271828の滑り台Log

271828は自然対数の底に由来。時々ギリシャ・ブラジル♪

揺れを防ぐ工夫(出前機と綱渡り)追記あり

2012-09-27 08:57:17 | Weblog
途切れ途切れにステディカム(ビデオ・スタビライザー)の事を考えています。先の記事を読んだ知人から蕎麦屋の出前でバイクの後に吊るすあの装置も「揺れを防ぐ工夫」として関係あるのでは、と言うメールをくれました。
バイクの後にぶら下げて蕎麦や寿司を配達する装置は私も知っていますが、なんと呼ぶのか知りませんでした。調べるとこれが出前機(出前品運搬機)と判明、発明したのは日本人、来日した外国人は一様に感心するらしい。今ではファミレスが沢山出来て出前を取ることが随分少なくなったようです。まだ製造販売されていることは確認出来ましたが、いずれ絶滅機具種になりそうです。
この出前機が実際に蕎麦や寿司を運搬する動画を探したのですが、なかなか見つかりません。


同じ投稿者の動画ですが、機構が少し理解出来るようです。


私が期待したのは「ホンダ スーパーカブ CM [Do you have a HONDA?]蕎麦屋出前編」なのですよ。


こうして見ると、この出前機もホンダのスーパーカブも日本における製品開発の傑作だと言えるでしょう。私の同級生が市内で蕎麦屋を経営しています。まだこの出前機を使っているなら動画を撮影したいと思いました。出前機が発明される前は、蕎麦を何段も積み重ねた盆を肩に乗せて、片手で自転車を操ったものです。もうサーカスに近いです。

さて多くのDIYステディカムはマーリンをお手本に作られています。本家の販売店がユーザにこの機械の原理や設定方法について解説した動画を見ると、出前機とマーリンの違いが分かります。出前機が目指したのは汁がこぼれない事、寿司が転がらない事であって、岡持ちが動いて良いのです。岡持ちにカメラを取り付けて景色を撮影すればもっと良く分かるに違いありません。
マーリンを使うにはウエイトとバランスの調整が大変微妙で、きっちりセットアップしないと思ったような動画を撮ることが出来ません。ウエイトを沢山つけて、機器全体の重心を下げてもウエイトの慣性のために撮影者の動きに敏感に反応してしまいます。ゆっくり動く事が肝要なのです。動画ではこれを「ドロップタイム」と説明しています。

サーカスの綱渡りでも演技者が棒を持つのはこの「ドロップタイム」を大きくするためです。このイラストは大槻義彦さんの『サーカスの科学』(ブルーバックス、1986年初版)から引用しました。演技者が棒を持っただけでは棒の質量による重心の低下は僅かです。しかし長い棒は慣性モーメントが大きいために演技者+棒全体の慣性モーメントも大きくなり、周期が長くなってバランスを保つのが容易になるのです。

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(9/29追記)今日を最終回として朝ドラ「梅ちゃん先生」が終わりました。私が「安岡医院」より「安岡製作所」に興味を持つのは仕方ないことです。ベルト掛けの旧式旋盤やフライス盤を動かす事が出来たのは、NHKだからでしょうが、蒲田の皆さんの協力があったに違いありません。
最終回にほんの2秒ほどですが、蕎麦屋の出前持ちが自転車に乗って通過する場面がありました。やるねぇ!

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