タイムラプスいろいろ

モーション・タイムラプス映像への飽くなき追求


SKYPIX JAPAN www.skypix.jp

スペイン遠征撮影

2017年08月10日 | 日記

  2017年7月、かつて2年近く在住したヨーロッパのパラダイス、スペインを32年振りに訪れ、3週間かけ車で3,864Kmを走破しながらタイムラプス映像を撮影しました。

 

 実は32年前に在住当時、38日間かけて8,800Kmを走破しながらスペイン各地をつぶさに回った事がありました。

従って何処に何がああるかは頭の中にはっきりと焼きついていたので、その中でも印象深かった所を辿りながらマドリッドを起点に、カスティージャ・イ・レオン地方、
アラゴン地方、カスティージャ・ラ・マンチャ地方、アンダルシア地方、エキストマドゥーラ地方をぐるりと一周するコースを企画しました。

スペインの魅力は、なんと言っても地平線まで続く広大な乾いた大地と石造りの家々、そして何世紀も経た古城やカテドラル(大聖堂)、イグレシア(教会)や、大自然が創り出したスケールの大きい岩の台地の造形です。
そして強く眩しく乾いた暑い「太陽光線」と、石造りの家々や自然の造形が遮って出来る信じられないほど涼しい「影」とのコントラストです。
人々は、その影の中でワインやビールを飲み、美味しい物を食べ、ゆっくりとした時の流れの中で人生を楽しんでいます。

今回の旅の中で唯一残念だったのは、日程がわずか2週間ほど遅かったようで、エキストマドゥーラ地方にある地平線まで続く大ひまわり畑がすでにしおれてしまっていて撮影できなかった事でした。
また、32年前にはスペインのあちこちで平原に咲き誇っていた可憐で美しいアマポーラがすっかり姿を消していた事でした。(現在では、他の農作物などの栄養を吸い取ってしまうと言う事で、雑草として駆除されてしまったとの事でした)

1. 車での移動の環境

スペインの高速道路は有料のAutopistaと無料のAutovíaの2種類に分かれますが、ほとんど(実際に走ったコースでは99%)が無料のAutovíaです! 写真は片側2車線写しています。

両方とも道路の造りに大差はなく、サービスエリアの充実度などに差がある程度に感じました。 それよりも道路舗装や幅など、高速道路としてのクォリティは抜群で、すべてが日本で言えば新東名の仕上がりです。

32年前には高速道路はスペイン南部にわずか1路線、それも100Km程度しかなかったのに、今では全土をくまなく高速道路網が網羅しています。しかもそのほとんどがただ!そしてすばらしい舗装!そして何よりも嬉しいのが制限速度が120Kmだと言うことです。 スピード違反取締りのレーダーはたまに設置されてますが、直前にどでかく華やかな電光掲示板!で警告しているので、そこだけ速度を落とせばOK! 覆面も走ってないし、だいたいパトカーをすごい速度で追い越しても追いかけてこない!し・・・結局時速160~170Kmで快適にクルージングできました。

これが昔ながらの一般道です。 舗装が大変良く、日本の普通の高速道路並みの仕上がりです。 スペインの一般道の制限速度は90Kmです。しかし道が良い区間では最高速度は100Km!です。結局みんな大体140Kmくらいで走っています。

これが中央線がない最も悪いクラスの道です。それでも舗装の仕上がりが驚きです。 道路は間違いなくこの32年間の間に日本をはるかに追い越してしまったようです。

道中、村に差し掛かるとこんな感じです。

 

2. 撮影の様子

【アンダルシア地方、モンテ・フリオ】


【カスティージャ・ラ・マンチャ地方、カンポ・デ・クリプターナ】



【カスティージャ・ラ・マンチャ地方、トレド】


あまりの暑さ(47度)にカメラは完全にオーバーヒート。(高温アラームがでます) シャツを被せて対処しました。



【カスティージャ・ラ・マンチャ地方、クエンカ】



【カステージャ・イ・レオン地方、フリアス】

【アンダルシア地方、ロンダ】



【アラゴン地方、ウエスカ】


【アンダルシア地方、アルコス・デ・ラ・フロンテーラ】



【カスティージャ・イ・レオン地方、アビラ】



【カスティージャ・イ・レオン地方、セゴビア】

 

 3. 余暇のスナップですが・・・ 


32年振りにヴァジャドリッド大学に留学当時の同じ寮生の仲間が集まってパーティを開いて歓迎してくれました。 スペインは変わりましたが友情は全く変わっていませんでした。


知り合いの英国人の奥さんがスペイン人で、ウエスカでは待ち構えていて、撮影を一生懸命サポートしてくれました。(左)
32年前にスペイン語の個人教授してくれた先生とも感激の再会をしました。(右)

 

 


この作品でスペインの魅力とタイムラプスの描写力に少しでも気づいて頂けたら大変嬉しく思います。

また、今回はドローンも持ち込んで、要所要所で空撮も行いました。 (一部は本編の中にも空中でホバリングさせながら撮影したタイムラプス映像が含まれています)
空撮映像は、タイムラプス映像とコラボレーションさせてひとつの作品とすべく撮影しました。 別編にて公開致します。

【撮影機材】

モーション装置:SKYPIX X3pt Pro-TS1500
カメラ:CANON 6D、天体改造済6D(内蔵のIRフィルター交換)
レンズ:NIKON AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED、および24-120mm F4.0G ED
フィルター:NISI 150x150mmシリーズ ND1000、ND64、PL

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高機能インターバル・タイマーの製作

2017年06月14日 | 日記

カメラを三脚に固定して撮影するドーリーを使わないタイムラプス撮影(FIX撮影)の時には、市販のインターバル・タイマー(Intervalometer)のお世話になります。
中国製の2千円もしない製品で十分使えるので、お使いになっている方も多いと思います。 私も愛用してきましたが、いくつか不便な点がありました。

SKYPIX JAPANのWebsiteでご紹介しているタイムラプス画像処理ソフト「LRTimelapse」の作者、ドイツのGunther Wegnerさんが、とても便利なインターバル・タイマーを開発してくれました。
マイコン・ボードArduino UnoとSainsmart LCD Display Shieldを購入し、同氏が開発し無料公開しているプログラム(スケッチ)をインストールすれば心臓部分は完成です。
後は、トランジスタと抵抗1本ずつを小さな基板のかけらに装着してカメラのドライブ回路を製作する必要があります。

私は電源(5Vが必要です)にスマホ用の小型リチウム・バッテリー・パックを使用しましたので、バッテリーはかなり長持ちするし、充電もUSBで簡単に行うことができます。
また、カメラのホット・シューに固定して液晶パネルが撮影者の方向を向くように工夫しました。


以下がこのインターバル・タイマーの主な特徴です。

・カメラのホットシューに取り付け可能
・液晶モニターが後方を向くので撮影時に確認しやすい
・枚数は9999枚まで設定可能(無限も可)
・撮影済み枚数が表示される
・残り撮影枚数が表示される
・経過済み撮影時間が表示される
・残り撮影時間が表示される
・PAUSE可能
・バックライトON/OFF可能
・スマホ用小型リチウム電池パック使用で充電はUSBで可
・電池パックのボタンを押すと電池残量が確認できる
・カメラは2台並列撮影可能


製作については、中身は簡単なのですが、ケースの正確な穴あけ加工と、基板上の小さなタクトスイッチに延長用のボタン・ノブを固定するのがかなり大変でした。(汗)
実際に動作させてみると大変便利で撮影現場で活躍してくれそうです。


 



その後、電源を以下の物に変更しました。
スマホ充電用のバッテリーは簡単にUSBで充電して使えるし容量が大きくて良いのですが、スマホが充電完了後自動的にパワー・オフする回路が組み込まれています。 このインターバル・タイマーの消費電流は少ないので、時々誤動作(使われてないと判断)してパワー・オフとなる現象が確認された為です。




これは普通のアルカリ電池が使える優れものです。 1.5Vが4本で6Vとなる為、電圧が高すぎるのですが、中にDC-DC Converterが組み込まれていて、USBソケットから5V/800mAが出力されます。
充電はできませんが、撮影の現場では絶対に失敗しないように、都度乾電池類はすべて新品に入れ替えて使いますので、かえって手間がかかりません。
サイズも薄くなり、大変うまくマッチしました。
なお、この装置にエボルタなどの1.2Vの充電池を挿入しても問題なく使えましたので、電池を選ばない便利な製品です。

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ドローン搭載のカメラの実力は?

2017年05月11日 | 日記
DJIのドローン(PHANTOM4PRO)をタイムラプス撮影の機材として導入したのを機会に、使用している1インチと言うCCDサイズが一般のカメラと比べてどの位の位置にあるのか比較してみました。




ちなみにPHANTOM4PROに搭載されたカメラは、4Kサイズの静止画・動画(動画は最大4K60P)を撮影する事ができます。

CCDの比較については、既に過去記事でCCDのピクセル・サイズの比較表を作ってあります。



これは、仕上がりの映像サイズがどこまで届くか確認する為に作ったものです。

今回は、CCDのピクセル・サイズには係わりなく、物理サイズを比較しました。


もちろん、CCDのピクセル数や物理サイズだけで出来上がりの画像を評価する事はできません。
特に、物理サイズの小さいCCDにピクセル数を詰め込んだ場合、1ピクセルのサイズが小さくなる為にフェアウェル・キャパシティ(CCDの1ピクセルに蓄積できる光の量)が減って感度が低下します。
感度が低下すると言う事は、とりも直さずノイズが増えると言う結果につながります。

DJIのPHANTOM4PROは1インチのCCDサイズに5472X3648ピクセル(2000万画素)を詰め込んでおり、これはフルサイズCCDを持つCANONの6Dと同じスペックです。画素数による出来上がりサイズの大きさと素子分解能は6Dと同じと言う事になりますが、感度の低下(ノイズの増加)、ダイナミック・レンジの低下は当然ですので、もちろん性能は6Dには遥かにおよびません。

ピクセル・サイズを小さくしても、CCD面に素子を並べる為にどうしても必要となる間隙部分(フレーム)の構造には限界がある為、解像度では損をします。 更にPHANTOM4PROはレンズ交換ができませんから、そのレンズの性能以上の物は得ることができません。

実際にPHANTOM4PROで日没時の太陽にまともに向けてタイムラプスを撮影してみましたが、そのダイナミックレンジの狭さ(と言うか普段使っているCANON6Dのダイナミックレンジの大きさ)に閉口しました。



また、画像処理でシャドウ部分をちょっと持ち上げると、昼間の撮影映像にも係わらずノイズがすぐに出て来るのにはたまげました。

更に、CCD以降のデジタル処理エンジンの能力が最終的に大きな影響を与えますので、階調数にはおそらく大きな差がある物と思われます。

所詮ドローンに付属しているカメラです。ドローン本体と付属品を入れて30万円程度と言う価格(フルサイズ一眼レフカメラ・ボディの値段です)ですから当然と言えば当然な話ですね。(笑)

ダイナミックレンジを必要とせず、十分な光量がある対象を狙う事がポイントとなるでしょう。

完璧を狙うのであれば、6発とか8発のプロペラを持つヘキサコプターとかオクトコプターに大きなジンバルをぶら下げて一眼レフカメラを搭載するしかない訳です。 当然一人での取扱いは簡単ではなく、操縦者と撮影者による2マン・オペレーションが望まれます。 それを考えれば、4発のクワッドコプターの機動性の持つ意味は大変大きく、搭載されるカメラが今後どこまで一眼レフカメラに迫れるか、その性能向上が期待されます。

下の映像は昼間の良い条件下で撮影した映像です。


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スペイン遠征撮影(予定)

2017年05月01日 | 日記
今年に入って実施した2度のミャンマー遠征撮影に続いて、7月に3週間かけてスペイン遠征撮影に出かける予定です。
32年前に語学留学で1年数ヶ月在住し、当時38日間かけて8,800Kmを走破しながら各地をくまなく探訪した事があるので、撮影ポイントは既に頭の中にあります。

グラナダやセビージャ、バルセロナ等の有名観光地以外に、出逢った印象深い各地を訪れて撮影したいと考えています。





今回から撮影機材に従来のドーリーにドローンが加わります。 上空からのタイムラプス映像を取り込んで行きたいと思っています。(バッテリーの持続時間から実撮影時間は20分に限られるのでどれほどの物が撮れるかは未知数です)

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ミャンマー遠征撮影(第二回目)レポート

2017年04月18日 | 日記

2017年1月の初回遠征撮影に続いて、3月末~4月初旬に再びミャンマーに遠征撮影に出かけました。
今回は、2週間かけて車で2,550Kmを走破しましたので、通算4,550Kmを走破したことになります。



前回は.かつての繁栄を伺わせる大遺跡群と過去の火山活動によってもたらせれた奇岩とそこを聖地として建立された寺院など、ミャンマーの大地のスケール感を感じることができる「遺跡・奇岩編」と、ミャンマー人が昼夜を問わず祈りを捧げて来た目を見張る様な素晴らしい建造物や仏像を中心に、敬虔なミャンマー人の姿も捉えながら仏教文化の深さを感じることができる「パゴダ・大仏編」を撮影しました。

今回は、ミャンマーの海辺や河辺、湖畔に焦点をあてた「水辺のミャンマー編」を撮影しました。
乾いた広大なスケール感のある大地だけでなく、美しい海岸や国土を南北に貫く大河、豊かな湖をたたえるミャンマーのバラエティに富んだもうひとつの側面を捉えました。

ちょうど新月の週だったので、今回は星空撮影にも注力する予定でしたが、既に乾季は終わりに近づいており、空は霞がかかった状態でとても銀河が写し込める空ではなかったので撮影を断念しました。 日の出、日没も前回のようなスカッと晴れた明瞭度の高い映像は撮れず、多くの撮影で雲が出て来てボツとなりました。(泣)


道中の食事処で、定食?を。 これ全部で300円です。


コーヒーは砂糖+ミルク+インスタント・コーヒーの3つが入った「3 in 1」をお湯に入れるだけ。死ぬほど甘いです。 30円! 


食事処で、トイレを・・・・と聞くと、たいがい裏手の庭のこんな所です。 う~んこれかなり厳しかったです。


ンガパリのビーチでの撮影風景です。




ココナツ・ジュースは最高です! 外国人観光客価格でふっかけられても100円です。


ンガパリはシーフード天国。 こんな贅沢も・・・


ミャンマーを南北に貫く大河、イラワジ川の日没です。 この車で旅をしました。  マンダレー近くのアマラプラの湖に掛かる木橋。


150年前に建築された木橋は雨季には完全に水没しますが、それでも人々は渡るそうです。 リコー・シータで360度タイムラプスも撮影しました。


アマラプラの湖で獲れたなまずのフライ。トイレットペーパーがナプキン代わりにテーブルに置かれているのも慣れました。
写真の少女たちはミングンの遺跡で撮影を始めたらいつのまにか取り巻きになってくれた地元の中・高生。


本当に可愛くて、いつの間にか機器の扱いを見て覚えて移動時などどんどんお手伝いをしてくれました。素晴らしいアシスタントです。


しまいには、リクエストに応じて映像に入ってくれました。 ひとつのシーンの間にゆっくりと一連の動きをこなしてくれました。 本当に可愛かったです。


インレー湖ではボート以外に交通手段がありませんが、船頭に細かい指示や依頼ができないので、英語のできる現地ガイドを頼みました。(後ろの男性)




インレー湖ではすべてが水上。 水上生活村は大変興味がありましたが、期待に違わずとても印象的な世界でした。
最初に訪れたのは漁師村です。


陸地はありません。 そのように見える所もすべて浮草の上です。 撮影した場所は、人工的に作った小さな陸地で、小学校のグラウンドです。
しかし大きさはテニスコート一面程度しかありません。


レストランも水上です。 この湖の代表的な魚、テラビアです。とても美味でした。


舟は農村を走ります。 すべて浮き草の上の畑です。どこまでも続く広大な農地です。




湖畔にあるインデインの遺跡でも撮影です。


左の写真のカメラのすぐ右に見えるのがインデインの遺跡。 右奥にはインレー湖が広がりますが、雨季が近く透明度が悪いので良く見えません。
右の写真の左にインレー湖が広がります。 日没直前にはクリアーに見えて来ました。


【撮影機材】
モーション装置:SKYPIX X3pt Pro-TS1500
カメラ:CANON 6D
レンズ:NIKON AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED、および24-120mm F4.0G ED
フィルター:NISI 150x150mmシリーズ ND1000、ND64、PL



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「ミャンマーの絶景」シリーズ

Ⅰ. シリーズ1

 1. 「遺跡・奇岩編」(3分35秒)
 2. 「パゴダ・大仏編」(3分17秒)
 3. 「総集編」・・・「遺跡・奇岩編」と「パゴダ・大仏編」の統合版です(6分24秒)
 4. 「1分動画ダイジェスト版」・・・上記総集編の印象的なシーンを高速フラッシュさせた版です(正味1分00秒)

Ⅱ. シリーズ2

  「水辺のミャンマー編」(2分26秒)

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ミャンマー遠征撮影(無事成功しました)

2017年02月12日 | 日記

ほぼ計画通りミャンマーでの撮影を終えることができました。

 

 ミャンマーでの機動的な移動は簡単ではなく、鉄道は遅く時間が不規則、飛行機は予告なく時間変更・欠航、と言うことで、バスが安くて便利ですが、幹線ルート以外のバスは乗るのもはばかるような超おんぼろバスで、長時間の乗車はかなりの拷問です。 またミャンマーには普通の観光客向けのレンタカー会社がなく、運転手ごとチャーターするのが一番確実で楽な方法ですが、昼夜問わず自由に行動し、撮影時間も長いタイムラプス撮影旅行にはかなり制約を受けます。 一方、ミャンマーはジュネーブ条約に加盟していないので、国際運転免許証が使えません。 そこで事前にミャンマーの国内運転免許証(有効期間5年)を申請し、入国時に発行してもらいました。 また肝心の車は、つてをたどってミャンマー人の小さなレンタル屋から格安で借りる事ができました。

振り返るに、この車がなかったら、おそらく今回の撮影旅行は実現不可能であったと思います。

ミャンマーは右側通行ですが、車はほぼ100%近く右ハンドルの日本車です。 ハンドル自体は日本と同じ右ハンドルなので、車の操作自体は問題ありませんが、そのまま右側を走行すると言うのは最初はかなり抵抗感がありました。 東南アジアの国ですからバイクが多いのはいうまでもありませんが、その多くが無免許で、整備不良。 またほとんどのバイクには最初からバックミラーがついていませんので、後ろからプップー鳴らしてやらなければ、彼らには認識してもらえません。 路側帯を逆走するバイクは大変多く、突如の道路横断、左折(日本の右折)は日常茶飯事。 また夜になると街路灯がない真っ暗な道で人は突然横断、バイクは逆走、そして最悪なのはすべての車(4輪車もバイクも)のヘッドライトはハイ・ビーム! 目がくらんで前はほとんど見えません。 思わずブレーキを踏んで減速・徐行するしかないのですが、現地の人達はなにも見えなくても80Km近いスピードを出して突き進んで行きます。 夜、狭い道で対向からバイクが来たと思ってすれ違うと、センターライン寄りのヘッドライト(スモール・ランプも)が切れたトラックで、ぎりぎりですれ違った!なんて事もあるし。 真っ暗な道を走ってると、突然目の前に馬車が現れる!(どうやって御者は真っ暗の中を走らせているのか不明)なんて事もあり、まずまともな日本人であれば運転をためらう事でしょう。(笑)

また焼玉エンジンを積んだトラクターみたいなトラックが時速10Km程度で走っていたり、馬車や牛車が走っていたり(これは逆走あたりまえ)と、油断できません。

道路の状態はかなり悪く、この写真の様にセンターラインが引かれている所は多くありません。

路肩には白線がないので、街路灯のない夜の走行は恐怖です。人は歩いてるし自転車・バイクが無灯火で逆走してくるし荷車は走ってるし対向車のハイビームで目は眩み前方は真っ暗だしどこが車線なのか全くわからなくなります。 

ヤンゴンとマンダレーの間にある唯一の高速道路は、日本だったらちょっと高速道路にはしないだろうと思われる舗装状態です。 また高速道路のサービスエリアは150Kmほど走らないとありませんので、トイレは大変です。(突然催した場合は、大小に限らず路肩・・・と言っても3車線分くらいあるほど広い原っぱです・・・に停めていたすしかありません) 

所々に路肩で勝手に店をだしているお茶屋がありますが・・・

高速道路はバイク走行禁止ですが、途中から入り込んでバイクは沢山走っているし、路肩を逆走して来たりします。 更にバイクだけでなく自転車も。

更に人も歩いています。 信じられないことに、追い越し車線の中央分離帯寄りを歩いている人々もいます。 更に・・・牛車や馬車、放牧中の羊の群れが横断しているなんてのもざらでした。スリル満点?です。

ところで、ミャンマーには何処を探しても道路地図がありません。 かつて軍政だったと言う事もありますが、そもそもプロのドライバーですらミャンマー人は地図を理解しません。 図を描いて場所を説明してもNGです。 車で走破するにあたってこれは致命的です。 何せ道路標識が読めない! アルファベット表記は地方に行くと滅多にありません。 これを救ってくれたのはiPhoneとGPSでオフライン・マップを表示してくれるMaps.me!でした。 いわば簡易カーナビです。(案内はしてくれませんが) このお陰で迷うことなく2,000Kmを走破できました。 もしこれが10年前だったら絶対に不可能だったでしょう。

 道路傍にある普通のお茶屋や食事処のトイレは裏庭にあってこんな感じです。 お尻を洗う為の桶がありますが、中の水は白く濁っていてアンタッチャブルです。(苦)

 

 チャイティヨーだけは最後の10Kmは一般車は通行止めで、すべての観光客は政府の4トントラックに貨物のように乗らなければなりません。

 私は機材はたくさんあるし、腰痛に耐えられそうになかったので、4トントラックを丸ごと一台チャーターして助手席に乗り込みました。 乗り合いだと数百円ですが、100ドル支払いました。(苦)

 

さて、これが車を離れて撮影する時の移動スタイルです。 背中のザックにカメラ2台、レンズ2本、フィルター、バッテリー、エンジンを、片手のバッグに三脚2台、もう片手のバッグに組立式ドーリーが入っています。 

 

撮影の様子です。

 

 


  

3週間にわたって撮影した枚数は約2万枚、シーン数は60になりました。 帰国後仮眠をはさんで昼夜ぶっ通しで作業しましたが、完成まで15日を要しました。 以下の4版を制作致しました。

1.「遺跡・奇岩編」(3分35秒)
 かつての繁栄を伺わせる大遺跡群と過去の火山活動によってもたらせれた奇岩とそこを聖地として建立された寺院など、ミャンマーの大地のスケール感を感じることができる映像をまとめました。

2.「パゴダ・大仏編」(3分17秒

 ミャンマー人が昼夜を問わず祈りを捧げて来た目を見張る様な素晴らしい建造物や仏像を中心に、敬虔なミャンマー人の姿も捉えながら仏教文化の深さを感じることができる映像をまとめました。

3.「総集編」(6分24秒)

 この2編を網羅して統合編集したものです。6分半のやや長い動画となっております。

4.「1分動画ダイジェスト版」(1分17秒・映像正味1分0秒)

 この2編の中から印象的なシーンを抜き出してスピード感のある1分動画にまとめたものです。

 

 

 

 

  


 

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ミャンマー遠征撮影(予定)

2016年12月20日 | 日記

この度、ミャンマーにタイムラプス撮影旅行に出掛ける事になりました。
本来であれば、熱帯の島々や岩と砂漠に惹かれる私としては、まずはアメリカ中西部辺りを攻めたい所ですが、たまたま別件でミャンマーに行く事になったので、思い切ってミャンマー各地に足を伸ばし、作品作りをする事にしました。


12/30出発 

12/31~1/2 ヤンゴン滞在

1/3~1/20 車を借りてミャンマー各地を撮影旅行
(バガン、モンユワ、マンダレー、ニャウンシエ、パアン、モーラミャイン、チャイトーを予定)

1/21~1/24 韓国ソウルに立寄り

1/24夜帰国

あいにく満月の時期となりますので、夜は銀河の撮影はできず、月明かりに浮かぶ遺跡の撮影になります。
34度の厳しい暑さと、破傷風・日本脳炎の蔓延などで蚊との闘いもあり、多い野犬は多くが狂犬病持ちと言うことで、どこまで根性が続くか定かではありませんが。
またアジアの中でもミャンマーの食事はかなり脂っこく味が濃いものばかりで、腹を壊さずに生き抜くのはかなり難しそうです。

どうなりますか?!

 

 

装備は:

・X3pt Pro-TS1500(組立式レール 50cmx3=1.5m)・・・長さ50cmの軽量レール3本の組立式ですので、スーツケースに入ります。 海外撮影には最適のドーリーです。 

・X3pt Pro-Skate Dolly・・・バギー車のような4輪走行式ドーリーで、平らな床面さえあれば、即撮影開始できます。 遺跡や寺院の中など、三脚やレールを組立てたりできない場所での撮影に威力を発揮すると思います。

・三脚2台(Verbon Sherpa 645)

・CANO EOS 6Dを2台

・NIKON NIKKOR 14-24mm F2.8G ED

・NIKON NIKKOR 24-120mm F4.0G ED

・NIKON NIKOOR 14-24mm専用星空ソフト・フィルター

・150mmx150mm NDフィルター(ND64、ND1000)

・150mmx150mm 偏光フィルター

・レンズ・ヒーター

・タブレットPC(qDslrDashboard用)

・ノートPC(2TBポータブルHDD 2台)

・24Aリチウムイオンバッテリー2個

・5Aリチウムイオンバッテリー1個

・インターバルタイマー1個(非常用)

・ヘッドライト

・小道具、予備各種ケーブルなど

 

これの装備は、背中に背負うカメラザックと長さ70cm程度の小さな布製バッグ2個(片手に1個ずつ下げる)にすべて入ります(ノートPCは撮影では使いません)ので、車から離れてかなり歩き回る事も可能です。

 

 

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犬目線の映像を実現するスケート・ドーリー

2016年11月19日 | 日記

SKYPIXのスケート・ドーリー(X3pt Pro-Skate)で実際に撮影をしてみました。

スケート・ドーリーは4輪のバギー車に似た外観ですが、実物を手にするとおもちゃのバギー車よりぐっと大きく、シャーシも大変頑丈かつ精巧に作られているのに驚きます。 後輪をパルス・モーターで駆動します。 シャーシ上にパン・チルト・ローテーターを内蔵したX3pt(またはX3pt Pro)エンジンを装着し、そこにカメラを搭載しますので、大変コンパクトで、その動いている様はまるで生き物のようで「とても可愛い!」と周りの歓声を浴びまくります。(笑)

本来はこのX3pt(またはX3pt Pro)エンジンのRailモーター出力をレールのモーターに接続して3軸制御で撮影をする訳ですが、スケート・ドーリーに載せた場合は、Railモーター出力をスケート・ドーリーの後輪駆動モーターに接続して前進(または後進)させて撮影をします。 当然、動いては止まり、撮影をしてからまた動く、と言うインターバル走行(SMS動作)をしてくれます。

前輪は半固定式でノブをゆるめて進行方向をセットして撮影を開始します。 円弧を描くようにセットすれば銅像など構造物の周りをぐるりと回りながら見上げて撮影するなんて映像が撮れます。 大きなクッション性のある(オフロード)タイヤは大理石の上でも、コンクリートの上でも、地面の上でも大変馴染みがよく、しっかりと走行してくれます。

スケート・ドーリーはレールの代わりに後輪を駆動して床面を進行します。

パンとチルトと併せ、3軸を同時に制御しながらタイムラプスやビデオ撮影が可能です。

 

強靭な前輪車軸の先端とホイールの間にはには高精度ベアリングが挿入されています。 

車軸中央のノブを緩めて進行方向をセットできます。


 真鍮と特殊ナイロン製のウオームギアの組み合わせでバックラッシュを皆無にしています。 注油の必要もありません。

後輪も車軸との間に高精度ベアリングが挿入されています。 

 

 どのような路面にもしっかりとグリップする大径タイヤです。

 ホイール・ベースは220mm、全長は約300mmあります。 シャーシ厚は5mmもあり、高い剛性を実現しています。

 

上り坂もぐいぐい登って行きます。

 

基本的に平らな床面が必要になりますが、この程度の地面であればOKです。(進行方向の小石などは排除しておきます)

 

長さはせいぜい1m~2mあれば十分なので、このようなベンチもOK。 探してみると意外と平らな場所って有るものです。

 

 下の映像が実際に走行している様子です。

 

実際に撮影してみると、普通のドーリーでの撮影のようにレールや三脚などの荷物を運び、撮影場所を変えるたびに設置・装着・調整をしなければならないのに比べ、片手でひょいと持ち上げて場所を変えて、またポンと地面などに置くだけで良いのは想像以上に楽チンで快感すら感じます。 それだけ限られた時間内に沢山のシーンを撮影する事ができる訳です。

想像以上に苦労するのが、地面に這いつくばらない限り、カメラの液晶が見難い(液晶回転式のカメラもありますが、目からの距離があるのでかなり屈み込まなければならずやはり見難いです)事でしょう。 しかしこれはWiFiを使ってスマホをモニター代わりに使用する事で完全に解決できます。 (カメラにWiFiが内蔵されていない場合は、WiFiアダプターを装着する必要があります。) 

今回はqDslrDashboardと言うアプリをiPhoneにインストールして使ってみましたが、大変快適に使えました。 カメラ側をライブビューにすれば、若干のタイムラグはありますが、フォーカス合わせも十分に可能です。 フレーミングも、ライブビューで簡単に決められます。 qDslrdashboardは、LRTimelapseのページ中で紹介しているアプリです。 → http://www.skypix.jp/lrtimelapse_support_page_3.html 

撮影中も刻々と変わる映像を常時モニターできます。 普段は体験しない目線ですので、常時モニターして動きなどを確認できるメリットは大きいです。

 

下が、短いですが今回撮影した作品です。

 

 

カメラの傍にそびえ立つ人影など、犬目線ならでは描写が目を引きます。 日頃感じることのない、地面のデコボコ感や質感も感じる事ができます。 犬はこんな映像を見ているのだなぁと、中々面白い視点だと感じます。

実際に撮影後に処理をしてみると、そこそこフラットな床面でないと、どうしても画像はフレームによってわずかに縦横にずれたり傾いたりします。 これはAdobeのAfter Effectsのワープ・スタビライザーをかける事によりほとんど補正が可能です。その分フレームは最小公約数で切り取られるますので、撮影したままで全ての処理をしてスタビライズ後に希望するアスペクト比での切り出しを行わなければなりません。 通常は3:2のオリジナル・アスペクト比のCCD原画から16:9等のアスペクト比に切り出すので、上下方向の切り出し位置の選択が必要となります。 上の作品は16:9に切り出した後にスタビライスを行った為に、わずかですが意図したよりもフレーミングが上にずれてしまいました。(苦)

このスケート・ドーリーの簡便性は実際に使って見ると想像以上のものがあり、また上の撮影場所のような所でも、探せば撮影に耐えうるそこそこフラットなスペースは結構あります。 海外撮影旅行などに、これだけでも行けるのではないかと思います。 三脚もレールも不要で、ショルダーバッグやナップザックに簡単に収納できて重量も感じないスケート・ドーリーにはかなりの可能性が潜んでいると言えます。 普通のレール式ドーリーで撮影する傍らで、もう一台のカメラでスケート・ドーリーを使って近くで撮影する事はほとんど負担増にはなりません。 限られた時間で少しでも多くの映像を撮影しなければならない、週末アマチュア写真家の皆さんの強い味方になるでしょう。 

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デジタル処理によるモーションは邪道か?

2016年06月28日 | 日記

タイムラプスの認知度が上がって来ると同時に、三脚に固定して撮影した映像は退屈だ!と言う事に気がついて、ローテーターやタイムラプス・ドーリーにカメラを載せて映像に動きを付けたモーション・タイムラプスの撮影に関心を持たれる方が増えて来ました。 プロの映像制作の現場でも、ついこの間まではこちらから提案しないとタイムラプスは三脚に固定して撮影する固定撮影が行われる事が多かったのですが、最近は制作会社側から「タイムラプスにモーションを加えたいのでドーリーを使って欲しい」と言う声が必ず聞かれるようになって来ました。

実は映像を横にスライドさせたり、ズームを使ったりする事は、ソフト処理上で行うことができます。 AdobeのAfterEffectsなどを使ってデジタル画像処理を行えば自由自在に画面にモーションを与えることができます。 事実、特に海外のタイムラプス作品の中には、このデジタル・エフェクトを使った物が沢山見られます。 モーション装置の為の投資もいらないし撮影時の手間もかからずに簡単に効果が得られるとあっては当然のことかもしれません。

ではローテーターやタイムラプス・ドーリーは不要なのでしょうか? モーションはデジタル処理で十分なんでしょうか?

 

まずこの映像をご覧ください。 作品集で公開しているEast東北海岸線の絶景(ダイナミック・ダイジェスト版)の中のワン・シーンです。

この映像は、水平に設置したドーリーの上に設置したカメラを水平にスライドさせながら撮影したものです。 その映像に画像処理の段階でチルト(上向き回転)の動きをデジタル処理で加えています。 この映像で着目して頂きたいのは、手前にある地面に転がった枯れ枝とその背景です。 ドーリー上のカメラのスライドに伴い背景との間に視差が生じるので、動きに差が生じます。 それがこの絵を立体的に見せてくれるわけです。 もしここで、ドーリーを使わずに三脚に固定して撮影し、画像処理の過程で絵をスライドさせたらどうなったでしょうか? 視差が生じないので全く不自然な動きとなり、誰がみても壁に張った写真の前でカメラをスライドさせたように感じることでしょう。 これが実際のモーションとデジタル・モーション処理との決定的な差です。


モーションとしてはドーリーを使ったスライド・モーション以外に
・パン(カメラを左右に回転)
・チルト(カメラを上下に回転)
・ズーム
などがあります。


パンやチルトはどうでしょうか? これはデジタル処理では不可能です。 例えば右にパンをするとして、デジタル処理でいくら画面を右に移動して行ったところで、右方向には永遠に正対出来ない事から簡単に想像がつくと思います。 しかしズームについてはかなりの部分をデジタル処理で実現する事ができます。

 

この作品をご覧ください。 作品集で公開している東京スカイツリーの作品です。


この映像はすべて三脚に固定して撮影したもので、ローテーターやタイムラプス・ドーリーなどのモーション装置は一切使用していません。 映像の中のスライドやズームは、すべてデジタル・モーション処理によって画像処理の過程で加えられたものです。 これらのモーションが有ると無しでは映像を観る立場からすると大変大きな差があるのは想像に難くないと思います。

この映像の中で着目して頂きたいシーンがあります。 それは2番目のシーン(スカイツリーの下のアサヒビールのビルを見下ろした絵)です。あたかも空中に数百メートルの長さのレールを張ってカメラを高速でスライドさせながら撮影したように見えると思います。 この映像に不自然さはありません。 それは遠方の距離にある映像で他に近い距離に何も写っていないからです。 つまり視差を生じるものがないので不自然さがないのです。

もともと遠方の景色はドーリーでスライドしても動きません。(パンやチルトで首を振らない限り、平行移動では動きません) それは景色で見えている所までの距離に対し、カメラが移動できるレールの長さが余りに短い為です。 ところが、デジタル処理では簡単に遠方の背景をスライドさせる事ができます。 逆に言うとあたかも数百メートルの仮想レールの上でカメラをスライドさせてくれるのです。 ですから視差を生じるものさえ視野に含まれていなければ、不自然さのない大胆なモーションを実現することが可能です。 デジタルならでは実現できた大胆なモーションと言えます。 

そもそも、このような遠景のみを軽い望遠を使って撮影する場合、手前に何らかの対象物は入れられない事が多く、ドーリーなどを使ってモーション感を出すことは不可能です。 ローテーターを使ったパンやチルトのモーションも、そもそも望遠で写したいエリアが決まっている場合、安易に首を振ってはそもそもの目的からはずれてしまいかねません。  そこでズームや仮想スライドなどのデジタル・モーション効果の出番となる訳です。 こうやって見るとデジタル・モーション処理を単純に「邪道」と切り捨ててはいけない事がわかります。

ただしデジタル処理でスライド・モーションを得る場合、当然のことですが画像の視野が狭くなります。 CCD全体に写った視野の一部を切り出して2Kとか4Kの希望とする出力サイズで取り出すからこそCCD画像の中を自由に動き回ってモーションを作りだす事ができるわけです。 ですからモーションを大きくしようとすればするほどせっかく広角で撮った画像はどんどん狭くなって行ってしまいます。 これも実際にローテーターやタイムラプス・ドーリーを使って撮影した場合とデジタル処理でモーションを作り出した場合の決定的な差と言えます。


デジタル・モーション処理を行うにあたって、常に頭の中に入れておかなければならない事があります。 それは撮影に使用しているカメラのCCDの画素数と、切りだす最終的な画像のサイズの関係です。

 

一般的に使用されているFHD(1920ピクセル x 1080ピクセル)が最終切り出し画像サイズであれば、一般的な一眼レフではかなりの範囲で自由に動き回れることが確認できます。 しかし4K映像やそれ以上のサイズを目的とすると、そもそもモーションを付けら得る余裕は大変限られる、もしくは不可能になる事がわかります。

また、ズームをデジタル処理で得た場合、最終画像の1ピクセルをカメラのCCDの1ピクセルで描写させた場合(最大にズームさせた状態)と、カメラのCCD上の数ピクセルをバインドして 最終画像の1ピクセルに描写した場合との画質の差についても考える必要があるのではないかと思います。(詳細は実験していないのでわかりませんが)

 

これらのことを総括すると、およそ次のようにまとめることができます。

1.デジタル・モーション処理ではパンやチルトのモーションは実現できない。
2.デジタル・モーション処理でのスライド効果も極めて限定的で、普通の撮影環境では視差が生じない為に奥行感や立体感が得られない平面的な映像になってしまう。
3.デジタル・モーション処理でスライド効果を得ようとすると、せっかく広角で撮影した視野は狭くなり、モーションを大きくすればするほどその度合いは大きくなる。
4.デジタル・モーション処理の効果の多くは現実には存在しない仮想現実の動きを示す。
5.但し、その特性を逆手に取ると、デジタル処理でなければ得られないモーションを実現する事が可能。
6.デジタル・モーション処理によるスライドは切り出す最終的な画像のサイズによって、動かせる範囲が制約される。
7.デジタル・モーション処理によるズームは画質の変化を見ながら一定範囲内に収めなければならない。
8.あくまでも基本は実際にローテーターやタイムラプス・ドーリーでモーションを与えながら撮影する事。
9.デジタル・モーション処理はその上で味付けとして必要に応じて使用、もしくは実現不可能な仮想現実的な動きを演出したい場合に使用するのが有効。

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East東北 海岸線の絶景 (三陸海岸~下北半島)の撮影記録

2016年05月29日 | 日記

6泊7日の車中泊をしながら、埼玉県から高速道路を使わずにひたすら走ること2,078Kmと言う強行軍でしたが、三陸海岸から下北半島まで、東北の東海岸線を辿りながら絶景を映像に収めて来ました。 ちょっと長い撮影だったのと、厳しい撮影条件だったので、タイムラプス・ドーリーの選択される際にも参考になると思い、レポートしてみました。

粗っぽいルート・マップで申し訳ありませんが、下の地図の赤い線の部分が撮影を行ったエリアです。

 

 下のスナップ写真は、各撮影を行ったスポットでの撮影の様子を撮ったものです。 今回の撮影には3種類のドーリーを積み込んで行きました。

① Q3-TD3000ドーリー + L-Pan/Tiltローテーター および前進レール

② X3pt Pro-TS2000ドーリー および前進レール

③X3pt Pro-H350ドーリー

 

実際に訪れてみると、東北の海岸線はどこも険しく、車を横付けして撮影できる好スポットなど全くありませんでした。 だから撮影の度にカメラなどをザックに詰め、ドーリーや三脚を持ちながら移動せざるを得ません。 特に下北半島の仏ヶ浦は駐車場から全長600mもの急な木の階段を下らなければなりませんでしたし、鵜の巣断崖も軽く1Kmを超える距離を歩かなければなりませんでした。 このような環境では、持って行ったQ3-TD3000の出番は全くありませんでした。(大変重たくて、少なくとも手持ちでは数十m以上の運搬は困難) 圧倒的に信頼性が高いので是非とも使いたかったのですが、どうしようもありませんでした。

結果的に活躍したのが小型軽量素材を使った組立式ドーリーX3pt Pro-TS2000でした。 それも一度2mに組み立ててしまい(67cm x3本の構成)、あとは移動時もそのまま車に収納し、運搬時は片手で握って運びました。(軽いので全く苦になりません) 一箇所だけ、それでもカメラ2台を使いたく、三脚なども考えると移動距離が長いこともあり、最小ドーリーのX3pt Pro-H350を使用する事がありました。

小型軽量素材を使った組立式のTSドーリー(一本レールのSドーリーも可)が、徒歩移動を伴う野外撮影では大変便利で有効である事をあらためて実感しました。

 

 

          松島の夜明け                   碁石海岸の日没 

 

         穴通し岩の日の出       夜明けの穴通し岩(この場所は機材運搬の都合上、小さなHドーリーを使用)  

 

          夕暮れの浄土が浜                 浄土ヶ浜の日の出

 

  鵜の巣断崖の上から前進レールで断崖下を臨む       鵜の巣断崖の上から前進レールで断崖下を臨む  

 

   鵜の巣断崖の上から前進レールで断崖下を臨む             鵜の巣断崖  

 

          鵜の巣断崖                       北山崎

 

            尻屋崎                    大間崎で北海道に沈む太陽  

 

         朝靄に煙る仏ヶ浦                   朝靄に煙る仏ヶ浦

 

         朝靄に煙る仏ヶ浦                   朝靄に煙る仏ヶ浦      

 

         朝靄に煙る仏ヶ浦                    仏ヶ浦   

 

   仏ヶ浦(X3pt Pro本体のローテーターだけ使用)      仏ヶ浦(X3pt Pro本体のローテーターだけ使用)

 

    仏ヶ浦(X3pt Pro本体のローテーターだけ使用)

 

これらのスポットで撮影した映像です。

 

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【続】SONY α7Rと、タイムラプス撮影アプリで日の出時の撮影実験

2016年05月29日 | 日記

前回の記事、「SONY α7Rと、タイムラプス撮影アプリで日没時と日の出時の撮影実験」でタイムラプス撮影アプリの能力を探ってみましたが、東北三陸海岸の浄土ヶ浜で日の出撮影の機会がありましたので、メインの撮影システムの横でSONY α7Rとタイムラプス・アプリでのバック・アップ撮影を行い比較ビデオを制作してみました。

 

 

左側のメインの撮影システムは、CANON 6Dを傾斜設置した2m長のドーリーに乗せて登りながら撮影、露出制御はWiFi接続したタブレットPCのqDslrDashboardをマニュアル補正しながら撮影し、LRTimelapseでAutotransition処理を行い画像処理を行ったものです。

右側は三脚に固定したSONY α7Rとタイムラプス撮影アプリで自動撮影したもので、撮影中も、撮影後の処理も全く行っていないそのままの動画です。

 

タイムラプス・アプリによる撮影では薄明が始まるとすぐに昼間のように明るくなってしまい、じわじわと夜が明ける時の流れが破壊されてしまっているのが分かります。 この日の朝陽は地平線付近に薄い雲が漂っていた為に薄暗く真っ紅に染まった太陽が水平線から上がり、まさに真紅の日の出となったのですが、タイムラプス・アプリでの撮影のAuto White Balanceでは真紅の太陽は元気一杯の太陽の光になってしまっています。 左の画像は最後まで手前の岩が黒いシルエットとなるように明るさはの増光は抑さえ気味に処理はしていますが、それにしてもタイムラプス・アプリはあまりにもストレート過ぎますね。

この比較撮影でも、タイムラプス撮影アプリは「光量の変化に滑らかに追従し、とにかくダイナミック・レンジの中に収めて撮影ができる」、それ以上でもそれ以下でもない事が確認できるのではないかと思います。

 

 

 

 

 

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SONY α7Rと、タイムラプス撮影アプリで日没時と日の出時の撮影実験

2016年05月08日 | 日記

SONYのα7Rシリーズはサイズも小型軽量にもかかわらず7360x4912ピクセルと3千万ピクセルを超えるCCDで高精細な映像を誇ります。 プロの撮影現場で鍛えられ改良され続けて来たCANONの一眼レフとは異なり、操作性はお世辞にも良いとは言えないのが残念な点ではあります。 撮影現場で使用頻度の高い項目の操作は感覚的に直ちにできるようにスイッチを配置し、メニューも構成されているCANONはさすがです。 α7は私のような無骨で太い指ではメニューの展開や選択なども指先に全神経を集中していないと思うように操作できません。適当に感覚的にいじるとスパッスパッと決まるCANONとはかなり差を感じます。 それでも、この小型軽量なボディの扱いやすさと精緻な画像は、それらの弱点をカバーして余るものがあります。

α7の魅力を引き上げているものの中に色々な専用アプリがあります。アプリをインストールする事により、機能を拡張する事ができます。 そのアプリの中でも人気があるのがタイムラプス撮影用のアプリでしょう。 

 

最近のデジカメは最初からタイムラプス撮影機能を持ったものが沢山ありますが、このα7のアプリの優れた所は、日の出や日没時の光量が大きく変化するシーンでのタイムラプス撮影機能(Tracking機能)を持っている点です。 日没時や日の出時の刻々と大きく変化する光量に対し、適切かつ滑らかに露光を自動調整してくれると言う機能です。 「Day to Night」あるいは「Night to Day」の撮影はタイムラプス撮影の中でも最も難しいシーンです。 歴史的にはSKYPIXサイトでご紹介しているqDslrDashboardによるカメラの自動制御と、LRTimelapseによるAuto Transition処理によって初めてその滑らかかつ完全な映像の制作が可能になったいきさつがあります。 これがα7のアプリだけで可能になるとしたら、これはまさに超技術革命と言う事になります。

結論から言うと、α7のアプリによる撮影は妥協の産物で極めて限定的な映像しか撮れません。(なんちゃってHoly Grail?!) しかし、まがりなりにも日没や日の出のシーンがノータッチでタイムラプス撮影できると言うのは、大変なメリットと言えるでしょう。 筆者は「Day to Night」あるいは「Night to Day」の撮影はCANON 6Dに、タブレットPCにインストールしたqDslrDashboardでカメラの自動制御撮影を行い、事後にLRTimelapseによるAuto Transition処理を行って映像を制作しています。 しかしバックアップ映像として、その横でα7でタイムラプス撮影アプリを走らせて撮影すると言うのは有りです。 なにしろノータッチで放って置けばいいので、何もないよりは、いざと言う時に助けになるかもしれません。

このアプリで撮影するタイムラプスは、ドーリー等を使ったモーション・タイムラプスとは無縁ですが、他のカメラとドーリーで本格的な撮影をする傍らで、バックアップ的に固定撮影をする場合を想定し、ここではα7のタイムラプス・アプリで何処まで撮影ができるか、そしてそれは何処まで画像処理で改善できるか、本格的に撮影した場合とどれだけ乖離があるかを実験してみたいと思います。


1.日没時の撮影

露出に関しては露出倍数を調整できるだけで後はシャッター速度をカメラ任せです。ISOは100で固定になります。ISOをAutoに設定して撮影する事ができますが、その場合はシャッター速度は固定でISOが可変されていきますので、結局前者の方法で撮影する事になるでしょう。シャッター速度とISOを連動(一定の速度までシャッター速度を落としたら、あとはISOを上げて行くなどの)する芸当はできません。 すなわち、この時点で、日没時の撮影はできてもいわゆる「Day to Night」、すなわち昼間から星空までの連続撮影はできないと言う事になります。
実際に撮影した後でPCソフトで読み込んで検証してみて気がつきましたが、カメラの液晶モニター上ではシャッター速度がどんどん遅くなって行くように表示されていますが、撮影された結果を見ると液晶表示どおりの単純な処理ではないようです。
シャッター速度が一段遅くなっても、前後のフレームのLuminanceはほとんど変化していません。 普通はそこでガクッと変化し、全体のLuminance曲線は鋸の歯状になるのですが、なるほど全体の曲線をみても全く滑らかです。シャッター速度以上の処理がバックグラウンドで行われているようです。 アプリの設定画面にTracking(追従性) 「Lo-Mid-High」の切替があり選択できるようになっていますが、この機能自体がその証でしょう。これをLoにすると、液晶表示上のシャッター速度が切り替わっても、実際の露光量はすぐに変化しません。舐めて行くように徐々に新しい露出に近づけて行きます。 Hiにするとかなり早く変化します。通常はLoで良いと言うのもうなづけます。 他のソフトによる後処理なしに、滑らかに光量が変化するように考えられていると言う訳です。

これがα7でタイムラプス撮影アプリをSunsetモードにして撮影した映像です。

とにかく滑らかに変化に追従するという点についてはかなり目標を達成しています。 少し明るさ(Luminance)の変化が波打っているのは仕方ない所でしょう。 しかし、作品とするにはかなり苦しいです。 実は日暮れ時の映像とは、明度の変化と共に明るさやコントラスト、ハイライトやシャドウ、更には色温度など変化させてあげないと思ったような描写はできないのです。 極端な例では、オートに設定したカメラで撮影して行くと、暗くなって行くとどんどん露光を増やして、本当はそれなりに暗くなって行って欲しいのに空などギンギンに明るく写して行きます。 つまり、明るさを一定にすれば良い、あるいは適宜落として行けば良い、と言うわけではない所が実は肝なのです。 

仕方がないので、このα7でタイムラプス撮影アプリを使ってSunsetモードで撮影した画像ファイルをLRTimelapseとLightroomを使って画像処理を施してできる限り補正したものが下の画像です。

 

 

2.日の出時の撮影

同じように今度はモードをSunriseにセットして日の出の撮影を行いましたが、露光制御の結果は、日没時とはちょっと様相が異なりました。 鋸の歯とは言いませんが、シャッター速度の変わり目でかなりLuminance曲線が反応して持ち上がっています。 先に撮影した日没時もこの日の出時もTracking設定は同じ「Mid」で撮影したのですが、アプリの処理アルゴリズムがSunsetとSunriseでは単に極性が反対になっているだけではなくちょっと異なっているのではないかと思われました。 下がその画像です。(日の出直後に靄か近所の農家の焚き火の煙と思われるものが画面を横切っておりますので、そのちらつきは差し引きしてご覧ください)

全体としてはかなり満足の行くレンジ内で処理が行われていますが、ちょっとLuminace曲線の変化がパカパカして目障りです。 Tracking設定を「Lo」で撮影したらこの点はかなり改善できていたかもしれませんが。 このα7でタイムラプス撮影アプリを使ってSunriseモードで撮影した画像ファイルをLRTimelapseとLightroomを使って画像補正処理をしてフリッカー処理も施したものが下の画像です。


当たり前と言えば当たり前ですが、やはりタイムラプス・アプリによる撮影はかなり限定的です。

①開始時と終了時の明るさが適当なところに設定されているだけでなく、太陽光の増減による各種画像要素が調整されないので、あくまでも妥協した映像しか撮れない
②シャッター速度とISOを連動させた調整はできないので、光量の調整範囲が狭く、従って開始時点あるいは終了時点に星空まで持って来る事ができない

と言ったところが結論となりました。

記録映像の撮影にはとにかく簡単で便利なのは間違いありません。 ただ作品作りには使う訳には行かないと言った所でしょうか。

ここでは補完策としてLRTimelapseとLightroomを使って画像補正処理をして改善の余地を確認してみましたが、そもそも望ましい露光が与えられていないので、思ったような映像となるように処理を進めると画像のバランスが崩れてしまいます。 

 

下の映像は、比較の為にCANON 6DとqDslrDashboardを使ってHoly Grail手法で撮影したものです。(レンズは同じです) 

 

 

 上の日没と同じ場所ですが翌日撮影したものなので、日没まで薄雲が太陽光を拡散しており、夕焼けもほとんど見られない美しさのない日没と、撮影対象の条件が全く異なりますので単純な比較はできないのですが、この悪条件下なりにほぼ狙った通りの映像となっています。 そして何よりも決定的な違いは、このまま星空の撮影ができるという点です。 このシーケンスの終了時点で露出は4秒ISOは1600でしたが、このまま継続すれば(もっともこの場所は街路灯とかが明るいので無理ですが)露出15秒ISO3200など任意の所まで持って行けますので、この映像の延長線上で星空の銀河まで撮影が可能になります。

 

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Qエンジン・・・新しく生まれ変わったADエンジン

2016年04月06日 | 日記

2016年4月より旧来のADエンジンがQエンジンに名称変更となり、機能も強化されました。

旧AD3エンジン → Q3エンジン

旧AD6エンジン → Q6エンジン

                                   Q3エンジンです

 このQエンジン(旧ADエンジン)はDCモーターを使用した、ドーリーの基本形とも言うべきマニュアル設定型エンジンです。 その後に開発されたXエンジンはプログラム設定ができる更に進化したエンジンで、複雑なモーションの実現が可能になった優れた機能を有しています。 しかしそれにも係わらずQエンジンには根強い人気があり、特にプロの現場やハイ・アマチュアの方には熱狂的な支持をして下さるユーザーが多くおられます。

その理由は、

1.運転開始にあたり事前に時間がかかるプログラム設定する必要がなく、即座にマニュアル設定して撮影に取り掛かれる

2.DCモーターはトルクが強く、あらゆる状況でも安定した走行ができる

3.バッテリーの消費量が少なく丸一日撮影してもバッテリー交換の必要がない。また電圧がかなり低下しても問題なく運転ができる。

4.マニュアル設定でインターバル毎の移動距離など細かい調整が可能で、使用上の自由度が高い。

などが上げられます。

 そこでQエンジンへの名称変更に際し、ユーザー様から色々と寄せられた要望から2つの機能強化を図りました。 (立上時のファームウエア・バージョンがVer3.3となります)

 

【 強化された機能 1 】

まずはインターバル毎のレール移動距離の大幅拡張です。

ADエンジン → 約0.5mm~20mm (後述しますが、現実的には最大15~17mm程度)

Qエンジン → 約0.5mm~100mm

 

この画面は、運転の際に使用するメイン画面です。 カーソルが置かれている「L5.1」の部分がレール移動の方向(LまたはR)と、インターバル毎の移動距離(0.1mm~9.9≒10mm)を設定する箇所です。 画像の例では左に5.1mmずつ移動する設定になっています。 この画面自体はADエンジンもQエンジンも変更ありません。 しかしこのままでは最大移動距離が拡張できません。(ケタ数が足らず不可能です)

また、ADエンジンでも最大20mm移動可能だったと説明しましたが、上の画面では約10mmしか設定できません。

 

ADエンジンでも最大15mmまで設定可能だったのは、このRAILメニューのページで、レール・モーターの移動量のキャリブレーション機能を活用することで可能でした。

 

このキャリブレーション機能の本来の使い方は:

 1. Calibrateの右側で通常はnoとなっている箇所を画像のようにyesに変更して

 2. リモコンのCボタンを押すとレール移動が開始するので、正確に100mm移動した所でもう一度Cボタンを押して停止させる

 3. そのモーター回転数を、エンジンが正確な100mmの移動距離として記憶する

 

と言うものでした。 この操作の結果、一番下のspeed rateの数値が0.98とか1.2とか表示されます。 それがモーター回転数を調整する係数です。  キャリブレーション操作による計算結果を表示しているのですが、実は裏技的な使用方として、このspeed rateをリモコンで直接変更する事が可能です。 つまり、このspeed rateを変更すれば、メイン画面で設定したレール・モーターの移動量に係数を掛けることができると言う事です。

例えばメイン画面で9.9≒10mmと設定していても、speed rateを0.5に変更してあげれば、10mm÷0.5=20mmと、20mmの最大移動が可能となるわけです。

ADエンジンではこの係数の範囲が0.5~1.5でしたが、Q3エンジンでは0.1~1.5に拡張されました。 この結果、最大で100mmの移動が可能になりました。 インターバル毎に10cm移動できると言うのは大変大きな移動量です。 通常の動画は1秒間に30コマですが、レールを3m移動するモーションを1秒間の動画に適用すると言う事ですので、如何にこの効果が大きいかお分かりいただけると思います。

また、ADエンジンでの最大移動量20mmと言うのはあくまでも最大理論値であり、そもそもキャリブレーションで調整して基準距離移動の調整をするものですので、実際の所speed rateを0.5に設定しても移動距離は15mm~17mm程度が限度でした。 これがQエンジンでは実際の所100mm近く移動できるようになるので、使用してみればその差の大きさに驚かれると思います。

 

【 強化された機能 2 】

強化されたもうひとつの機能は、インターバル時間の大幅拡張です。

ADエンジン → 0.1秒~99.9秒

Qエンジン →  0.1秒~999分

 

この画像の中央の「I01.0」がインターバル時間設定箇所で、画像では1.0秒に設定されています。 この項目の数字の単位は秒でした。

QエンジンではSETTING#3のメニューが追加され、この単位を変更できるようになりました。

Intervalの項目で0.1sを選択すると、従来どおり、単位は秒です。(可変範囲:0.1秒~99.9秒)

 

0.1mを選択すると単位は分になります。(可変範囲:0.1分~99.9分)

 

1mを選択すると単位は10分になります。(可変範囲:1分~999分)

 

この拡張により長期タイムラプス(Longterm Timelapse)の撮影が可能になりました。 例えばマンションやダム、造船所などの建設現場、工場の製造過程などを数週間~1年間以上もの間インターバル撮影を続けて、それを短時間の動画にする事が可能になりました。 

このように、Qエンジンになってますます幅広い撮影シーンに対応する事が可能になりました。 既にご購入された方もご心配なく! 旧AD3、AD6をご送付頂ければ内蔵ROMのバージョン・アップ対応を致します。(バージョン・アップ手数料4,000円が必要です)

 

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RICHO Theta Sを使う(4) 外部電源の供給

2016年03月26日 | 日記

Theta内蔵のバッテリーは大して持ちません。 数百枚以上撮影するタイムラプスとなると外部から電源を供給してあげる事が必須となるでしょう。

Thetaの電源は本体下部にあるMicro USBの端子に5Vを供給しなければなりません。 最初は簡単に考えていて、たくさん持っている12Vのリチウムイオン・バッテリーを5Vに変換する方法を試しました。

一番簡単な方法は三端子レギュレーターを使って降圧する方法です。 小さなケースに三端子レギュレーターとコンデンサを数個組み込むだけですぐに完成です。 しかしThetaに接続した瞬間、Thetaの電源スイッチのLEDが赤く点灯し給電された反応をしめしますが、次の瞬間に消えてしまいます。 調べてみるとなるほどThetaは結構電流喰いで2A以上の電流容量が必要である為とわかりました。

 

せっかく作った小道具なので、このまま廃棄するのはもったいなく、三端子レギュレーターをやめて、代わりにHRD05003と言う5V/3AのDC-DCコンバーターを組み込んでみました。 

しかし素子を2つ交換して試しましたが何故かカタログ・データ通りの電圧が保持出きないようで、全く同じ症状でこれもボツとなりました。

たかが5Vの電源でなんでここまで苦労しなきゃいかんのかホトホト嫌になりました。(笑) しかも夜露防止ヒーターも1A近く喰うので、同時に使う事を考えると真剣に考えなければなりません。 

そんな時に、たまたま訪れたカー用品店で目が点になりました。 シガレット・ライター・ソケット(最近では禁煙車が多いので単なるDC12V電源供給端子と表示されているようですが)に差し込んで使うUSB電源アダプターでした。

 

なんと2.4A x2 で同時に4.8A使用可と書いてあります。 しかも価格はたったの1400円! これで動いたら今までの努力はいい笑いモノです。 車のシガーライター・ソケットの代わりになるメスのコネクターが売られていますが、抜けてしまったり接触不良が発生しやすいのが問題でしたが、写真のように挿入後リングを回して差し込んだプラグを締め付けて固定できる製品がありました。

さぁどうなるか? ソケットひとつに付2.4Aと書いてはありますが、この手の安価な製品の表示スペックは鵜呑みできません。 しかし、見事にThetaは受け入れてくれました。 笑いが止まらないのと、それまでの無駄な苦労を思い返すとがっくりとも来ました。(笑) 

しかし、Thetaは実にデリケートです。 その時の内蔵リチウム・バッテリーの残容量によってはOKだったりNGだったりします。 だましだまし使うと使えると言った感じです。 もちろん満充電の状態では赤色LEDは点灯せず給電を受け入れてくれないのは言うまでもないのですが、満充電でないレベルでも結構気まぐれです。 Thetaの電源をあれこれ試す間、このややデリケートな扱いに散々翻弄されました。 普通の電子機器のように、とにかく給電すれば充電を受け入れるとは行かず、受け入れを拒否されて入力回路のところでシャットダウンされてしまう感じです。

手持ちの12V電源を生かす方法は、これまでとし、最後の手段として、5Vバッテリーで対応する正攻法を試す事にしました。 既にThetaは5Vで2.0A以上を必要とする事がわかっていますので、小さなスマホ用のモバイル・バッテリーは除外しなければなりません。 そこで、最近購入して12V/16.5V切替使用ができて大変成績が良いサンワサプライのバッテリー・パックを試してみました。

この製品は3.7V/24Aと言う大容量のリチウムイオン・バッテリーを内蔵しており、12Vで4A、16Vで3.5A取り出せる優れ物です(ただサイズが大きく重たいです)さらにUSBソケットが付いていて、5V/2.1Aが取り出せます。

Thetaに接続してみましたが、大変安定して受け入れてくれます。 やはり正攻法が一番簡単で確実なようです。

 

12Vの移動電源をお持ちの方は、先に示したカー用品を使って降圧する方法を試されるのが一番経済的で良いと思います。

たかが電源、しかしThetaではこの電源に結構苦労させられましたので、ご紹介しました。

 

これで「RICHO Theta Sを使う」シリーズの寄稿はおしまいです。 皆様のご健闘をお祈り致します。

 

 

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RICHO Theta Sを使う(3) 夜露防止ヒーター

2016年03月26日 | 日記

Theta Sは残念ながらISOを上げた時のノイズ特性が良くなく、また星像もお世辞にも良好とは言えませんが、星空の撮影も可能です。 夜間に長時間かけてのタイムラプス撮影をするにはレンズが曇らないようにする夜露防止ヒーターが必須となりますが、この360度全周カメラでは一筋縄では行きません。

まず、形状からして普通の魚眼レンズの様にレンズの筒の部分がありませんから、通常のヒーター・ベルトを巻きつけるなんて方法は使えません。  第一片方のレンズは全周方向に180度視野があるので、レンズの近くに何かを付けてしまったら大きく視野に写り込んでしまいます。

そこで発想を変えて、Theta全体を暖めてしまう事を考えました。 良く見ると本体から突き出た半球形の魚眼レンズの本体に接する部分がわずかに曇りガラスのようになっています。 つまり、この高さより出なければ視野には入らない訳です。 とにかく市販のヒーターは諦めて、これ以上サイズが小さく出来ないもの、と言う事で、直接ニクロム線を巻きつけることにしました。

夜露防止ヒーターの電力(熱量)はせいぜい3~5W程度です。 レンズが外気温より1度でも高くできれば論理的に結露はしないので、ほんのり暖かくなる程度で十分なのです。 ニクロム線は一番細い物を使いますが、ホームセンターなどで入手できます。 まず、Thetaに2,3回巻きつける長さに切ってテスターで抵抗値を測ります。 約6オームありました。 6オームですと5Vを加えるとオームの法則(電流=電圧/抵抗)で約0.8Aの電流が流れます。 すると 5V X 0.8A = 4W で調度4Wのヒーターとして働いてくれそうです。

 

ニクロム線は半田付けができませんから、圧着チューブを使ってリード線と接続します。 ニクロム線を大切なThetaに巻きつけて熱でニクロム線がThetaの表面を溶かして食い込んでしまうような気がしますが、わずか数Wの電力ではやろうと思ってもそうは出来ません。(笑)

問題はこのニクロム線をどうやって固定するかです。 ニクロム線を固定するにはマジックベルトやラバーベルトなどを使いたいところです。 ベルトには固定だけでなく、外気に熱が直接拡散するのを防ぐ断熱の機能が求められます。

手に入るもっとも薄いマジックベルトで試してみました。 リード線はThetaの側面を這わせなければなりません。(この側面の厚さはThetaの死角ですので写り込みません) 結果は見事失敗でした。  しっかりとベルトが写り込んでしまいました。

 

そこで最後の手段、直接テープで固定する方法を試しました。 テープにはプロの撮影現場で良く使用されているシュア・テープを使います。 紙の様に指でちぎって貼れて、強固に固定できます。 また簡単に剥がれて剥がれた跡が全く残らない優れものです。 若干の断熱保温効果も期待できそうです。 下の写真の左側が失敗したマジック・バンド、右側が見事成功したテープ巻きの実験の様子です。

 

テープは適当にベタベタと貼り付けただけです。 (もっと綺麗に貼れますね) 当然ニクロム線同士がタッチしてショートカットしないように気をつけて、クロスする部分にはテープをちぎって貼り付けて絶縁してあげます。 格好も気にしないでエイヤッ!といきなり貼り付けた物でしたが結果はお見事大成功!! 右の写真の通り、自撮棒を持っている左手の周りには何も写っていません。 (帽子をかぶって撮影すれば良かった・・・)

 

 ご覧の通り、0.79A x 5.06V = 約4Wのヒーターです。

このヒーターで星空撮影に挑みましたが、性能はバッチリです。 傍に置いたトランジスタラジオやバッテリーなどが夜露でびしょびしょに濡れているのに、Thetaには全く結露していません。 寒さで凍えた手でTheta本体を触るとなるほど生暖かく感じます。

このヒーターの最大の欠点は取り付け取り外しが簡単にできない事でしょう。(笑)

しかし、取り付けたままでも写りこまないのですから、私はこの適当に貼り付けた状態のままで昼間も撮影しています。 当然まったく問題ありません。 皆さんが製作される時には丁寧に見栄え良くテープで固定して下さいね。

 

 ※ ご紹介した内容で製作・使用された場合、Thetaへの悪影響、ニクロム線の跡が本体表面に付いたなどの可能性については弊社は責任を取りかねますので、あくまでも自己責任で御願い致します。

 

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