白雲去来

蜷川正大の日々是口実

札幌着。大地震を知る。

2011-03-13 13:08:00 | インポート

三月十一日(金)晴れ。

 明日の五時から、社友の石澤博文君と里見さんの結婚式に出席するために、 羽田のカウンター前で、自宅近くに住む藤田秀ちゃんと隠岐康、松本佳展の両氏と待ち合わせて十二時五分発のJALにて札幌行き。

 千歳空港には、社友の梶浦直樹君と、国の子評論のあんみつ姫こと山本和也氏のお二人に迎えに来て頂いた。久闊を叙し一路、市内へと向う。このとき、運転をしていた山本氏が、「アレ、眩暈がします」と言うので、皆、「太っているから高血圧に気をつけろを。そのせいだ」と笑い飛ばしたが、これが東北地震の影響と分かるのは、もう少し後のことである。

 昨年の暮に来た折に、狸小路で見つけた、怪しいプラモデルと軍事グッズのお店に隠岐氏を案内したのちに、山本氏の知り合いの屋台村のような場所にある「牡蠣」を食べさせる店で、遅い昼食をとっていると、広場の中にあるテレビを見ていた人たちが、「うわー」と叫んだ。何事かと思って、テレビの前に行けば、ヘリコプターからのライブで、走行中の乗用車が、津波に今にもの見込まれそうな映像が映し出されていた。

 隠岐氏などは、テレビに向かって、「早く逃げろ」と怒鳴っている。もう食事どころではない。次々と、惨状が映し出され、皆、言葉もない。我に返って自宅に電話をするが、全くつながらない。大変な時に札幌に来てしまった。留守家族が心配なのは、同行した人たちの共通の思いである。夕方になって、ようやくメールがつながり、家族の無事を知り、安心する。

 ホテルに入ってからも、テレビに釘付けである。信じられないような映像が次々に映し出され、これが現実に日本で起こったことなのかと、信じたくもない。まるで絨毯爆撃に遭ったようだ。

 六時に、夕食のためにロビーに集るが、皆一様に地震と津波の話と家族や、東北にいる親族の安否でとても食事に出るという雰囲気ではないが、しかし、心配しても北海道にいては、いかんともしがたい。帰ろうにも飛行機の予約が取れないし、来る時の飛行機が、午後の便だったなら、きっと札幌に来れなかったに違いあるまい。

 地元の方に紹介された「大助」(おおすけ)という居酒屋に行ったが、中々良い店で、料理も美味しいのだが、やはり飲んでも会話が弾まない。その後、一軒転戦して、早めにホテルに戻った。横浜への携帯が通じたのは深夜に入ってからであった。早朝まで、私の安否を確かめる電話やメールがひっきりなしに入り、結局、寝たのは午前四時を過ぎた頃だった。

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