里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ツルデンダ 岩壁に着生

2017-03-21 | 日記

ツルデンダが着生していたのは、本吉町山田の頁岩の岩壁です。
この辺りには黒色頁岩が広く分布していますが、所々に青灰色~緑白色で硬質な頁岩も
見られ、そこにツルデンダが着生していました。すぐ傍には馬籠川の流れがあって空中
湿度が高く、コケやシダが着生しやすいのでしょう。




                            二枚とも2015.12.13撮影

羊歯植物は普通、胞子を飛ばして繁殖します。
地下茎を横に伸ばして、子株を増やしていく羊歯もけっこうありますね。
ところが、このツルデンダは葉先の中軸を長く伸ばし、先端に無性芽を付けます。
これが土やコケに触れると発根し、子株を生じます。
二番目の写真に、子株が小さな葉を伸ばし始めたのが写っています。
先にアップした、クモノスシダも同様な繁殖方法をとりますね。




                            二枚とも2015.12.13撮影

オシダ科イノデ属の常緑性羊歯植物で、北海道~九州に分布する。
山地のやや湿った安山岩や石灰岩壁を好み、コンクリート構造物などにも着生する。
根茎は短く斜上か直立し、褐色の鱗片に密に覆われる。
根茎から葉を放射状に叢生し、葉柄は長さ1~10cm、鱗片をやや密につける。
葉身は単羽状複葉、線状披針形で長さ12~20cm、幅2~3.5cm。
中軸は黄褐色~褐色の鱗片をやや密に付け、長く伸びて先端に無性芽を付ける。
羽片は20~35対付き、卵状長楕円形で長さ1~3cm、幅2~5mm、先端は鈍頭、縁には
浅い鋸歯がある。基部は前側で切形、後側でくさび形、短柄がある。
葉表は光沢のない緑色~黄緑色で、質はやらかい紙質。
ソーラス(胞子嚢)は羽片の上側の縁寄りに1列に並び、下側には殆ど付かない。
包膜は円形、直径2mmほど、膜質で宿存する。



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