Skier's High-High
サンタバーバラから帰ってきました!
しばらくはリハビリ中・・・。
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S氏のお天気シリーズもいよいよ最終回です。
皆さんも高層天気図が読めるようになりましたか?
今年の冬はこれでバッチリですね!

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「これから降るのは雨?雪?
高層天気図を読み解こう その6」

…「難解だ」と不評だったこのシリーズ.
あまりの不評さに,前回で終わりにしとこうかな??
と思ったけど,前回の終わりで次回予告をしてしまい,
ちと尻切れトンボなので,非難覚悟で最後の仕上げだけ
書いておきます.
(あぁ!読者が減ったらごめんなさい>nobu氏)

その前に,今日の高層天気図をざっと見ておきましょう…

今日の500hpa天気図を見ると,-18℃の線が東北まで
北上,日本南部には-12℃の空気が入ってます.
12月中旬ではありえない暖気です.


前回,先週の木曜日に
「あちゃー.13,14日は暖まるかも.
さらに,右上の図を見ると,13日は降水域が信州に…
これだけ暖かそうで,ふるってことは雨か??」
と書きましたが,予想通り気温が上がっています.
標高のかなり高いスキー場を除くと,今日昼間に
降るのは雨になりそうです.夜になって,多少気温が
落ちればぎりぎり雪になってくれるかもしれません.
今のところ,まだ降水量はないようですが….
どちらにしろ,今日は気温が高めです.

しかし,FZCX50を見てみると,期待が持てます.

一番左の列の「500hpa高度と渦度」の17日,18日を
見てみてください.5340mの線が南に垂れ下がっており,
17日から18日にかけて,日本上空をそこそこ強い寒気が
通過します!
17日から18日にかけて,降ります!雪です!
冬型になります!
…ただ,それも長続きしそうにないですが.
20,21日と,5340mの線が北上して,日本南岸に
雨域が広がると言う,南岸低気圧特有のパターンを
示していますので,また雨か雪か微妙な気温に
なりそうです….

ということで,長いイントロダクションは終了.
早速本題に(実はここからが余談かも)に入ります.
といっても,これ以上詳細を話していくとマニアックに
なりすぎるので,300hpa図で言い残した部分だけを
簡単に….

前回,300hpa図でジェット気流の場所が読み取れる,
という話をしました.

実は,このジェット気流が北に向かうところでは,
地上では低気圧が発生する,という現象があります.
ええ.低気圧が発生するんです.
何でかって?
何でか…知りたいですか?
…話すと長くなります.
まじめに書くと読者が読むのをあきらめそうなので,
そんなもんだと思ってください.
「ジェットの北上部では,地上で低気圧ができやすい」と.

…知りたい.そうですか.
では,この部分は知りたい人だけ読んでください.
(こういうことを書くから難解と言われるんだぁ!
というツッコミが聞こえる!聞こえてくるょ!)

--------ここからスキップしたほうが幸せだよ~ -----------
とりあえずエッセンスだけ.
コリオリ力と気圧傾斜,遠心力の合力により,北半球では左に
カーブして吹く風のほうが風速が遅くなり,右にカーブするほうが
風速が早くなります.北半球のジェット気流は,左にカーブして
北上した後,右にカーブすることになります.
このため,北上部分では吹き込む部分の風速が遅くなり,
北上が終わった部分の風速が早くなります.
このように,吹き込む空気より出て行く空気のほうが多くなり,
空気の量が減ってしまうため,地上では低気圧が発生します.
---------ここまでスキップしたほうが幸せなエリア----------

さて.ジェット気流が北上するところとは?
すなわち,冷たい北極の空気が舌のように張り出した
東側になります.

ここまで書けばお気づきかと.
冬型で西高東低になるのは,日本上空にちょうど北から寒気が
降りてきたと考えてください.
その寒気の周りには,亜熱帯の空気とぶつかるジェット気流が
吹いています.ちょうど,日本を取り囲むようなU字状に吹くことに
なりますね.
そうすると,

図3のように日本の東側でジェットが
北上する形になりますので,日本の東側に低気圧が
発生します.
すなわち,日本の上空に寒気が入ってくると,
東側に低気圧が発生し,逆に寒気の西側では
高気圧が生じるために,西高東低になるんです.

寒気が入る⇒ジェットが日本の東で北上⇒
西高東低⇒大陸から低気圧に風が吹き込む
⇒日本海で湿気をたっぷり吸い込む⇒日本に
ぶつかり雪になる,
という,風が吹けば桶屋が儲かる的なロジックで,
日本に寒気が入れば,日本海側で雪が降ることに
なるんです….
西高東低になったから冷えるんじゃなく,冷たい
空気が入ったから西高東低になるんですよ!

…今日の内容は,スキーヤー向けの話からちょっと
マニアックに行き過ぎましたね.
ということで,スキーヤーが待ち望む,冬型の
気圧配置はなぜできるのか,という説明をもって
今回の「高層天気図を読み解こう」シリーズは
これで一旦終了です.
今回はスキーヤー向けに,「これから冷えるのかどうか?
雪が降るのかどうか?」という点のみに絞って書きましたが,
高層天気図にはこれ以外にもいっぱいあり,読み取れる情報は
多いです.
750hpa図と800hpa図,地上図を見比べれば,低気圧が発達段階に
あるのか否かが読み取れたり,さらにこれらと気象衛星の
画像の赤外画像と水蒸気画像を見比べれば,いろいろ面白い
ことが分かります.
ホントはそこまで説明できるとおもしろいんですが,
あまりにもマニアックすぎて読者がついてこれない気が
する….

おそらく「高層天気図 解析」とかでweb検索をかければ,
いろいろ解説したページが引っかかるんじゃないでしょうか.
webって便利ですね.

ということで,皆さんもこれから高層天気図をみて
一喜一憂してみてください.


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「今日」でなく12月13日午後9時の天気図 (S)
2006-12-15 18:40:04
すいません.
このネタを書いたのは昨日(木曜日)の朝だったので,
「今日の天気図」は,13日午後9時の天気図です….

昨日,今日と,気温が高めの日が続きましたが,
この週末は冷え込みます.期待しましょう!

 
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