ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

『大日本人』の大失敗

2007-07-02 21:50:56 | 映画
続いて『大日本人』…。

本作は言わずもがな、現代の日本お笑い界のカリスマ ダウンタウンの松本人志による、監督第1回作品であります。
日本での公開の前にカンヌ映画祭に招待され、マスコミ向けの試写会も全くされず、作品に関しては“謎”の部分が多すぎました。

いざ公開が始まると、折からの邦画優勢の中にあっても珍しい作品への賛否両論の雨嵐となり、否定派と肯定派クッキリ別れてしまいました。

まぁ~僕はこの『大日本人』が“怪獣映画”である事に注目、周りの罵詈雑言はあまり気にしないようにしていました。
内心、実はちょっと期待もしていましたが…。

やっと『大日本人』を観ました。

まず最初に断っておくと、僕はダウンタウンが大好きです。
昔の『4時ですよ~だ』の頃から大好きやし、ダウンタウンのDVDは沢山持っています。
松ちゃんの「笑い」に関しては、ホンマに一時代を築き上げた天才だと思います。
さらに僕はお笑いが大好きであり、コントも大好きです。

それでも、この『大日本人』は酷かった…。

本作のテーマになったのは「スーパーヒーローの日常」。

松ちゃん扮する主人公・大佐藤大は怪獣退治を生業とするヒーローであり、もう彼で6代目(オマケにこれは“日本の伝統職業”)。
だが最近は一般市民からもその存在を認めてもらず、大日本人の存在価値を疑問視する声すら上がっている。
最愛の妻子からも見捨てられ、誰からの理解も無く、日々出現する怪獣(劇中では“獣”と呼称)退治に義務感と虚無感を持っている。
「スーパーヒーローも普通の男」と言う視点、そんな男の孤独で虚しい日常をドキュメンタリー形式で語っていく。

まず松ちゃんらしく、ある種のやりきれなさ・切なさを背負ったヒーローの日常と戦いを、リアルに淡々と見せていく過程は独特なものだ。
妙にグロテスクで卑猥な怪獣達のルックスを含め、ヒーロー・マニアである松ちゃんの面目躍如、素晴らしいセンスだと言える。

ただ、本作は全く「映画」として成立していない。
ハッキリ言って、コレは2時間にも渡る長い「コント」だ。
決して「映画」と呼べるモノではない。
そう言った意味では「失敗作」であり、「駄作」と烙印を押されても仕方ない…。

ただ松ちゃんの描いたコンセプト(リアルなスーパーヒーロー像とその平凡な日常)、随所にある社会批判や問題提起をする姿勢、獣とのやりとりには笑える要素もしっかり効いている。
でも、それは残念ながら単なるパーツでしかなく、決して映画的に繋がっている訳でもない。
敢えて言うなら、意図的に「映画的演出」をしなかったのかもしれないが、結果的にそれが作品からメリハリや躍動感を奪い、「映画」として面白い要素を見事に殺している。

コレが監督デビュー作である松ちゃんに対し、こんな言い方も酷いかもしれないが、きっと松ちゃんの中に「映画なんて所詮こんなモノで良いだろ?」的な感覚があったのでは?と邪推したくなる。
かりにも10億円もの制作費をかけた超大作にあって、そんな中途半端な気持ちで映画を撮ったのなら、映画ファンとして「映画をなめるな! 映画をバカにするな!!」と言いたい。

個人的には下品でバカな映画は大好きだ。
そこに作り手側の確信犯的な“遊び”や、作品に対する思いを感じられたら、ファンとして何とも言えない幸福な気分になる。
松ちゃんは「新しいコメディ映画」と言ったが、所詮はTVの悪フザケが延長した長い「コント」の領域を超えるモノではない。

最後に本作の良いポイントを挙げると、VFXを手掛けた人物のセンスの素晴らしさは賞賛に値する。
低い人間目線のアングルによる巨大感の演出、リアルな街並みの中における迫力ある怪獣バトル等々…優れた人物なりチームの存在を実感する。
既存の着ぐるみ&ミニチュア重視の、ゴジラを筆頭とする怪獣映画の「再構築」が行われたら、きっと面白い作品が誕生しそうな予感がある。
こんな形で才能を無駄にするのではなく、その才能と実力が存分に発揮出来る“場”が作られる事を願います(この作品の商業的な成功は大きなチャンス)。

本作は映画館で観る「映画」ではない。
DVDなどで家のTVで観れば、作品の持つ面白さが発揮されるかもしれない。


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