スミダマンのほのぼの奮戦記

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浦和エリア旨い店シリーズ ~番外編133~

2016-12-24 07:03:22 | 食~番外編(都内)

赤坂 菊乃井

東京都港区赤坂6-13-8

TEL 03-3568-6055

定休日 日曜日、第一・三月曜日

真髄を届ける東の京都。竹林に囲まれた石畳の小路、

都会とは思えないその異空間の奥に、赤坂菊乃井がある。

ここは京都市東山区下河原通八坂鳥居前下るに本店を置く料亭の赤坂店だ。

菊乃井は2009年にミシュランガイド京都で3つ星2010年に大阪掲載。

そしてここ赤坂店は2017年ミシュランガイド東京で2つ星に輝いている。

その石畳の小路を奥に歩みを進めると清閑な佇まいの

京数寄屋建築が現れてくる。ここ赤坂店は2004年に開店した。

因みに菊乃井は1912年(大正元年)創業、今年で丁度104年になる。

期せずして当社創業と同じ年にその歴史をスタートしたことになる。

お店に入ると待合い席そしてさりげない飾り物としつらえ、

空間が都会の喧騒を忘れる様に迎えてくれる。

赤坂菊乃井は手前に迫力のある大カウンター席13席。

奥に入ると小カウンター席6席。それ以外に小上がり2卓テーブル席3卓。

2階にはお茶室含むお座敷4席がある。

てらうことなく、おもねることなく、ただひたすらに京都を

お届けしようとする京数寄屋のたたずまいだ。

テーブルの盆にはなにか無間の拡がりを感じさせる。

酒器と箸置きが置かれてあった。ここの店主村田吉弘氏は三代目。

昭和26年生で立命館大学を卒業し、テレビ雑誌などで和食の

料理人として出演し、大変な料理人として有名だ。

名古屋の料亭「加茂免」で修業し、1976年実家に戻る。

料理業界屈指の論客で、日本料理京都文化に関する著書を多数出してくる。

伝統的な料理文化、料亭の経営に詳しくフランス料理との

コラボレーション、東京出店などさまざまな試みに意欲的に取り組んでいる。

因みにゴードン・ラルゼイとともにシンガポール空港の

機内食も監修している。そして北海道洞爺湖サミットの料理も担当した。

銅製(?)のあまり見たことが無い、デザインの徳利と木に

お酒が入った時の風情を意識していると思える酒器。正に風流な刹那だ。

 

 

いよいよ洗練という名の料理、一期一会の心を込めた

京の味わいの懐石の始まりだ。

猪口、河豚白子蒸し 銀あん 葱

八寸、この使い込まれた味のある漆の箱が素晴らしい。

サーモンの椿寿司  と 小川唐墨

辛子蓮根 と 菜種辛子和え 鱈の子落雁

海鼠みそれ和え と 豆腐味噌漬

向付一、河豚薄造り、皮湯引き、薬味ポン酢。

河豚は瀬戸内明石産だそうだ。

向付二、寒鰤(富山の氷見)辛味大根、土佐醤油

辛味大根はこんな小さいもの(京都菜)を使っていますとわざわざ見せに来た。

蓋物、甘鯛蕪蒸し、生雲丹、百合根、木耳、三つ葉、銀杏、山葵

蕪はこの聖護院大蕪を使っているとこれも見せに来た。

焼物、柚子釜焼(貝柱、雲子 海老辛 金時人参 柚子味噌)

中猪口 洋梨と山葵のソルベ

酢物、せこ蟹 土佐酢ジュレ 柚子

強肴、鴨鍋 九条葱 鴨つみれ 粉山椒

香の物 三種

御飯、河豚雑炊、浅葱 海苔 ポン酢

水物、八つ橋アイスクリーム 焼林檎

水物、柚子ソルベ、柿と紅茶ジュレ

デザートは2種類の内1つを選べる

斜目横ではズワイ蟹を火鉢の上でベテラン料理人が丁寧に焼いて、

その芳ばしい匂いが漂ってきた。数年前に行った真冬の

城崎温泉西村屋本館のカニを思わず想い出してしまった。

この二人の女性客は香港からの客と言っていた。

 

聞く所によると厨房は地下にあり、30人もの料理人が仕事をしているとか。

全く信じられない様な数だ。一階にも皆若い料理人が15名程、

お客に対応している。いろいろ聞いてみると家業で修業に来ている人

将来自分の店を持つ夢を抱いて日々努力している人

種々な若者が切磋琢磨して競いあっている姿はある意味美しい。

ここには他店に無い男子校のようなピリッとした空気が流れていた。

当日はカリスマ店主の村田氏は京都へ行っているとの事。

しかしその料理の質の高さ、繊細さ、盛り付けの美しさ、

料理の独創性、丁寧さどれ一つを取っても素晴らしいの一語だ。

最近ではこんな充実した懐石は食べたことが無い。

菊乃井さんには2つ星の評価以上に優しい中に料理の凄味を感じてしまった。

満ち足りた気分で見た帰りの赤坂サカスの

イルミネーションはことの外美しかった。

 


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