里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

タバコの花 可憐なラッパ咲き

2017-03-06 | 日記
かつて東磐井地方は、全国有数の葉たばこ生産地として有名でした。
千厩町に「仙台地方専売局千厩出張所」があり、その敷地に隣接して、葉たばこ
耕作の守り神「たばこ神社」が建てられたほどです。
しかし、たばこの健康被害が報じられるようになり、喫煙者が減少したことで、
葉たばこの植え付けが激減し、今では地域を歩き回っても、たばこ畑をあまり
見かけなくなりました。

藤沢町黄海地区の、なだらかに起伏する丘陵地を歩いていると、車道に沿った畑に
背高な作物が植えられていて、その大きな葉から葉たばこの畑と直ぐに判りました。
「おや、まだこんな広い畑に、たばこが植えられていたんだ !」と独り言。
運良く、可憐な淡紅色の花が咲き始めていました。
※作物・嗜好品としては「たばこ」、植物としては「タバコ」と表記します。




                             二枚とも2016.7.8撮影

大航海時代の幕開けとなった、コロンブスの新大陸発見ですが、彼が最初に上陸した
島は西インド諸島のサンサルバドル島で、最初に出会った先住民がアラワク族でした。
ここで友好のしるしとして、アラワク族がコロンブス一行に贈ったものの中に、
「たばこ」の葉があったと言われています。
では、この島が「タバコ」の原産地なのでしょうか。

アメリカの植物学者であるグッドスピード博士らが、遺伝情報を持つ染色体の分析と
分布調査を行った結果、ようやくタバコの原産地が判明しました。
タバコの母方がニコティアナ・シルベストリス、父方がニコティアナ・トメント
シフォルミスなどの野生種。
そして、これら母方と父方の野生種の分布から、タバコの原産地は南米ボリビアから
アルゼンチン北部の、標高1500メートルほどの高地であることが解りました。


                                 2016.7.8撮影

ナス科タバコ属の一年草或いは多年草で、南米ボリビアの高地が原産地とされる。
暖かく比較的乾燥した環境を好み、草丈は120~200cm。
園芸種のニコチアナ(ハナタバコ)は草丈30~100cm。
ロゼット状の株から太い茎を伸ばし、大きな厚い葉を互生する。
葉は卵形で長さは60cmほど、先端は尖る。
短い葉柄の基部には翼があって、半ば茎を抱く。茎や葉に粘りけのある腺毛を密生する。
花期は7~8月で、茎頂に淡紅色または黄色の花を総状に付け、卵形のさく果を結ぶ。
ただし葉たばこ栽培においては、より多く葉に養分を回すために、咲いた花は直ぐに
摘み取られる。タバコは毒草で、葉にはニコチン、ノルニコチンなどを含み、乾燥させて
喫煙用に加工し、また煎汁は殺虫剤になる。
園芸種は花色が多く、白、赤、ピンク、グリーンなどのカラフルな花を初夏から
秋にかけて咲かせる。


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