「政府の資産といっても建物や空港とか自衛隊の基地とかで、売るわけにいかない!」という人がいます。しかし有形固定資産は179.6兆円で、日銀を含め他政府資産900兆円の20%に過ぎない。残りは金融資産。年金の運用寄託金は国民からの預かり資産なので、除外しても579兆円もの金融資産が国庫に眠っている。
人口は日本の約3倍、経済規模も約4倍のアメリカで、政府に資産は150兆円しかない。まさに日本政府は世界一の金持ち政府だと筆者は言う。
 次に、為替レートに論を進める。
 どんなモノでも、需要に対して供給が不足すれば、品薄になって値段が上がります。これは各国の通貨や為替レートについても成り立ちます。
ある国の通貨量が他の国に対して不足刷れb、不足した通貨は値上がりします。
 リーマンショック以降、急激に円高が進んだ理由は、日銀がお金を刷る量やスピードが遅く、反対に外国の中央銀行は猛烈な勢いでお金を刷ったということです。各国中央政府の資産残高の推移で、それがわかります。
 人口減少問題について
 子供が労働力として役に立つ場合、親が子どもを沢山作って金儲けをするインセンチブが働きます。しかし、国の経済が発展し、より付加価値の高いモならを生産するようになると、教育をけていない人は使い物になない。より高い賃金を求め、コsトをかけて子供を教育する必要がでてきます。たくさん産めばすべてがカネになるという状況が終わる。この傾向は日本に限ったことではない。世界各国においても、産業が発達し高度経済成長を迎えると、人口爆発は終了し、その後は少子化傾向が強まります。豊かになると少子化が進むというのは、統計的にも優位な現象です。
 日本で少子化が問題視されるようになったのは、バブル崩壊以降の経済的停滞が明らかになった2000年代です。
 この長期的停滞の原因はデフレ、またデフレを発生させた原因は、政府と日銀による政策の失敗。
原因が「人口減少」ならだれの責任でもない。景気が低迷しているのも、デフレが発生したのも、地方経済が疲弊しているのも、全部少子高齢化のせい・・・「少子高齢化」という魔法の言葉で、誰も責任を取らなくて済む、素晴らしい。と、「少子高齢化」がはやっているのです。データを見ます。1996年から2013年まで、OECD加盟34か国について一人当たりGDPの平均成長率と人口の平均増加率の相関を調べてみました。計算の結果、相関係数は0.38でした。決定係数(R2、相関係数の平方根)は0.1462。つまり14.6%しか説明できない。相関は薄いのです。一方、物価上昇率と名目成長率の相関を求めると、0.77で、決定係数は0.5969です。少子高齢化が経済成長に与える影響は極めて限定的です。
 さらに日本の国債価格について
「国債の買い支えのため1400兆円の個人資産を使い果たしたら国債の引き受け手がなくなる?」
 日銀が買い支える以上買い手がなくなることはあり得ない!日銀が買い入れをやめるとしたら、その時物価上昇率が2%に達しデフレが終焉している筈です。
 対外純資産で確認しましょう。
2014年末の主要国の純資産を見てみます。
日本  366兆8560億円
中国  214兆3063億円
ドイツ 154兆7055億円
ロシヤ 40兆5666億円
アメリカ▲834兆257億円
日本がダントツの1位です。
この本から学んだことは、すべてデータで確認しないといけないということです。
ただし、どういうデータを見るかが知恵を要する点です。
例えば、「アベノミクスが成功したかどうかを何で見るか。失業率の推移を見る。という考えがあります。しかし、失業率が改善したとしても、労働者の賃金が(非正規雇用の増加などで)減っているとしたら、それだけで成功しているという評価はどうでしょうか?
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