タムラソウが咲いていたのは、石巻市雄勝町の峠崎道路沿いです。
前回、8月21日の踏査時に、道路脇に自生しているのを見つけたのですが、
その際はツボミだけで花の写真が撮れなかったため、開花時期を2週間後と
予測して、今回改めて踏査したものです。
タムラソウは花も葉もアザミに似ているのですが、葉にも茎にもトゲがないので、
識別は容易です。アザミと違って自生数が少ないため、これだけまとまって生えて
いるのは、初めて見ました。
二枚とも2015.9.5撮影
この峠崎は深山の尾根が、そのまま海に突き出したような地形のため、全域に森が
広がっていて、道路以外は構造物も田畑もなく、自然観察には絶好のエリアです。
タムラソウが自生していたのは北西向き斜面の道路脇で、背後は低木林ですから
木洩れ日が差す程度でしょうか。
斜面の向きを考えると、夕方は西日があたるかも知れません。
植物図鑑では「自生地は日当たりのよい草原」などと記述されていますが、実際の
自生地は松林の中の林道沿いとか、林際などの半日陰が多いようです。
二枚とも2015.9.5撮影
キク科タムラソウ属の多年草。本州~九州に分布し、草丈は50~150cm。
丘陵から山地の草地、明るい雑木林内や林縁に自生する。
地下の根茎は木質で、横に這い栄養繁殖する。
茎は直立し、タマボウキの別名があるように、多くの枝を出す。
葉は互生し、下部の葉は大きく羽状に深裂、裂片は4~7対でトゲはない。
質やや薄く、裏面は淡緑色。茎の上部の葉ほど小さくなる。
花期は8~10月で、花はアザミに似る。
頭花は紅紫色で直径3~4cm、長い枝の先に上向きに付き、筒状花だけで舌状花はない。
筒状花の殆どが両性花で、花冠は5裂する。雌しべの柱頭は2つに分かれて反り返る。
花の下にある総苞は鐘形、総苞片は7列。
痩果は褐色で長さ5~6mm、幅1.5mmほど、冠毛があって風で拡散する。
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