私のタイムトラベル

ある家の物語・白鷺家の人々
― 道理を破る法あれど法を破る道理なし ―

竹子伯母、職場に現る

2017年05月16日 | 2. 闘争編

或る日のこと。

お昼休憩から戻ると、前方に少し猫背の真っ白な頭をした年配の女の人がウロウロしている。

竹子伯母だ!! 

私の職場まで一体何しに来たんだろう? どうやってここを探し当てたんだろう??

ちょうど私が入る建物の前でウロウロしている。無視することもできず、観念して話すことにした。

なんでもこんな事態になってしまって私の母の精神状態が心配なのだとか。

その時、もう少しゆっくり話をしたいとのことで私は伯母宅に行く約束をした。

 

                                

土曜日の午後、リビングでコーヒ―を入れながら突如伯母が言った。

マリンちゃん、犯人探しはやめようよ

「・・・・・」

 

この時、あの分割図、もしかして竹子伯母が作ったのではという考えがふと私の脳裏を過った。

伯母が結婚してF市に住んでいた頃、祖母松子さんはすべてを父に頼っていた。

私たちがこの家に越してきたのもその延長線上のことだった。

ところが偶然にも私たちと同時期に竹子伯母がF市から実家近くに戻ってきた。

 

私は父を思い、たまらなくなった。

みんな父の人間性を十分わかっているはずなのに、あの真夜中のひどい話は何なんだろう?

松子さんはなぜまともに父と話をしないのだろう? 

なぜ娘たちと一緒になって自分の息子に対して画策をするのだろう? 


私は先日の真夜中の松子さんを含むオバサンたちの話を聞いたと言った。

びっくりした伯母はいつのまにか自分は仲の良かったきょうだいとしての感情を忘れていた、

と何度か泣きそしてなんどか私に謝った。しかし、それはその時だけのことだった。

 

 松子さんは<私は呼んでいない>と言う自分の主張に固執し曲げることは決して無かったし、

竹子伯母もまた<おかあちゃんは呼ばなかった>と松子さんを援護した。


そしてこんな言葉が次々飛び出した。

「おかあちゃんのやらはったことは正しい。ペーパーに書いておかなかったあんたたちが悪い」

「将来においてカイト君たちがここに住みたいと思うのだったら、お金持ちになって買えばいい」

最初、理解を示すかのように見えた竹子伯母は、やがて

「イチロウちゃんが勘違いしたんではないの。おかあちゃんは入ってこいとは言わはらへんかった」と言い、

父が最後までちゃんと人の話を聞かない早とちりの性格だとその例を挙げて、

ここナシの木町に来たのは父が<母の話を拡大解釈したのだ>と断じた。

 

 

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