sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:葛城事件

2017-03-18 | 映画


友達に何しろいいから見ておいでと言われてた映画だけど、確かにすごかった。
このあと続けて「ラ・ラ・ランド」を見たんだけど、
「ラ・ラ・ランド」の何もかもがが生ぬるく感じられてしまいそうになったわ。笑

予告編で、三浦友和が酔っ払いながらカラオケ歌いどなるシーンなど見て
強権的な父親のせいで崩壊していく家族の話と思ってたけど、
映画を見るとすべて父親だけのせいとはいえない感じで、家族それぞれがおかしい。
妻の南果歩は、すごく得体の知れない気持ち悪さがあるし
無差別殺人に走るひきこもり次男の内にこもった勝手さは、不快感しかない。
共感どころか、反感しかもてないような登場人物たちの、
なんともいえない気持ち悪さがすごい。

三浦友和も南果歩もすごい。本当にうまい。息子たちの役もそれぞれいいです。
でも、死刑囚と獄中結婚する田中麗奈だけは、
見た目が一途で、まともに見えすぎるとこがダメだなと思う。
無差別殺人をして、まったく反省をしない、話の通じない死刑囚と結婚して、
自分が家族となって相手を変えるとか信じてるんだから、
おかしなカルト宗教の狂信者並みの歪んだ信念の持ち主なわけで、
かなりおかしい極端な人間の役なので、
南果歩のほんの一割くらいでも得体の知れなさや狂気があればよかったけど、
大体、健気で真面目な子にしか見えない。
ちょっと役不足なかんじ。

三浦友和は演技すごいけど、幅もすごい。
若いシーンの爽やかな男前具合と、その後の汚れ具合と、違いすぎで、うますぎる。
でも、彼、体絞ったらブラピより男前と思うんですが。
まだまだ色気あるし、甘い2枚目の役も、おじいさんになる前にもいちど見たいぞ。
佐藤浩市がやりそうな、切ないメロドラマを体を絞った三浦友和で見たいなぁ。
若い頃、優等生的すぎて好きじゃなかった三浦友和だけど
ほんと色気が出たなぁと思うんですよ。

妻と二人の息子と、マイホームと幸せな家庭のはずだったのに
支配的な父親に逆らえずいい子を演じてきた長男、
期待に添えずに内にこもっていくひきこもり次男、
夫のいうなりで、何もかも諦めてただ生きてるだけみたいな妻。
の話。
映画は、あれこれ細部まで丁寧に作られてるし、
暗さギリギリのシーンのカメラのとらえる人の表情も、ホント上手い。
ラストも、はっきりとした句読点を打たないで終わってる感じで、
そこがうまい。終わらせずに終わってるというか。
この地獄はずるずるとどこまでも終わらないんだなぁって感じ。

疲れる映画ですが、これは傑作。

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2 コメント

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Unknown (yuni)
2017-03-19 21:18:18
私も三浦友和最近いいなあと思っていたのです。狂気の役あいそうです。年取って良くなる人っていいですね。
>yuniさん (sigh)
2017-03-20 00:13:05
これからもずっと良くなっていきそうな俳優さんですよね。楽しみです。
今見たらきっと、昔興味がなかった若い頃のイケメンさも、まぶしいかもしれませんね。

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