Skier's High-High
サンタバーバラから帰ってきました!
しばらくはリハビリ中・・・。
人気の高かった過去の記事へのリンク集を作りました!


k2hikoさんとスマシカオさんのブログ記事にリンク開始!!!






みなさん、おはようございます。
しばらくブログの更新が滞ってました。
月曜の夜から発熱と嘔吐、下痢に見舞われまして、
火曜は会社もお休みしてしまいました。
水曜は、どうしてもやらないといけない仕事をしに会社に行きましたが、
遅刻、早退で、家ではぐっすりお休みさせて頂いておりました。

というわけで、S氏からまた面白いレポートを頂いていたのですが、
掲載するのが遅くなってしまいました。S氏すみません。

さて、今回のS氏レポート。
またまたS氏の懐の深さを垣間見ることができるレポートです。
こんな知識まで持ってたのかぁぁぁ!


------------
「これから降るのは雨?雪?
高層天気図を読み解こう!」

「山では雪が降ってるのかなぁ…積もるかなぁ…」
ということが気になって,何度もライブカメラなどを
チェックしてしまう今日この頃.

で,この時期知りたいのは「この1週間,山の天気はどうかいな?
なんか降りそうだけど,降るのは雨かな?雪かな?」というところ
かと思います.
これから数日間の天気の傾向がどうなるのか,
今後1週間冷えるのかあったまるのか,
さらに天気予報がどの程度の確かさなのか?
などということが分かるといいな,と思いませんか?
…分かる方法があるんです.

ということで,私の隠された趣味である「天気図の読み方」
について,すごい簡単なエッセンスをお伝えします.

え?
天気図なら読める?
西高東低で,等圧線の密度が高いと雪が降る?
確かにその通り!正しいです!
でも,その天気図では,日本の東側に低気圧があった場合,
それが寒気によって引き起こされた冬型の低気圧か,
南からの湿った空気によって発生した前線上を発達した
低気圧かが読み取れるでしょうか?
さらに,日本の東に低気圧があった場合,山で雪か雨か
正確に判断できるでしょうか…?

これからここで説明するのは,皆さんがテレビや
Webでよく見る「地表天気図」ではなく,
「高層天気図」というものです.
NHKの天気情報で,「上空5000mに-40℃の寒気が…」とか,
とか言ってますよね.
その情報,上空5000mに寒気が入っているのかどうかを
直接この眼で確かめられる便利な天気図です.

高層天気図もいろいろ種類があるのですが,ここでは
雪か雨か,これから冬型になるかどうかの目安を得られる
「500hpa天気図」について解説します.

これが11月20日,午前9時の「500hpa天気図」です.

http://n-kishou.com/ee/weather/faxmap/map_koso.html
などで閲覧できます.

なにやら実線と点線がかいてありますね.
実線のほうには,5340とか,5280とかいう数字が
書いてあります.
これは,5340という数字の書いてある線は,高度5340mで気圧が
500hpaになる,ということを示しています.
点線のほうには…
-12,-18,-24…と,6刻みのマイナスの
線が書いてあります.
これは上空5000mの気温を示します.
-12の線なら-12℃,-36なら-36℃を表してます.

500hpa図の,この点線に注目してみてください.
上空の-30℃の線はどこにあるでしょうか?
この-30℃の線の内側に入り,上空の気温が-30℃以下に
なれば,山間部では雪です.
-24℃の範囲内では,標高2000mくらいのところでは
雪になることがありますが,おおむね-30℃の寒気が入れば
スキー場のあるような標高のところは大体雪になります.
さらに,-36℃の線の内側に入った場合は,天気が崩れれば
平地でも降ってくるものは雪になってきます.
上空の温度が-18℃とか-12℃になってくると,地上では
春の陽気です.

20日の日本上空は,-18度の暖かい空気が入り込んでいたようです.
昨日,スキー場で軒並み雨だったのは,この暖気のせいだったんです.
-30度の線は,遠い樺太の地にあります.
とてもスキー場の冷え込みを期待できる状況ではありません.

参考までに,各地のスキー場や,長野・新潟に雪がつもった
11月11日の夜9時の500hpa天気図を見てみましょう

ををを!すばらしい.
ちょうど日本をカバーするように,すっぽり-30℃の寒気が
覆っています!これなら,雪が降ることが一目瞭然!

で,このときの地上天気図を見比べてみましょう

左が雪が降った11日夜,右が雨が降った昨日の天気図です.
この天気図だと,なんとなく左のほうが西高東低に近いかな?
って感じですが,雪が降った左のほうも南岸低気圧に近い感じで,
この天気図を見て「これなら山で雪が降る!」と
確信を持てる人はいないと思います.

どうでしょう.
これで,500hpa天気図を見れば,地表の天気図で分からない
「雪か?雨か?」の判断ができるようになったと思います.

さらに高層天気図を使えば,これからの天気の傾向が読めるん
です….
(続く)


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コメント
 
 
 
Unknown (のび太)
2006-11-24 12:54:40
ご無沙汰です。

Sさん、こうゆう天気図欲しかったんです。
去年少し話題になった北極振動が気になっているんですが、こんな天気図みたいになっていて北極振動の動きが読み取れるのが見たかったんですよね。

今まではアジア全域、北半球全域の大きな気圧配置図を見て「いつ頃に天気が・・・」としか見ていなかったのが、これを見れば、一目瞭然ですね。
 
 
 
まだ他の天気図の説明も続きます (S)
2006-11-24 15:25:03
あ,お久しぶりです.

どうやら私のネタは,いつものび太さんのスイートスポットを直撃するみたいですね(^_^.
しかし,北半球全域図を見ていらっしゃるとは,
なかなかマニア.

でも,天気図ってもっといっぱいあります.
今後のネタばらしをしていくと,次回は
FZCX50(アンサンブル図)による今後の
天気傾向の予測,
その次は300hpa天気図を説明する予定です.
300hpa天気図の説明の際に,もしかすると
アジア太平洋300hpa天気図(AUPA30)を使って
北極摂動も説明しようかなぁ,と思ってたんですが….
すでにFZCX50の原稿は,数日前にnobu氏に送ってます.
明日あたり掲載されると思うので,お楽しみに.

ちなみに,500hpa天気図には,北半球全域を
カバーする北半球全域図(AUXN50)と言うのも
あります.
このあたりは,
http://www.hbc.co.jp/pro-weather/
からたどると情報豊富ですよ.
 
 
 
素晴らしい。 (パウダー爺)
2007-11-27 07:57:19
「咽手の情報」を本当に、有難う御座居ました。

ニセコの新雪を滑る事に嵌まった、古稀に近いパウダー爺々であります。
大雪を事前に予知出来ればその数日前に東京を発ちニセコのスキー場に待機すれば、狂喜乱舞を確実にする事が出来ます。

その大雪情報を予測するにはどの辺の予報を活用すれば其の予想が可能なのでしょうか、御教示戴ければ幸甚です。
 
 
 
パウダー爺さま (nobu)
2007-11-27 23:28:51
こんにちは!
ブログ管理者のnobuです。
この記事は会社のスキー部の先輩S氏のレポートです。
S氏がこのコメントに気づいたらコメントしてくれると思うのですが・・・。
この記事には続きがあります。
http://skier.ojaru.jp/ski_etc.html
のHPにまとめてあります。
よろしかったらどうぞ。
 
 
 
こんな古いネタにコメントが… (S)
2007-11-28 02:19:53
この情報が,何かのお役に立てたのなら嬉しい限りです.

大雪を事前に予知するには,やはり5000m上空の寒気の動きを追うのが確実です.
今回,AUPQ35による500hpa現況天気図とFZCX50による週間予報支援のみに絞って書きましたが,もう少しショートスパンで確実に動向をつかむためには,

○FXFE502
(500hpa高度・渦度+ 極東地上気圧・降水量・海上風12・24時間予想図)

○FXFE5782
(極東850hpa気温・風、700hpa上昇流+極東500hpa気温、700hpa湿数12・24時間予想図)
を使えばよいです.

どう使うかというと…
5782の方の上の図,これが5000mの寒気を
示しているので,これが-36℃くらいになっていると大雪の可能性大です.
さらに,FXFE502の下のほうの図,地上天気図に細い点線で描かれているのが降水量になりますので,降水量が多いところがニセコに掛かっていれば,大雪確実です.

ちなみに,これらは36, 48時間後の予想図の
○FXFE504
○FXFE5784
と,あと72時間後の予想図の
○FXFE507
○FXFE577
というように,あわせて3セットありますので,3日後までの大雪がかなりの確率で
予想できます.

これらの天気図は,
http://www.hbc.co.jp/pro-weather/
からたどってみてください.

うーーーん.ホントは,もう少し暇があれば,
FXFEシリーズのマニアックな読み方をレポートしたいんですけどね.
あと,FXXN519でも,今後1週間の850hpa面の気温分布が分かるので,このあたりと組み合わせると,さらに長期の予測ができるし….
高層天気図,面白いですよ.
 
 
 
高層天気図は最高 (パウダー爺)
2007-12-02 12:02:50
 ● nobu管理者さん、本当に、有難う御座居ました。
早速に、下記を印刷の上、製本して、座右の銘に致しマス。(笑)

高層天気図を読み解こう!
高層天気図を読み解こう!その2
スキーヤー必見!これから降るのは雨?雪?
これから降るのは雨?雪?その4
これから降るのは雨?雪?その5
これから降るのは雨?雪?最終回

 ● Sさん、
迷える老人に、優しい解説の長文を、深謝致します。
本当に、有難う御座居ました。
心から御礼申し上げます。

Sさんのお陰で、かなりの精度で新雪を「ばふばふ」と戴けそうです。

2.3質問をさせて下さい。
年金生活者は飛行機の安売り切符が重宝なのですが、4-7日前が〆切の為、御紹介の長期予報の519を重宝しています、最下部しか使用していませんが中央部の850hpa等の読み方を御教示戴ければ幸甚です。

北半球500hpa高度・気温天気図(AUXN50)には、秘部が潜んでいるように思えるのですが予報には使えませんか、浅学の老人では無理でしょうか?

宜しく、お願い申し上げます。

重ねて、貴重な情報を、本当に、有難う御座居ました。
 
 
 
FXXN519は… (S)
2007-12-04 02:10:41
はい.FXXN519の読み方のリクエストをいただきましたので,ご回答いたします.

850hpaの図面は,850hpaの気圧の高度での気温分布を示しています.
850hpa面は,大体高度1500mくらいにあたるので,この図面を見れば高度1500mの気温が予想できるということです.
これが0度以下であれば,まぁ標高の高いスキー場で雨の可能性は無いと考えてOKです.
強い寒気が入ってくれば,850hpa面での
気温も低くなるので,-18℃とかの強い寒気が入ってくればかなりの大雪になります.

ぱっと見てみると,例えば12月2日のFXXN519では,12月5日に-18度の寒気が北海道まで降りてきてます.
おそらく,5日は大雪だろうと予測できます.
…って,すでに高層天気図を読みなれていれば,先週の段階で,4日をピークに強烈な寒気が入ることが読めていたと思いますが.
(FZCX50の気温傾向が,4日をピークにものすごい低温になってましたし,降水予想域がきれいに日本海側にだけ広がっていたので…)

さらにその次は,10日に再び北海道の西に-18℃ラインが迫ってきてます.
これは,11日には北海道にかかる可能性があります.
11日に-18℃の寒気が北海道にかかれば,多分強い冬型に入ると思います.
このコメントを書いている現時点では,11日が大雪か小雪かまだ微妙です.

12月2日のFXXN519の850hpa図面から,ほかに
どんなことが分かるかというと,8日に低気圧が日本を通過して,9日には冬型の気圧配置になることまで分かっちゃうんです.
このあたりちょっと細かくなりすぎるので,詳細な説明は避けますが,T144 12/8の図面で,津軽海峡の東あたりで当温度線が折れ曲がってますよね.
ここがだいたい低気圧の中心です.
低気圧の東は,温暖前線が張っていて,南から暖かい空気が吹き込みます.
低気圧の西は,寒冷前線が張っていて,北から冷たい空気が吹き込みます.
ということで,津軽海峡から西は,当温度線が南に折れ曲がるように下がっていますよね.
つまり,寒い空気が南下しているんです(厳密には南東に動いてます).
逆に,津軽海峡より東は,西側に比べて暖かい空気がより北側にあります.暖かい空気が北上しているんです(今回は,暖気の北上は弱いですが).

ということで,青森から鹿児島方面まで,日本列島に沿って伸びている0℃の線が,大体寒冷前線の位置と思ってください.あー.プラス3℃線近辺かも.
この前線の北側からは,強烈に冷たい空気が前線に向かって吹き寄せてます.

その証拠に,T168 12/9の,次の日の図面を見てみると,0度の線がさらに南下してますね.
これは,冷たい空気が思いっきり南に押し寄せた結果です.
この図面を見て,「寒気がすっぽり日本を覆っている!」と見えたら,高層天気図のマニアへの第一歩です.

あと,AUXN50ですか…
これは,AUPQ50の北半球全体版ですので,基本的にAUPQ50を見ておけば日本はカバーできるかなぁと思っていて,解析したことがありません(^ ^;
北半球の全体動向なら,FXXN519の上半分の図面で将来予測まで含めて出てますから,こちらの方が参考になるかと….

…うーん.
高層天気図ネタは,実はもっと長く続ける予定だったのですが,「難しすぎる」とあまりにも不評だったため,途中で打ち切ったんですよね….

リクエストがあれば,続きを書こうかと思ってます.


 
 
 
しまった.もう古くなっちゃった (S)
2007-12-04 10:40:29
12月3日のFXXN519(0312UTC DEC 2007)では,
12/8日の,津軽海峡東部の等温線の折れ曲がりが
なくなってます….
かわりに,12/9の北海道東部に弱い折れ曲がりが
見れます.
低気圧の通過が1日ずれて,低気圧が弱くなったようです.

FXXN519は予報図面なので,過去のアーカイブが
http://www.hbc.co.jp/tecweather/archive/index.html
にもないんですよね…
すいません.上のコメントは,
「12月2日のFXXN519 はこうだったんだなー」と思って
読んでください…
 
 
 
re : FXXN519 (パウダー爺)
2007-12-04 11:02:29
仔細な御説明を深夜に本当に、有難う御座居ました。
少しづつですが、氷解して来て、とても、嬉しいです。

一番下のグラフの読み方の詳細をお願いしても宜しいでしょうか。

50N.40N.30N.20N は高度ですか?
500hPaはどの位ですか?

12/2を見ますと、8日が11/18の大雪の頃より降りて来ていますが、T144 と見比べて、白馬大雪と断言出来ますでしょうか?
FXFE577の湿度が蔽っていないので厳しいのかなとも思えますが.....。
 
 
 
速攻レス (S)
2007-12-04 13:48:47
FXXN519の一番下のグラフは,東経135度の線の南北を
見たときに,500hpa等圧線がどの緯度にあるかを示します.
50N,40N,30N,20Nは緯度になります.

50Nは樺太の真ん中近辺,40Nは大体盛岡近辺,30Nが鹿児島の南くらいになります.日本のスキー場は,概ね36N~40Nの範囲にあります.
500hpaは大体高度5000mです.
天気予報でいう,「5000m上空の寒気は…」と言うのは
,ホントは5000mじゃなくて500hpaの寒気なんですよ.

で,大体寒気の目安としては,この図の上側の網掛けの部分(5340mの線より上)が35Nくらいまで降りてくればかなりの雪になりそう,という感じです.
あくまでこの図は,寒気そのものではなく500hpa面高度なので,寒気の目安にしかなりませんが….

とりあえず,そういう目で見れば,大雪だった11月20日前後に,5340mの線が40Nより下側まで降りてきているのが読み取れますよね.
20日に一瞬だけ40Nまで北上してますが,大体18日から21日まで,5340mの線が低いところにきているので,寒気が南下して大雪になる,と読めます.
また,11月25日は逆に5340mの線が50Nちかくまで北上してしまってます.すごく暖かい,と言うことが読めます.
具体的に言うと,湯沢のアメダス観測値の最高気温は,
11月19日 -0.2度
11月26日 12.3度
となっており,19日が寒く,26日が暖かかったという
事実がこのことを裏付けてます.

そういう目でこれから先を見れば…
12月3日のFXXN519(0312UTC)だと,12月4日にも,
40Nより下に5340mの線が降りてきているので,
そこそこの寒気が降りてている,と読めますよね.
7,8日も,一応5340mラインが40Nより南まで降りて
きてますから,まぁまぁ冷えるかな,と読み取れます.
ただ,12月3日のFXXN519での12月7,8日の予想だと,
11月19日よりも5340mのラインの南下の度合いは弱いので,
11月下旬の大雪のような状況は期待できず,そこそこ雪が降るかな,と言う程度です.

FXFE577でも,-24度ラインがぎりぎり新潟にかかっている
程度なので,それほどの大雪は期待薄です….

ただ,12月3日 12UTCのFZCX50の右下,気温傾向を見ると,9日の館野における気温スプレッドが広く,気温が低温にふれる予測しているメンバーもあるので,センタークラスターを用いたこのFXXN519予報値はより低温側にはずれる可能性もまだ残っています.

すいません.昼休み終わっちゃったので,取り急ぎ.

 
 
 
12月8日 (S)
2007-12-05 11:02:06
12月5日朝の段階では,12月7日夜から8日にかけて,白馬方面は多少の積雪がありそうです.
ただ,冬型に入った降雪と言うより,低気圧が接近して降る雪ですので,ちょっと重いかも知れませんが….

7日に日本海→東北を通過する低気圧に南から暖かい風が吹き込むかと思ったら,FXFE507などを見たところ,それほどでもないみたいです.FXFE577の850hpa等温度線も,0度ラインは関東近辺まで下がっているので,雨にならずに済みそうです.雪です.FXFE507による,7日午後9時の降水域は山形を中心に,日本海側に広がっています.

そうそう,前回のコメントで,FXFE577の湿数のことを書かれていましたが,冬型に入った場合,日本海側の湿数はかなり高い数値(乾燥した状態)になります.
一見,湿数が高くて雲ができなさそうに感じますが,
むしろ湿数が高いほうががんがん雪が降ります.
これが,冬型の日本海側の降雪の特殊性です.

なぜかというと,湿数が高いエリアは,「空気が冷たいエリア」とほぼ一致しています.
空気が冷える→空気が縮む→空気密度が高くなり,重くなる→重くなった空気は下降する→下降した空気は地面に近づくにつれ,気圧が高くなるので圧縮される→圧縮により気温が高くなる→空気中の水分量が同じで気温が高くなっていくので,湿度が低くなる(湿数が大きくなる)
と言う感じで,冷えている空気は湿数が高くなるんです.
ところが,この850hpa≒1500mの湿数が低くても,この空気が地表(海面)近くでは,空気が冷えれば冷えるほど,暖かい日本海からたっぷり水蒸気が供給されます.で,これが日本の山にぶつかって上昇した時に日本海側に雪を降らせるんです.

と言うことで,むしろ日本海側の湿数がすごく大きくなったときに,「うおー!日本海側に雪が降るぞ~!」と
喜ぶべきなんですよ.

…これが,普通の高層天気図の教科書的事実と違う,
日本の冬の特殊性です.
教科書だとなかなか書いてない,冬の高層天気図を読み続けている人だからこそ知っている事実だと思います…
 
 
 
re : FXFE577 (パウダー爺)
2007-12-05 17:10:11
二日に及ぶ、昼休み返上での、御回答・御説明は、落涙しそうな位嬉しいです。
本当に、有難う御座居ました。

斜線のあるところが、湿数があるとの解釈で宜しいでしょうか?

過去の高層天気図は印刷して保存してあるので、Sさんの説明で得た新しい知識を検証していますが、凄いものだと、改めて、実感しています。

こんな貴重な経験が出来るのも、全てSさんのお陰です。心から御礼申し上げます。
 
 
 
湿数 (S)
2007-12-06 02:15:27
はい.今度は湿数についてのご質問にお応えいたします.

改めて湿数について説明すると….
FXFE5782,5784,577の上の図面.
太い線が500hpaの温度.
細い線が700hpaでの湿数です.
(すいません.前回,850hpaの湿数と勘違いしてましたが,700hpa≒3000mの湿数です)

湿数とは,気温-露点温度です.
露点温度ってのは,今の水蒸気量で湿度100%になるための温度です.

つまり,湿数とは,その空気を冷やしていったときに,あと何度冷やすと空気中の湿度が100%に達するか,という数字です.

例えば,湿数1度であれば,今の空気が1℃以上冷えると,空気中の湿度が100%を越えて,空気中の水分が水蒸気になって凝結しだします.
この状態だと,わずかな上昇気流で空気がわずかでも上昇すれば1度くらいあっという間に冷えちゃいますので,空気中の水分があっという間に水蒸気になる…すなわち,雲ができやすい空気ということです.

逆に,湿数が30も40もあった場合は,今の温度から30度も40度も冷やさないと空気中の水分が水蒸気にならないので,雲ができにくい状況といえます.
…と,ものの本には書いてあります.

で,FXFE57xの天気図の上半分の図面で網掛けになっているエリアは,湿数が3度以下のエリアで,雲ができやすいエリア,ということになっています.

ところが,冬の日本海は違うんですねー.
湿数が大きいほうが,強い冬型で,日本海側は
大雪になりやすいです.

例えば,5日夜9時段階(051200UTC DEC2007)の,FXFE5782を見てみてください.
この一番左上,0600UTC,すなわち6日午前9時の湿数を見ると,湿数の大きいエリア(最大で54度とかになってます)が,日本の南側,
ちょうど北緯30度ラインくらいにかけて広がって
いるのが読み取れます.

で,この時間,6日午前9時の衛星写真の赤外画像を
http://www.tenki.jp/him/index.html
などで見てやってください.
今,これを書いているのはまだ午前2時なので,
午前9時の衛星画像は見れませんが…
多分,いわゆる「寒気によって筋状に
吹き出す雲」が,ちょうど湿数の大きいエリア
に向かってたなびいているのが見えると思います.
日本海側より,湿数が大きい太平洋側の方で,
しっかりした吹き出しの雲が出ているはずです.

これは,湿数が大きいエリアは,以前のコメントに書いたように,空気が冷たいエリアだからです.
特に,湿数が40とか50とかの線が集中しているエリアは,
冷たい空気ががんがん押し出していっているエリアになります.
そのため,空気より暖かい海面から,海面付近の空気に大量に水蒸気が供給されます.

…それほど暖かくないお湯は,あったかい室内では湯気が立ちませんが,
それを冷たい室外に持っていくと一気に表面から湯気が立つ
ことがありますよね.
それと同じ現象が起こるんです.

で,上空3000mで湿数が大きいかもしれませんが,
地表付近では湯気を吹き飛ばしたような,水蒸気
たっぷりの空気になるんです.

上空で湿数が大きいのに,地表付近で水蒸気がいっぱい,という現象は,
衛星画像の赤外画像と水蒸気画像を見比べれば分かります.
例えば,6日朝の衛星画像の赤外と水蒸気画像を
http://www.tenki.jp/him/index.html
で見比べてみれば,赤外画像で見えた太平洋の
筋状の吹き出しの雲が,水蒸気画像では真っ暗で
何も写っていない,という現象になって現れます.
水蒸気画像で真っ暗に写っているエリアは,上空の
空気が乾燥しているエリアです.
それなのに,赤外画像で雲が見えるということは…
それは,地上付近の,筋状の吹き出しの雲…
そうです.雪雲です.

普通のテレビの天気予報なんかでは,赤外画像しか
映しませんが,このように水蒸気画像と見比べると面白いです.
大体,FXFE57xの湿数と衛星の水蒸気画像は,見事に一致しますから.

ということで,高層天気図と一緒に,衛星画像もこれからの分析の仲間に加えてやってください(笑).

しかし,もう古稀に近いとおっしゃられている
パウダー爺さんの向上心には感服いたします.
高層天気図,おっしゃるとおり凄いものですので,読めば読むほどいろんなことが分かります.
私も勉強中ですので,これからも一緒にがんばりましょう!
 
 
 
ありがとう、本当に、ありがとう。 (パウダー爺)
2007-12-08 17:18:55
叉も、深夜に及んでの御回答と長文な解説、お礼の言葉を失うほどです。
本当に、有難う御座居ました。

「S」さんの真摯な御指導に対して何かお礼をと推敲を重ねているのですが、なかなか無い物ですね。

ただ、貴君より多い不肖には馬齢の積年がありますので、お節介を省みず老婆心ながら申し上げられるのは、退職後の自由時間に対する準備を在職中から常に視野に置き努力なされる事をお奨め致します。今の自由時間は、2-3時間/日でしょうが、 所が、退職後は、16時間/日あります。院卒で65まで働いて40年、85迄生きたとして退職後は20年ですが、自由時間は8倍あります。退職後の金銭的な老後計画は定常的になさいますが、自由時間の設計はなかなかなさいません。豊かな老後にはとても大事な事のように思われます。老後資金も老後から始めても画餅の様に、自由時間の設計も同義と拝察します。不肖は運良く結果的にそうなっただけですが、頭の片隅に置いて戴ければ幸甚です。そして、ある時に「そんな事をいってたなー」と思い出して下さい。 (笑)

不肖の場合の具体的に良かった例を思いつくまま。

1.夢中になれる事に2.3出会って置く。
 (会社を仮病で休んでもやりたいレベルのもの)
2.男女は始めは見つめ合って済みますが、その後は同じ方向が見られる様に啓蒙する。
3.有休を全てスキーに費やした事。
  (冬季に集中するのでスキーの合間に会社に行く事になる、しかし、業績は必要なので努力を「量」でなく「質」で行うロジックが構築出来る様になる。)
4.愛妻に同じ趣味を体験させ楽しさを同感させる。
  (平日にスキー学校に強制長期合宿させる、其れで上手くなればこちらも楽しい。)
5.退職後は友人知人が激減するから、共に遊べる様な妻に若い内から養育する。

なんだか、取り留めのないメイルになりましたが、御笑覧ながらも、不肖の意図する所を御賢察下さい。

そうそう、お礼といえば、今思いつきましたが、 Zermatt なら、ガイドが出来ますから、その節はご活用下さい。オフピステも大丈夫です。
 
 
 
ご助言ありがとうございます (S)
2007-12-10 00:59:41
人生の先達から,直接いただく助言はきわめて重みがあります….

そうですよね.人生,リタイヤ以降の自由時間が長いんですよね.その過ごし方を考えておくことが重要なんですね.
リタイヤまで,まだまだ30年くらいあるなぁ,と気楽に考えてましたが….

幸いなことに,私にも「スキー」と「ダイビング」という,かなりのエネルギーを費やしている趣味がありますので,ご助言をありがたく受け取りまして,この趣味を一生モノとして大切にしていこうと思います.
まずは,妻に仕込むところからですね(^^;

しかし,Zermattのガイドとはっ!
ガイド資格お持ちなのでしょうか?
だとしたら,すごすぎるのですが….
Zermatt,新婚旅行で行ったのですが,残念ながら夏だったので,今度は冬に行こう,というのが夫婦での感想でした.

いや,ぜひZermattはリベンジしたいと思っていますので,その際は日程を合わせまして,ガイドをお願いさせていただきたいです….

また,天気図の読み方について,何かありましたらいつでもご質問ください.
時間のある限り,ご回答させていただきます.

では,これからのスキーライフをエンジョイしてください!
 
 
 
良いお年を。 (パウダー爺)
2007-12-31 18:57:33


一年を省みて、不肖のスキー生活は、
Sさまの御助力で激変しました。
改めて深謝致します。
本当に、有難う御座居ました。

良いお年お迎え下さい。
 
 
 
3/24&25の寒気 (パウダー爺)
2008-03-19 06:02:46
Sさま、おはようございます。

3/17のFXXN519下段に寄れば、
3/24&25に寒気が来ますが、
ニセコの降雪はどの位期待出来ますか?

FZCX50の右図の降水予想もniceな様ですが?

Sさまの御賢察を教えて下さい。
宜しく、お願い申し上げます。
 
 
 
ありゃ.気づくの遅れました (S)
2008-03-19 23:27:49
すいません.遅くなりました.
3月19日現在のFFXXN519を見ると,25日にはそこそこの
寒気が北海道に下りてくるようですが,24日の850hpaの
温度が高すぎます.24日は西側にトラフ(特定高度の
低い領域)がある,西谷の場になりますので,暖かい
南風を伴う降水がありそうです.
FZCXの24日を見ても,典型的な南から暖かい
空気が吹き込む降水を予感させる,東側の相当温位が
高く,西側が低く,かつ日本上空でで線の密度が上
がっている,というパターンになっています
24日,ニセコなら多分雪だろうと思いますが,
雪だとしてもかなり重いです.
で,25日の冷え込みも,FZCXの右下のグラフを見ると,
それほど強いものではなくなってしまっています.
むしろ平年よりかなり高いので,パウダーが積もる
ことは期待薄です.
比較的重い雪がぼとぼと降り積もり,夜中に固まって
モナカっぽい雪になる感じ…かもしれません.
しかし,FZCX50の右上のスプレッド,24日を見ると,
まだ北海道のあたりでばらつきが大きい状態なので,
これからの予報で寒気が強くなるかも???
それを期待しましょう!

 
 
 
データーは読むもの (パウダー爺)
2008-03-21 10:24:42
>これからの予報で寒気が強くなるかも???
>それを期待しましょう!

読解力に脱帽です。
素晴らしい。
「爽やか」さえ、憶えます。

「データーは見るものでなく読むものである」
とは、Sさんの為のセリフですね。

本日の高層天気図にSさんの予想が見事に的中。
凄い、ですね。

もう少し様子を見て、
確率次第では、もう一度ニセコに出向きたいので、
御高察なアドバイスを宜しく、お願い申し上げます。

Sさんのお力添えで、高層天気図の活用を知り、
今年はかなりの確率で新雪に出会えました。
心から御礼申し上げます。
お会い出来たら「固く抱擁」をしたい様な気持ちです。
本当に、本当に、有難う御座居ます。
 
 
 
またまた遅くなりました (S)
2008-03-24 00:10:19
すいません…また遅くなりました。
なんだか、お褒め頂いているのでしょうか(^^;
何かのお役に立てて喜んでいただけたのなら
幸いでございます。

しかし残念ながら、24,25日はやはりパウダーは無理な
天気になりそうですね。
雪になってもどぼどぼした雨っぽい雪、下手すれば雨です。
23000UTCのFXFE5782の右下を見ますと、850hpaの温度、
24日午前9時にニセコでも+3度くらいですから…
25日から微妙に冷えだすようですが、それでも
FXFE5784の
右下をみると、ニセコは-3度までも冷えてませんし…
また、太陽も拝めません。視界も悪そうです。
ということで、残念ながら24,25日はスキー日和
とはいいがたい感じです…

29日以降、ひえ始めるようなので、それ以降が
どうなるかを
見守った方がよさそうです。
 
 
 
お帰りなさい。 ( パウダー爺)
2008-03-24 13:41:55
スキーは如何でしたか?

はい、29日以降に期待致します。

三ッほど、教えて下さい。

1.3/23_FZCX50の右下のクラスター平均の
地名の直ぐ右にある、0±12の表記は何を現していますか?

2.3/23_FZCX50の右上の特定高度線が二つのグループしかありませんが、
5880.5700.5340のどれが表記されていますか?

3.3/23_FXXN519の850hPaで、マイナス何度の線が北海道を包めばニセコが大体雪かなと判断出来ますか?

宜しく、お願い申し上げます。
 
 
 
ご質問にお答えします (S)
2008-03-25 01:10:04
春ですねぇ…
高層天気図からも春の気配が漂っていますが,
ゲレンデも春の陽気でしたねぇ…

さて.いただいた三つのご質問にお答えします.

1.0±12のグラフは,平年の気温との差を表します.
 つまり,2008年3月23日12UTCのFZCX50では,23日は
 平年より12度以上あったかかったことになります.
 …ありえない.暖かすぎです.夏の陽気ですね.

2.5700と5340です.5880mは夏の太平洋高気圧が
 日本付近に張り出してくると見える高度線ですので,
 この線が日本付近にかかってきたら「ああ,夏だなぁ」
 と感じ,5340が日本にかかると「ああ,冬だなぁ」
 と感じます.
 というわけで,この時期はまだ5880は南のはるかです.

3.FXXN519の850hpaですが,地上気温によりますけど,
 ニセコでは最悪でも0度を切ってくれないと雪に
 ならないと思います.
 -3℃を切ってくれば間違いなく雪です.
 -6℃を切ってくれば,そこそこの雪質でしょう.
 標高2000m近いスキー場では,850hpa(だいたい
 高度1500m)より500mほど標高が高く,850hpa面より
 スキー場の温度が低くなるので(大体3℃くらい低いかな)
 850hpa温度が多少プラスになっていても雪になるの
 ですが,ニセコの標高は1500m以下,大体500m~1000m
 の範囲に広がってますので,850hpa(1500m)の
 気温よりニセコの気温の方が3℃ほど高いことに
 なります.
 雪雲の高度での気温が氷点下であれば,スキー場の
 気温がプラスでも雪になりますが(かなり霙っぽい
 雪になりますけど…),雪雲の高度,1500m程度の
 気温がプラスでは雪は期待できません.

 ちなみに,500hpaの-36℃線が北海道にかかれば,
 ニセコは「大雪」になると予測できます.
 
 
 
3/30の予想は? (パウダー爺)
2008-03-25 07:48:30
御返事を、本当に、有難う御座居ました。

3/24_FZCX50と、3/24_FXXN519から、3/30に期待しますが如何でしょうか?

1.FXの850hPaで3/29と3/30が蝦夷の地が-6(アドバイスの高度補正で-3)に入っている。
2.左の500hPaの5340の形が気になります。
3.FZの右の降水予想に日本海側に50%や90%がある。
4.下のクラスター平均の3/29と3/30が±2にある。

それから、
>ちなみに,500hpaの-36℃線が北海道にかかれば,
>ニセコは「大雪」になると予測できます.
これは、どれを見れば良いのでしょうか?
 
 
 
29日あたりが狙い目ですが… (S)
2008-03-26 01:23:55
花粉が…花粉が飛んでますね。
あまりのひどさに能力50%ダウン中です。

25日現在のFXXN19(24日12UTC)を見ると、
確かに850hpaの気温はいい感じに冷えてます!
しかし、残念ながら24日のFZCX50(23日1200UTC)に
あった降水域は、25日のFZCX50ではなくなって
しまいました。
現在、FZCX50の右上、28~30日の5340mのスプレッドが
大きく、どのあたりの位置をいつ低気圧が通過するか
予測が立てにくく、予報の日替わりが大きい状態に
なっています。
この低気圧が上手く北海道を通過して積雪をもたらして
くれれば、この低気圧通過後が一つのねらい目なのですが…
現時点では、25日1200UTCのFXFE507による、28日午後9時
の予測では、低気圧は東北南部を通過し、東北には
雪をもたらしそうですがニセコはほとんど降水がない
予測になってます。
さらに、FXFE577によると、新潟付近の上空には
この時期としては強いー36度の寒気が入ってます。
新潟のスキー場は季節外れの大雪に見舞われそうな
天気図です。
…しかし、残念ながら北海道は低気圧と寒気の中心から
外れてしまっています。降水がそれほどないのが痛い。

…ただ、チラッと書いたように、まだ28日以降のスプレッドが大きい状態なので、このFXFE507,577の
予測図は外れる可能性も大きいです。
寒気中心がもう少し北にずれれば、ニセコは大雪です。
それに期待しましょう…。

で、ご質問の500hpaの-36度線ですが、
FXFE5782、5784、577の3種類の天気図の
上半分の図面に描かれています。
ただ、FZCXやFXXNには乗っていませんので、
3日先までしか分かりませんが…

あ、あと、高層天気図を読む手助けとして、
http://n-kishou.com/ee/exp/exp.html
のページの下のほうにある
「週間予報解説資料」も役に立ちますので、
読んでみると面白いですよ。
 
 
 
スプレッドって? (パウダー爺)
2008-03-26 18:48:13

花粉症ですか。
大変ですね。
お察し申し上げます。
ご自愛下さい。

昨日、常用のデスクトップが壊れて、真っ青。
ノートブックで書いています。
貴殿のアドレスが判らず、
「高層天気図  Sさん」で、ググたら、
トップにヒットして吃驚しました。

 短期予報解説資料
 週間天気予報解説資料
 全般季節予報支援資料
全部印刷して、三回読みました。

スプレッドと、
FXFE507,577 に出てくる、[C] [W] について、
優しく説明戴けますか?

 
 
 
ここは私のブログでは無いのですが… (S)
2008-03-27 01:21:29
このページは,「高層天気図 スキー」で検索しても
トップに来ますよ!
その1,その2で検索結果の1,2フィニッシュです(^^;

さてさて.
 短期予報解説資料
 週間天気予報解説資料
 全般季節予報支援資料
全て読まれたとのこと…
あまりの向上心に感動しています….
すごい….
これを三つとも読むだけで,かなり
難渋されたかと思うのですが…
この資料は,専門天気図が一通り読める人を前提に,
専門用語バリバリで書かれてますから.
これらに書いてあることがある程度わかるように
なったら,天気図解析がさらに面白くなってきます.
最初のうちは,「内陸部も雪となる可能性」とか
書かれているような,理解しやすい情報を参考に用いる
程度に読んでおけば良いかと思いますが…
で,何度も繰り返し出てくる用語を検索してみて,
徐々に知識を増やしていけば,いずれすらすら読めるようになります
(私は1年くらいかけてじわじわやりました)

さて.
スプレッドとは,すごく簡単に言えば「予想のばらつき」です.

分かりやすく,具体的に書いてみると…
コンピュータで今後の予想を計算するときには,
現在の大気の状態をコンピュータに突っ込んで
今後の動きを計算させるわけですが.
このとき,現在の大気の状態からごくわずかに
ずらした
モノもいくつか作っておき,これらも一緒に計算させます.
で,初期値を変えたこれらのばらつきがどのくらい大きいか,を示すのがスプレッドです.

例えて言うなら…
バッターが打った打球がどこに飛ぶか,コンピュータに
計算させるとします.
打った瞬間のボールの向きと,速度が正確に分かれば,
打球がどこに飛ぶかは計算できますよね.
しかし,打った瞬間のボールの向きと速度を測定しようと
しても,測定には誤差が含まれますので,
完全に正確な予測は不可能です.
そのため,打った瞬間のボールの向きと速度の
測定にある程度誤差があるとして,向きと速度を
誤差分だけちょっとずつずらした値で何通りか計算してみる,というのが数値予測の基本的
考えです.

ここで,ありえない仮定ですが,球場の右半分(ライト側)は
ライトからセンター方向へ,左半分はレフトからセンター方向へ,
すなわち,どちらからもセンターへ集中するようなすごい
風が吹いていたと考えましょう.
そうすれば,打った瞬間の打球の方向に多少の誤差を
加えても,飛ぶ方向はセンターのほうに集中するので,
初期値を変えて予測した全ての計算結果が
大体同じ所を指しますよね.
これがスプレッドが小さい場合.

逆に,センターから両側に分かれるような突風
が吹いているような条件なら,初期値をわずかに変えて計算した結果は,全く違うボールの到達地点を指し示してしまいます.
これがスプレッドが大きな場合に匹敵します.

ということで,スプレッドが大きい局面は,
天気予報が外れやすく,小さい場合は天気予報が
当たりやすいと言えます.

FZCX50の右上で,特定高度線が何本も引いてあるのは,
それぞれ初期値を微妙に幾通りかに変えた場合の
計算結果の違いをあらわしているのです.

この線が大体まとまっていれば,スプレッドは
小さい局面です.
なんか分からないほどむちゃくちゃにばらついていれば,
スプレッドが大きい局面で,天気予報が当たりにくく,
次の日のFZCX50をみて大きく値が変わってしまっている,
ってことがよくあります.

…スプレッドを,すごく優しく説明してみました.多少くどかったかもしれませんが,ご容赦を…

もし,理系な方であれば,非線形な複雑系で
ある大気循環モデルにおいて,
現在の状態が初期値鋭敏性が大きい領域か
否かを表しているのがスプレッドの大きさだ,
って説明でご理解いただけるかと.

あと,[C] [W]ですが,FXFE57xにでてくる
これらは,
空気の冷たい部分が[C]
空気の暖かい部分が[W]
です.
低気圧を[L],高気圧を[H]で表しているようなもので,周囲に比べ空気が暖かい領域,
冷たい領域を示します.

…こんな感じでいかがでしょう??
 
 
 
追記 (S)
2008-03-27 01:27:40
あと,以前の特定高度線,

『2.5700と5340です.』
と書きましたが,5700と5400の間違いでした…
FZCX50の右上の図面に描いてある線,なぜか5340mと勘違いしてました.
訂正させていただきます.
 
 
 
新雪は終わりです。(*_*) (パウダー爺)
2008-03-27 18:58:47
いつも難しい問題を優しく説明下さり、
本当にありがとうございます。
とても参考になりました。

実は、今年の新雪は終わりになりました。
月末の「ひょとすると」の降雪の為に、
僕が通ってる蝦夷の地の「パウダーフリークの聖地」に
何時までリフトを動かすのかと聞きましたら、なんと今年は3/31で終わりだそうです。
何か諦めが付きました。

僕の夢を壊さないために、Sさんが常に先に降雪があるかも知れないと予測下さった優しさにはいつも感謝していました。

叉、11月頃からお世話になりますが宜しくお願いいたします。
本当に、色々と、ありがとうございました。
スキーは夏に上手くなるといいますから御精進下さい。

    それでは、また。
 
 
 
天気図解析も夏に上手くなる?? (S)
2008-03-28 01:20:21
あらららら~
今シーズン終わりですか!!
28日夜から29日にかけてが,これからのねらい目
だったのですが…

私はあと3ヶ月ほど,シーズンが続きます.
6月いっぱい,月山まですべる予定です.

さて.スキーは夏に上手くなるとのお話ですが,
天気図も夏の高層天気図を読んでいれば,
「ああ,夏の空気ってこんななんだ」と
分かるようになり,11月ごろに「をを!
冬の空気が入ってきた!これはすごい!」
って感じるようになってきます.
ということで,天気図も夏の間,目を
通し続けていると,良いかもしれません.

今シーズンはお世話になりました.
また,来シーズンお会いしましょう~
(^_^ /~
 
 
 
残雪と若葉の月山 (パウダー爺)
2008-03-28 07:17:00
>6月いっぱい,月山まですべる予定です.
わー、懐かしい。
残雪の白と、若葉の新緑が鮮やかに思い出されました。
8月や9月ですと、幅50m長さ200m位が沢に残りそこを滑りました。
山菜の美味しさも格別でしたね。
残雪を求めて、立山や針ノ木雪渓にも、出向きました。
本当のオフは十月だけだったような青春時代?でした。
今の夏はウインドサーフインです。
それも、加齢には勝てず海から湖で、セールも小さくしました。
とほほであります。

>28日夜から29日にかけてが,これからのねらい目
>だったのですが…
うーむ、うずうずしますね。
その狙い目が「どの天気図にどう現れるのか、」
簡単な実況中継などお願い出来ませんでしょうか?
読解力を蓄えたいので是非、是非。
 
 
 
4月1日もねらい目 (S)
2008-03-28 23:36:16
時間がないので取り急ぎ。

27日1200UTC発表のFXFE502、504、5782,5784から読み取りました。

まず、FXFE5782の右下から、28日午後9時の850hpa気温がー6度以下、FXFE502の右上から
ニセコに降水域がかかっているのが読み取れるので、28日夜はそこそこの雪質の雪。

で、FXFE5784の左下から、29日朝9時の850hpaで、ニセコの気温はー9度。右下でもー6度と、上空の寒気は持続します。で、FXFE504の右上でも降水域がかかってるし、FXFE502の下側2枚の地上天気図の風向きを見ても北風が続いているので、地上も冷え込み、いい雪が降るだろうと読めます。

3日以内の短期的な予測なら、FXFEシリーズを使うのが正確です。

あと、FZCX50の4月1日の500hpa図と相当温位の形、FXXN519の4月1日の850hpa等温度線を見ると、31日夜から1日にかけて、冷え込んで日本海側に雪が降る時の独特の形をしています。
詳しく話すと長くなりますが、FXXNの当温度線の低い温度の部分が、北海道をすっぽり覆ってるのがいい感じじゃないですか?


 
 
 
31日夜から1日にかけて (パウダー爺)
2008-03-29 21:56:32
ご多忙を知らず我が侭を御寛恕下さい。

とても参考になりました。
Sさんが読まれた、
FXFE502,504,5782,5784とFZCX50,FXXN519の六枚と、
解説文を印刷し、半日味読して楽しませて戴きました。

本当にありがとうございました。
重ねて、御礼申し上げます。

>31日夜から1日にかけて、冷え込んで日本海側に雪が降る時の独特の形をしています。
この部分の実況中継を明後日か、明明後日、来年の為のスキルの為に、もし時間が取れましたら、お願いしても宜しいでしょうか。
 
 
 
またまた遅くなりました (S)
2008-03-31 01:36:21
ニセコの情報を調べると,28日夜から29日は予想通りかなり冷えたようですね.
ただ,降雪が数cmしかなかったようですが….
冷えて,雪質が良い雪が降る,というところまでは当たりましたが,やっぱりFXFE50xシリーズで降水量の表現がほとんどなかったということで,積雪量が足りませんでしたか….

FXFEシリーズ,半日味読ですか!!!!
すごいですね.
情報量が多くて楽しい図面です.
特に,FXFE57Xの上半分の湿数と,気象衛星の水蒸気画像(赤外画像じゃないですよ!水蒸気画像です)を見比べると,これも1時間くらい楽しめます.
どこに冷たい空気が入って,どこに暖かい空気が入って…っていう空気の動きが読めますから.
前にも一度書いたと思いますが,水蒸気画像の黒く写っているエリアと湿数が大きいエリアが対応して,ここが冷たい空気が流れ込んでいるエリアになります.
湿数が大きな空気が,湿数の小さい縞模様エリアにぶつかっているあたりでは,冷たい空気と暖かい空気が押し合って前線となり,降水が生じているのが確認できるかと.

さて.ご質問の31日夜から1日にかけて,日本海側が雪になると断定した根拠ですが….
うーーーん.
これは話すと長くなる物語なんですよ.
さらに28日時点の図面は持っていないので,ちょっと説明が難しいのですが…

まず,降雪を予想するには,
「気温」

「降水量」
の予測が必要です.
で,これまでFXXN519の850hpa気温やFZCX50の降水予想,さらにはFXFEシリーズから,これら気温と降水量の動向を読み取るエッセンスをお伝えしました.
しかし,あくまで,気温と降水量は高気圧・低気圧といった気圧系がもたらす「結果」です.

さらに精度が高い降雪予測をするには,
「低気圧がどう動くか」
「低気圧がどのような大気の動きをもたらすか」
という,気温・降水量の変化をもたらす「原因」にまで踏み込む必要があります.

詳しい説明は本でも読んでいただくとして,
要点だけ書きますと,
・暖かい空気とつめたい空気が押し合うところに低気圧が発生する.
・低気圧は大気の左回りの渦である(渦度が正)
・そのため,低気圧の東側は南からの暖かい空気が,低気圧の西側は北からの冷たい空気が吹き込む(東側に温暖前線,西側に寒冷前線を伴う)

で,
○500hpa等圧線が南に向かって出っ張っているところ(トラフ)が,低気圧をもたらす(大体トラフの先端,東側に低気圧ができる)
○FZCX50の左から2列目の図で,相当温位の線が密集しているところが前線.密集度が強いほど強く空気が押し合っており,降水も多い
○で,相当温位の集中している部分が北に向かって折れ曲がっていると,そこの頂点が低気圧.北に強く折れ曲がり,線の密集具合が強いほど強烈な低気圧

すごい基礎的なことしか書いてませんが,
これから28日のFZCX50を読み解いたところ
●31日から1日にかけて,低気圧が日本上空から日本東側に抜ける.
●さらに,1日は日本の東側でかなり強烈に低気圧が発達する(相当温位の折れ曲がりがきつく,線の密集具合はここしばらくなかったくらい)
●この低気圧の発達は,北海道上空を通過するトラフによるもので,FZCX50によるとこのトラフの中心は5200m程度と高度が低い=気温が低く,このトラフからの寒気が上空に流れ込むことで低気圧が発達している.(FXXN519を見ても,この低気圧の東側の暖かい空気が北上するより,むしろ低気圧の西側の冷たい空気が南下する傾向が強い.要するに,冷たい寒気ががんがん供給されることで低気圧が発達している)
●で,その冷たい低気圧が猛烈に発達して日本の東側にあるので,日本は北~北西の風ががんがん吹き込む,典型的な冬型の気象となる.上手く行くと,1日には日本海に筋状のふきだし雲が見えるかも…

というストーリーです.
低気圧の接近時には,低気圧の東側の温暖前線があったかい空気をもたらすので気温が上がるため,31日午前中くらいは気温が上がるかもしれませんが,今日のFXFE5782を見ると,低気圧は日本の南を通過して東に抜けるので,暖かい空気を日本上空にもたらさずにすむようです.

この,低気圧が接近する前に暖かい空気が入って暖かくなり,通過すると冷える,という傾向は,例えば今シーズンなら12月29日に雨が降って,29日午後から猛烈に冷えて大雪,とか,
そのほか1月12日の雨,最近で言えば,この3月29日に強烈に冷える前に全国的に雨が降ったことなどに見られます.

さて.パウダー爺さまはもう基本レベルはマスターしまくっているので,ここから先はかなりディープな世界になってきます.
トラフと低気圧の動き,シアーラインと前線といったミクロなところから,大気循環のテレコネクションパターンといったマクロなところまで,知れば知るほど面白い世界があります.

私も専門家ではないので,あまりディープな所は分かりませんが,またこれらで気になるところがあったら尋ねてください.
分かる範囲でお答えします!!
 
 
 
深謝 (パウダー爺)
2008-03-31 16:35:09

長文に解説に深謝いたします。
冴えた乗りの良い文面から花粉症が少し良いみたいですね。
でも叉、パウダー爺のお陰で悪くならなければいいのですが。(^o^)

超参考になりました。

特にデーターを [結果] として [静的] にとらえないで、
変化をもたらす [原因] を探る [動的] な視野で読む事の重要さは、
深い示唆と含蓄に富むアドバイスで目が覚めました。)^o^(
ありがとうございました。

叉、降雪を如何に予測したか!のステップ・バイ・ステップの説明に
Sさんの試行ロジックが拝察され、
これが叉、至宝であります!
本当に、ありがとうございました。

三月の頭に、高層天気図の読み違えで、半月も蝦夷にいて怒られました。
しかし、FXXN519 の下段を見せて、
「寒気が来るから、行ってくるね」は、説得力が絶大です。ありがとう。(^o^)
来年は更にヒット率を上げ、愛妻を余り寂しくさせないようにしたいものです。
お力添えを程を、宜しくお願い致します。(^o^)
 
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