sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方

2017-02-24 | 映画


これはね、期待はしてなかったんですよ。
ロッタちゃんのシリーズとかね、映画としての期待はあまりしてないの。
ハリウッド臭ゼロの、北欧の田舎の風景と、天然レトロなインテリア生活と
小さい子どもらのかわいさとが見られたらいいや、という映画だからね。
そして、その通りの映画でした。これはドイツが舞台ですけど。

お話はよくある絵本のレベルで、かなり無理やりなこじつけ感あるし、
辻褄も因果関係も合ってないし、ところどころもたつくし、
映像はなんかやたら手作り感があってちゃちいし、音楽もとっぽくて、
平和すぎて眠たくなるような映画なんだけど、
83分の映画だから、ま、ちょっとふんわりした気分になるのにはいいかと思う。

他のことはどうでも、子供達がもう異常に可愛くて
3歳くらいの子が5人、なんとかセリフを言っては
みんなでぱたぱたとことこ駆け出す姿や、
演技じゃなくなんか楽しくて大笑いしてる顔みてるだけで素晴らしい。

ドイツのど真ん中、そして世界の中心に地理的にあるという村に、
銀色団という調査団が乗り込んできて本社を立てました。
それは、この、世界一平凡で普通で平均的な村で消費者調査を行い
新商品を売りつけようとする人たちでした。
銀色団が来て村は変わってしまい、大人達は銀色団の言うなりに、
子供達の大好きなおじいちゃんやおばあちゃんを老人施設へ閉じ込めます。
おじいちゃんたちを助けるために、村が特別になればいい!と考えた子供達と、
イチゴミルクが大好きなハナグマのクアッチはハナグマギャング団を結成して
いろんな作戦を企て・・・

子供は純真で冒険好きで真実がわかり、
大人は迎合的日和見的事なかれ主義で、うわべに騙されるという
ステレオタイプは好きじゃないし、大人の人には特にオススメしないけど
幼稚園児くらいのこどもがいたら連れてって一緒に見たい気がする。
ハナグマの演技もなかなかすごいです。

映画と関係ないけど、
映画の中であんまり何度も「普通」「平凡」を連発されて
思い出した若い頃の思い出がある。
20代で、家に閉じ込められて見合いをなんども繰り返させられていた頃、
見合いの席や、お見合いを取り持つ人がいるときに、父が
なんども繰り返し強調していた言葉「普通〜の子です」「ごくごく平凡な娘で」。
相手が、いいお嬢さんとか、才気煥発でとか、才能がおありで、みたいなことを
言った時の謙遜の言葉ではあるけど、謙遜以上になんども繰り返し強調されました。
父にとって、女性がナニモノかであるのは大問題で、それは、はしたないこと。
嫁入り前の娘は、何も知らない考えない平凡な娘であるべきなのでした。
わたしが何か意見を言おうとすると押しとどめるように
「いやほんと、ごく普通の娘でね。何もできない娘です」
「何の才能もない平凡なこどもで」と繰り返し話し、その度にわたしは
悔しくて、悲しくて、こわばった顔でうつむくしかできなかったことを、思い出した。
こんなふわふわした、かわいい映画を見て、いやなこと思い出したのは悲しいな。

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