sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

「ハウルの動く城」

2016-06-30 | 本とか
息子が7週間ほどアメリカ、南米、ヨーロッパを移動する旅をしていたとき、
アニメの「ハウルの動く城」の舞台だというストラスブールの写真を送ってきて、
それを見た人が、原作面白いよと薦めるので、ハウルの本を読んでみました。
窮屈で、運のない長女を長年やってきた自分には、
ヒロインのソフィーの気持ちがわかりすぎて、なんだか結構一気に読みました。
あらすじはアニメが有名だから、みなさんご存知でしょうと省略。

ソフィーは魔女の呪いで突然18歳から90歳くらいの老女になるんだけど、
受け入れてしまえば、18歳から突然老人になったってたいしたことじゃないのかも。
実際ソフィーは、パニックになったりすることもなく、わりとすぐに状況を受け入れ
すたすたと、やるべきと思うことの方へ進んでいきます。
悲観したり嘆いたりはあまりなく、次へ次へと動くソフィーは
心が強く肝の据わった子だったからなのかもしれないけど、
おばあさんになることで、自分が囚われていたいろんなものが
するするとほどけていく気持ち良さを感じたんだろうなと思う。
怖いものや従うべきものが遠くなり、なんだか不思議な自由があることに、
気持ちがすこんと広々したんじゃないかな。
醜くても不便でも衰えててもいいから、今の自分でないものになりたい、
という気持ちになることは、わたしもよくあるし、
さらに、社会や、時には自分自身で自分を縛っているたくさんのことからも
うんと年をとれば自由になれるかもしれないと憧れもあって、
ソフィーもそうだったんだろう、
実際にそうなってしまうまで自覚がなかったにしても、と思いました。

ファンタジーとしての部分は、あんまりよくわかりませんが(ファンタジー苦手)
ソフィーの人物造形とその変化だけでも、とても面白く読みました。
ハウルもいいですけどね。自惚れ屋で自分のことしか考えてなくて
面倒や嫌なことからは隠れたり逃げたりしたいずるさやいい加減さ、弱さもあって、
でも、なんだか変な優しさがある男の子。憎めません。

ひとにたまたま勧められる本って、面白いことが多くて楽しい。
今はまた別の人に進められた本を読んでいますが、
これがものすごく面白くてほぼ全ページに付箋がついてしまう勢いです。笑

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