テキトー日記

自主制作監督日記

陶器をさがしに・・

2005年09月24日 | 日記
最近「越乃寒梅」を貰ったのでちびちび飲んでいる今日このごろ・・・

人にはご贔屓というのがある。

僕の場合、映画は黒澤明、マンガは手塚治虫、落語は桂米朝、狂言は
大蔵流茂山家、能は金剛流、拳法は陳式、J-POPはイノトモ、オペラは
フィリッパ・ジョルダーノ、ボサノバはアストラッド・ジルベルト、クラッシックは
ショパン、ブルースはトム・ウェイツ、小劇場芝居は回転OZORA、うどんは関西風、味付けは薄味、
冷奴は昆布だし、たこ焼きは九条ねぎにポン酢などなど・・・

最近は京都に帰ると必ず街中を散歩することにしている。
いくつか必ずまわる店に寄っていく。
なかでも古道具屋はかかせない。
中学生のときから古本屋回りをしていたが、大人になったら古道具屋に寄る事が多くなった。
中でも毎月21日の弘法さんと24日の天神さんは欠かせない。

元々”縁日”とは神仏がこの世と”縁”を持つ日とされており、この日に参詣すると大きな功得があるということ。
弘法さんとは東寺の行われる縁日のことです。
祖師空海入寂の3月21日を期して毎月21日に御影堂で行われる御影供のことを指していて、
当初は年に1回行われていたものが、1239年以降は毎月行われるようになったそうです。

天神さんは北野天満宮のこと。
昔から弘法さんが雨なら天神さんは晴れるというジンクス(逆もあり)
があって、昔の京都の映画界では21日が晴れたら24日はロケをしないといった伝説が残っていたのだ。

そこには何百件もの露店が出ていて、特に着物なんか500円ぐらいで買える。
火縄銃から鎧まで手に入る。うちのばあちゃんが
「靴の片方だけでも売っているけったいな店がぎょうさんあるわ」
とよくいっていた。
なんでもあるので年代ものの撮影に使うときは重宝した。

おなじく古道具屋が多く、この両日に帰る日は必ず寄っていく。

最近の京都は京町家を利用した店が増えてきた。
古いビルに雑貨屋をはじめたりと、表参道と下北沢を足して割ったような雰囲気になってきたような気がする。

小路に入るとごちゃごちゃした町並みの中に小さなブランドの服屋や雑貨がやっていて、散歩しているだけで
たのしくなる。

古道具屋というか、アンティ-クの店が多い。
なかでも陶器を見るのが好きで、よく行く。
陶器といっても骨董品や美術品ではなく、普段つかうようなやつで、実際使ってみたくなるような食器が好きなのだ。
中でもお猪口と小皿がお気に入りで、なんといっても場所をとらない。

写真はこの間実家に帰ったときに買ったもので、他にも皿やご飯茶碗などもある。
お猪口は明治頃、小皿は大正時代のものらしい。
ちっちゃいコップは60年代のものらしい。
コップはニコちゃんマークが描かれているが、隣には緑の線で四角顔に怒っている顔と、
青の線でおにぎり顔に泣いている表情がかかれている。
なかなかユニークなので妹の分も買ってきてあげた。
一個250円で安い。小皿とお猪口はそれぞれ100円なのだ。
小皿とお猪口はなんでそんなに安いのかというと、焼くときに傷がついたもので、といっても素人目には気にならない。

古本屋をまわるときもそうなのだが、昔の古いものはそれを手にしたとき、文章や写真で知っている時代がまるでそこに
存在しているような錯覚に陥る。
時代の忘れ物がそこにある。
タイムスリップしたような気になるのだ。

他にも赤色で家紋がデザインされているのとか、かわいいアルファベットの茶碗とかを買ってきた。
妹が2人いるので3人でわけた。
特に家紋はうちの家紋とおんなじだったので、嫁に行った妹にあげたのだ。
結婚しても女は実家の家紋をつけるからね。
うちの家紋は丸に剣酢漿草で、映画「用心棒」で三船敏郎がつけている家紋と同じで、ちょっとかっこいい。
家紋といっても高いものじゃなくって、105円で安い。
これも60年代ころのものらしい。
当分陶器さがしは続きそう・・・
悩みは荷物がまたふえることなのだ。ただでさえ軽トラ5台分の部屋にいるのに。


京都のいいところは、東京とちがってこういうのが安いところと、ぶらぶらするところがたくさんあるところだ。
喫茶店も多いし(決してカフェじゃないのだ!)安らぐ空間がたくさんある。

京都の人は空間にこだわる。

いろいろ旅行したけど、東京以外で文化を発信しているのは大阪と京都ぐらいだなあと思った。
これはいいとか悪いとかじゃなく、歴史的な土地柄なのせいなのだろう。
そのことについてはまた次回に。

おそろいのミニカップで「越乃寒梅」を飲みながらこれを書いているのでした。

映画を見てきたその2

2005年09月18日 | 日記
さてちなみにこんなに文句をいいながらも僕は映画の中でも東宝作品は好きで、戦前のPCLの頃からの作品を追っかけているほどで、旧作がなかなかビデオにならないこの時代に、通販で東宝作品が中心の「キネマ倶楽部」の会員にもなったいたぐらいなのだ。
これ一本1万円以上のビデオを5本以上注文しないといけないところで、ない金ふりしぼって買ってたほどだ。

さて最近、辞書ぐらいの分厚い黒澤明監督関連の書籍のなかでもこれを右に出るものはないといった本が出た。
「KUROSAWA」全3巻(ただいま1・2巻まで)で、それぞれが「演出・録音・記録編」「映画美術編」と、今まで黒澤作品に関わった人達の聞き書きと黒澤論がまとめられた本なのだ。
黒澤作品はいくつかの映画会社で作られているが、やはりホームグランドは東宝で、黒澤監督の要求に答えようとするスタッフの並々ならぬ知恵と努力が数多く載せられていた。

ぼくは映画にかける情熱に感動し、物を作ることの喜びに感銘を受けていた。
たしかに今は昔ほど映画が盛んではないし、上映している映画館の事務所で、ダンボール箱に入りきらないぐらいの札束を足で押さえつけて入れるなんてことはない。

あの頃のひとたちは、撮影所システムがなくなった今、いままで作り上げてきた技術をどう次に伝えたていくか。それが悩みらしい。でもなんとか絶やさないでおこうと大変な努力をしている。

合理化で東宝の部門が独立会社化したものの、少なくとも東宝にはまだその関連会社を使って技術を受けおえる力が残っているし、人材もいるのだ。
細々とでも続けていれば次の世代に繋げられる・・・そんな思いで作りつづけている。

それはアミューズメント部門を引き受けている美術部もそうで、それは今もラーメン博物館にいけばよくわかる。
まるで大正時代の建物を移築したような出来の来々軒を観ればわかる。
地下の建物の樋には雨だれ、塀にはあの「七人の侍」のときに作り上げた焼き板に何度もたわしでこすって磨き、泥絵の具を塗って仕上げる使い古したような板の技術のすばらしさ。
用心棒の「馬目の宿」のような白壁の汚しのなんともいえないリアル感。

その東宝の本家の映画作りがこんな安易な企画と製作態度に腹が立ったのだった。
元々東宝は他の映画社とちがい、貸しスタジオや録音技術などを提供する会社からはじまり、PCLとJOスタジオ合併後、東宝となり他社がドンブリ勘定とワンマンな製作を続けていた映画会社の中で、初めての近代的な経営理念を持って作られた会社だった。
その歴史が唯一の映画会社の中で未だに売上一位の座を保ちつづけているのだと思う。
しかしそれも時にはソロバンはじくあまりとんでもない状態になっていくこともある。
たとえば「ゴジラ」シリーズは「ゴジラの逆襲」以来8年ぶりに製作された「キングコング対ゴジラ」にある。
これはジブリの「もののけ姫」が製作されるまで日本映画売上NO1だった。
しかし「キングコング対ゴジラ」以後、当たるとされたゴジラ映画は予算もどんどん減らされていき、円谷監督が「ほんとは10カットで撮るといいんだけど、2・3カットですましてしまわないといけないんだ」といわれる始末。
そのあとはご覧のとおりの作りになってしまう(平成版以前のことですが)
そりゃあ、予算が少なくて売上が多いほうが利潤がいいにきまってます。
どうも路線が続くとちゃっちい作りになってしまうのが東宝の良くないところだと思う。

明らかに「ウォーターボーイズ」以降、高校生をねらった青春もの路線を企画し続けているのはたしかで、どんどん企画のねらいと監督の資質が違ってきていると思う。
「ロボコン」は確かに面白かったし監督もいい。
しかし東宝の売り方は「ウォーターボーイズ」路線。
あの監督の本質とはちょっと売り出しかたがずれている。
続いて「セカチュー」の青春純愛路線の次はなぜか「タッチ」

連載当時ならまだしも、20年もたってなんのひねりもない作り方に頭にきたのだ。

まあそんなわけで、もう愚痴はこんなぐらいにして、これは一番ひいきにしている東宝だからこそ、今や年に1・2本ぐらいしか自社製作していないからこそ、ここぞという東宝作品を作って欲しという願いだったのだ。

昨日もちょうどBS2で放送していた成瀬巳喜男監督「驟雨」(東宝作品)をみてつくづく思ったことなのでした。

以上、映画批評終わり。
以後映画の悪口はこれっきり。
ちなみにぼくのノートPCとデスクトップの壁紙は長澤まさみっす。ああはずかしいっ(笑)いい年して・・

東宝の名作はhttp://www010.upp.so-net.ne.jp/tohoscope/kenbunroku.html
にいくと詳しく見れます。
歴史はこっちhttp://www010.upp.so-net.ne.jp/tohoscope/nendaiki.html

映画見てきたの巻

2005年09月18日 | 日記

仕事帰りに映画を見てきたら立ち見だというのであきらめた。
前売りを買ってまで見に行ったんだけど、初日から一杯ではいれなかった。
仕方がないので2週間たって拡大ロードショーになったのでいったものの今日もいっぱいだった。
それは犬童監督の「メゾン・ド・ヒミコ」
もともと監督が大島弓子のマンガを映画化しようとしていた作品で、最終的には同じような題材でオリジナルになったんだけど、なかなかおもしろそうだった。

でも、しょうがないので明後日も都心に出るのでこんどにした。
変わりに選んだのが同じ監督の「タッチ」だった。
正直、なんでいまさらタッチなのか疑問に思う人は多いはず。

でも犬童一心監督に長澤まさみだからきっと何か違うだろうと思った。

この監督、ここんとことばしてるなあ・・・今年3本目の作品でっせ。ほんま。

この監督は市川準監督の「大阪物語」の脚本を担当していて、
「えげつないとか誇張した営業用の大阪とちごて、ちゃんと大阪描いとんなあ。ちゃんと大阪わかっとるで。脚本がわかっとるなあ、これ」
って思った。
それで犬童監督の作品「2人が喋ってる」という作品を見たらこれが面白くなかった。
でも「大阪物語」のこともあって、楽しみにはしていた。

そうでなければいまさら20年も前のマンガを映画化するなんて、どんな意味があるのだろうか。

「タッチ」はリアルタイムで読んでいたし、ちょうど登場人物と同じ高校生だったのでおもいいれもある。
劇場には同じ思い出来ているのか、仕事帰りのスーツ着たサラリーマンの姿があった。
高校生の女の子や男の子たちもいた。

しかし映画を見た感想は予感通りだった。
予感とは僕個人の予想と違って、世間一般が思っているであろうほうの予感である。
深読みしていたぼくが間違っていました。

あの漫画をどう料理するか楽しみにしていたんだけど、台詞は陳腐だし、ストーリーは漫画のダイジェストだし最悪ほどではないにし、出だしから拒否反応で映画に集中できなかった。カメラワークもライティングも昔あった月曜ドラマランド並。
移動撮影も南が走っている気持ちを表現できていないし、主題歌の挿入するタイミングがギャグか?と思うほどのタイミング。
笑っている人もいた。いやあギャグでしょう。あれは。

かっちゃんが死んだあとの南の叫ぶとこなんかわらってしまう。
大事な試合前に達也と和也がキャッチボールをしながら南を甲子園に連れて行ってやろうと言っているのをこっそり柱の後ろで聞いているところなんか

「柱の後ろに行く前に気づくやろおい!」
「高架下にそんな水溜りあるんかい!」

とか突込みどころ満載だ。
あげくのはてに、元々マンガだからよかったものの、実写になると浅倉南がわがままな娘に見えてしまう始末だった。

ふつーこんなに男2人の人生をを迷わす女ってどーよ。いやな女にみえてしまうのだった。自分を甲子園つれてけといっておいて自分は途中でさっさと野球部やめてしまうんですよ!
それで達也一人甲子園にいけるかどうか決勝戦にいどむのだ。
南は最後のクライマックスまで試合にもこないし。
甲子園つれてって欲しいといったんなら、野球部やめたら意味ないじゃん!

ああ・・・東宝ってほんとだめって思った。
なんでタッチなんて選ぶかなあ・・・
監督もすっかり雇われ監督で、フツーに撮ってるし。
こんなの脚本読んだらわかることじゃん。
不自然なところや無理がいっぱいあるのだ。
おれならこんな脚本で撮れっていわれたら書き直すよ、ほんと。
絵でわかるのにわざわざ台詞で云う陳腐さ。
前半のわざとらしい無理やり幸せそうにしているテンションの高い芝居!

同じ東宝の製作で成瀬巳喜男が出来上がった脚本に線を入れて
「こんなのは絵を見ればわかります」
といって脚本の量が半分になったということがあった。
これがあの同じ東宝製作の映画なのだろうか・・・

東宝がここんところ成績がよかったのは
「セカチュー」は行定勳監督だからだし、ジブリ作品だからだし、「踊る~」はフジだからだし、ただの配給会社だからなのだ。純粋に自社企画製作なんて年に1・2本しかない。
あるのは「ゴジラ」シリーズぐらい。正直何年か前の「ロボコン」もおもしろかったけど、映画としては青春ものなのかバトルものなのかどっちつかずで未消化だった。
「ウォーターボーイズ」系みたいな売りをしておいて、観たら地味な映画だったし・・・。(これはこれで丁寧に作られたからよかったが、あきらかに売り文句と中身が違う。東宝はあきらかに「ウォーターボーイズ」系をねらっていた)

しかし「タッチ」はひどかった。どれをとっても陳腐で、あきらかに
「まあこんな感じでいいだろ。」
といった製作態度がまるわかりだった。
帰りに高校生たちが

「あーあ、おもしろかった。かんどーして涙も出ねーや」

とわざわざ受付ちかくで云いながら出て行く始末。
これじゃあ観客が離れていくのも無理はない。
せっかく邦画に客が戻り始めているのにまた繰り返すのか?
東宝!なんて思った。

ぼくは映画批評とかは嫌いでひとにもあまり云わないほうだが、今回はちょっとした理由があった。
ちょっと長くなったので続きは次回に・・・

オレ日記、移動しましたよ

2005年09月18日 | 日記

好評連載中の「オレ日記」はブログの話題が多いので整理しました。

何年も休部状態の演劇部に、偶然4人の部員が集まった。しかし女ばかりに、男子がたった1人。やがて努力の甲斐あって4人から12人となり、念願の演劇大会に出場するまでに成長するのだが・・・。恋も涙も笑いもすべてが新鮮で輝いていた、ちょっと前の80年代青春ブログ!
「コイとアイの間」

http://blog.goo.ne.jp/kuukan_1970/

に移動しましたのでよろしく。