さいたま市議会のオープン委員会(東西交通大宮ルート及び
大宮駅機能高度化に関する小委員会)が
片柳コミュニティセンターで開催された。普段は議会内で
開かれている各委員会が、町に出て市民が参画する
オープン委員会は画期的らしい。
テーマは「街づくりとLRT」。講師による講演の後、
講師を交えた各党派議員とのパネルディスカッション。
そして最後に来場者との意見交換が活発に行われた。
尚、この日は担当部局のさいたま市役所の職員(交通政策課)も参加した。
当日、基調講演をしていただいた荒川辰雄氏
(東工大卒 国土交通省出身。宇都宮市副市長に出向後、
現在一般財団法人、国土技術センター都市・住宅・地域政策
グループ研究主幹、総括)と鶴崎敏康当委員会小委員会
(自民党市議団団長)。新川氏はLRTの第1人者だ。
尚、蛇足だが、その後3日経って自民党市議団が分裂し、
鶴崎議員を団長とした自由民主党真政さいたま市議団が
発足したことは驚いた。
荒川辰雄前宇都宮副市長は宇都宮にLRT
(Light rail transit -軽量軌道交通)を導入する為に
国交省から招かれたその道のプロフェッショナルだ。
その講演を聞くとさすがキャリア官僚は隙の無い論理で
いかにも優秀といった人ばかりだ。そのことを専門に
追求しているのだから当然といれば当然かもしれないが、やはりすごい。
最初に宇都宮市の基礎データ(北関東初の50万都市)
立地特性、歴史から話をスタート。都市拠点、圏域、産業、
観光拠点の話があり、交通ネットワークの現状の説明があった。
宇都宮は鬼怒川で区域が東西に分断され、工業集積地域が河川の
東部に立地している。特に河川を横断していく公共交通は脆弱で
写真の様に、朝夕は慢性的な通勤渋滞になっている。
そこでこの交通渋滞を解消すべくLRT導入の発想が生まれた。
LRTは低床式車輌(LRV)の活用。停留場や軌道の
改良によってスムースな乗り降り、快適な乗り心地実現など
優れた特徴を有する次世代の路面電車システムのことだ。
新交通システムには路面バスからBRT(バス高速運送システム)
LRT、AGT・モノレール、鉄道・地下鉄まで時間の正確さ
速さ、そして事業規模によって5タイプに分かれる。
LRTは一時間あたり2000人~5000人輸送でき
建設単価は約25億円/㎞と言われている。
宇都宮のLRT事業の事業スキームは「公設型上下分離方式」を採用。
施設の建設・保有は行政(公共事業)、営業運営は民間が行う。
富山ライトレール、福井鉄道、広島電鉄、ポルトメトロの車輌実例。
互々車輌デザインがモダンでかっこいい。全国には現在19路線ある。
さいたま市にLRTを導入する場合、宇都宮に比べて
有利な点が4つ考えられる。その内容はこれを読んで下さい。
LRT導入のフローチャート。充分な事前調査、分析
(需要予測、事業費の算出、採算性 等)が大事。
無理な開発は駄目だ。
これが現在想定されているルート。
大宮駅~さいたま新都心~浦和美園駅