sigh of relief

くたくたな1日の終わりに、
熱いコーヒーと、
甘いドーナツと、
友達からの手紙にほっとする、感じ。

2016年の小説

2017-01-25 | 本とか
本は映画ほどは読んでないですね。
集中力が続かないし、そもそも読むのが遅い。
一番たくさん読んでいるの場所はお風呂で、
読んだ本の半分はお風呂で読んだものだと思います。
面白かった本や好きな本、いろいろ考えた本は感想を書いているし
数も多くないのでまとめるほどではないんだけど、
ヴィジュアル系じゃなく読む本、主に小説の中からベスト5(+2)を。
クリックすると各本の感想ページへ行きます。

「屋根裏の仏さま」ジュリー・オオツカ
これが自分の2016年のベストかなと思う。
100年前写真花嫁としてアメリカに渡ってきた女たちの声を
特定の一人ではなく大勢の「わたしたち」という一人称で
たたみかけるように書かれていて、不特定多数の彼女らの声が
バロック音楽のポリフォニーのように頭の中でこ呼応しながらこだまします。
アメリカからも夫からも受ける差別と暴力、厳しい労働、苦しみと喜び、
そして戦争が始まり敵性外国人としてアメリカ中の日系人は強制収容所へ・・・
小説の形式として面白いけど、これはこう書くしかなかったんだなと納得できる。
名作!

「一番ここに似合う人」ミランダ・ジュライ
なんだかやっぱりミランダ・ジュライは気になる作家です。
本としては「あなたを選んでくれるもの」の方が好きで、読むたびに
こういう本を書いてみたくなる。
自分は悲観的で人間嫌いだと思うけど
コミュニケーションということについて考えるのは好きなんだなぁ。
その好きなことに、とても近いのが、ミランダ・ジュライの活動なんです。

「漂砂のうたう」木内登
江戸末期の遊郭が舞台の話で、自分にとっては読みにくい本だったんですよ。
設定も内容も文体も。
登場人物も誰にも共感できないし、それぞれ嫌な感じも持ってる。
でもね、なんか湿って暗いんだけど、それでも読み終わった後には
希望も信頼もあって、なんともしみじみとして、読んでよかったと思った本。

「菜食主義者」ハン・ガン
「羊と鋼の森」と対照的に読んでる間もいやぁな気分で、読後感も
ぬめっと気持ち悪くヘビーでしんどいという小説。描写がグロいとかではなく
とにかく人間のなんだかいやな部分をさらさらと見せられる感じが。
もう読み返したくないけど、これだけ衝撃を与えられるということは
それだけ力のある作品ということですね。
初めて読んだ韓国の現代小説がこれって、いいのか悪いのか。笑
とにかく疲れて気分の悪い嫌な本だけど、とても上手い小説と思う。

「ことり」小川洋子
若い頃嫌いだった小川洋子が好きになってきたのは
作家が変わったのか自分が変わったのかわかりませんが、
これは、この主役兄弟が実際にいたらあまり好きになれないかもと思いつつも
小説の中ではすっかり親身な気持ちで見守ってしまったし、
ことりの鳴き声やブローチや、小さなディテールのイメージがとても好き。
2年ほど前に読んだ「人質の朗読会」もすごく好き。

めちゃ好き!というわけでも、好みを超えた傑作!というわけでもないけど
2016年に読んで記憶に残った本、次点2冊。

「ジニのパズル」崔実
完成度の高い端正な小説が好きなので、これは特に好みというわけではないけど
読書会にも行ったし、その後のいろんな議論も見たし
2016年に一番いろいろ考えた本かもしれません。
政治的なこと抜きでは読めないかもしれないけど、
何よりわたしも昔一度は、中一の無力な女の子だったことがあるので
苦しいくらい主人公の気持ちになってしまうところがありました。

「羊と鋼の森」宮下奈都
ピアノという楽器自体や調律師の話が好きなんですよね。
それがとても優しく透明感のある文章で書かれていて
出てくる人たちもみんな好感の持てる優しい人たちで、
読んでいてずっと気持ちよかったです。森林浴的に。
自分にぴったりの本だと思う。
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