公認会計士による税金・会計スーパー講座

複雑、難解な税金・会計について初歩から資格試験、実務に至るまで懇切丁寧に解説していきます。

そもそも税金とは?(第2回)

2005-01-15 21:18:21 | 税金の意義について
前回は、税金の話を進めていく前提として、そもそも私たち国民がなぜ税金を払わなければならないか?について検討しました。今回はその続きです。



フィル  「前回は、そもそも私たちはなぜ税金を払わなければならないか?という普段あまり考えないようなことを検討してきたわけだけど、今回はこの点についてもう少しだけ話を進めようと思うんだ。」

 ラリー  「分かりました。よろしくお願いします。」

 フィル  「まず前回の復習から始めようか。税金というのは国が国民に様々な形で便益を提供する見返りとして国民からとるものなんだよね。少し難しく言うと、税金は国民が享受する便益の対価ってことなんだ。国民の社会への参加料と言う人もいる。」

 ラリー  「社会への参加料ですか・・・何となく分かったような分からないような・・・実際、僕の場合、普段の生活で社会に参加してるなんていう意識ないですよ。」

 フィル  「いや、普通はそうだよ。でも前回話したように道路ひとつにしても私たちは実際に利用してるわけだし、その利用料は払わなきゃならないってことだよね。」

 ラリー  「なるほど。つまり僕たちが普段道路を利用できるのは国に税金という形で利用料を払ってるからなんですね?」

 フィル  「そのとおり。そう考えると税金を払うのもある程度仕方のないことだと思うでしょ?」

 ラリー  「まあ確かに・・・でも道路については納得できましたけど、税金の使いみちってそれだけじゃないですよね?例えば防衛費なんていうのに税金を使われるのはどうも納得できないです。別に僕、自衛隊に世話になったことなんてないし・・・」

 フィル  「確かに直接的には世話になってないけど、もしどこかの国が突然攻めてきたら誰がラリー君を守ってくれる?悪いけど私は君を守れないよ。そうなった場合、結局頼りになるのは自衛隊なんじゃないかな?今の日本は平和だから、他国が攻めてくるなんて想像もできないだろうけどもし万が一のことがあってからでは遅いんだよ。だから、防衛費っていうのは私たちの将来の安全のためどうしても必要とされるわけなんだ。まあどれだけ防衛費をかけるべきか?っていうのは議論のあるところだけどね。」

 ラリー  「そうか、僕たちが払った税金というのは結局は僕たちのために使われるってことなんですね?」

 フィル  「ようやくその考えにたどり着いたようだね。税金は確かに極力払いたくないけど、実際私たちは様々な恩恵を受けてるわけだから、ある程度負担するのはやむを得ないってわけだ。ただ、注意しなければならないのは私たちは汗水たらして税金を払ってるわけだから国はその税金をちゃんと有効に活用しなければダメだよね?われわれ国民も国が適正に税金を活用しているかチェックする使命があると思うよ。」

 ラリー  「僕も同感です。税金の無駄遣いっていう言葉もよく耳にしますしね。」

 フィル  「そうだね。国がちゃんとしなければならないのは当然だけど、国民も税金についてもっと関心を持つべきってことかな。それじゃ、今回はこのくらいにしよう。」

 ラリー  「はい、次回もよろしくお願いします。」

コメント (0) |  トラックバック () | 

そもそも税金とは?(第1回)

2005-01-13 19:48:51 | 税金の意義について
 はじめまして。本ブログでは税金・会計全般に渡って初歩から丁寧に解説してまいります。税金・会計に関する書籍はたくさんありますが、その多くは「法律ではこう規定している。」とか「通達ではこう規定している。」など、ある意味、表面的・形式的な記載に留まっており、「なぜそのような規定が置かれているのか?」という、いわばその規定の趣旨については詳細に記載されているものは極めて少数です。しかし、規定の趣旨というものを理解していなければ、実務に柔軟に対応していくことは難しいと言わざるを得ません。税金は毎年のように改正がなされますが、その基本となる考え方は普遍のものです。「根本」を理解していれば、どんなに改正がなされようとも恐れるに足りません。

このことは税理士試験や公認会計士試験を始めとする各種試験を受験する場合にも当てはまります。こういった試験も問題形式は多様ですが、結局、各科目の「根本」を聞いてるに過ぎません。もちろん試験である以上、計算上のテクニックやスピードも要求されますが、あくまでもそれは「根本」の理解の上に成り立つものです。逆に言えば、「根本」の理解が進むほど、問題を解くスピードは自然と上がってきます。

本ブログでは、一般に市販されている書籍には書いていない「根本」の解説をしていきます。最初は初歩のレベルからスタートしますが、徐々にレベルアップしていき、その中で実務上の問題や税理士試験、公認会計士試験などの問題も検討していこうと考えています。

前置きはこのぐらいにして、今回はまずプロローグとして、税金一般の話から始めたいと思います。 



税金というと、一般には複雑で難しいというイメージがあると思いますが、それ以上に、税金というと、「できることなら払いたくない。」とか「払う義務があるから仕方なく払う。」といったマイナスのイメージをお持ちの方が大多数なのではないでしょうか?もちろん私もその大多数のうちの一人です。 それでは、私たち国民はいったいなぜ税金を払わなければならないのでしょうか? 

 以下では、税金の専門家のフィル先生と、税金について初心者の学生のラリーの会話を通してこのことを考えて行きたいと思います。

ラリー  「先生、今日は税金についていろいろ教えていただきたいのでよろしくお願いします!」

 フィル  「こちらこそ、よろしくね。」

 ラリー  「それでは早速なんですが、そもそも何で我々国民は税金を払わなければならないんですか?」

 フィル  「それは簡単な質問だね。何で税金を払うかっていうと我々国民には納税の義務があるからだよ。日本国憲法にもそう書いてある。」

 ラリー  「それって理由になってないんじゃないですか?法律に書いてあるからっていうのはちょっと説得力ないですよ。」

 フィル  「やっぱり納得してもらえなかったか・・・確かに理由になってないよね。それじゃあ国は何で国民から税金を取る必要があるんだろう?」

 ラリー  「ん・・・社会保障費や防衛費などの財源として必要なのかな?」

 フィル  「いきなり難しい言葉が出てきたな。ちょっとビックリだね。でも何で国民みんながそうした費用を負担しなければならないの?」

 ラリー  「何でって言われても・・・」

 フィル  「税金のことは置いといて、ふつうラリー君が何かお金を出費するのはどういう時か な?」

 ラリー  「例えば、買い物したり、電車に乗ったり・・・たくさんありますよ。」

 フィル  「じゃあ買い物したり電車に乗ったりするとき何でお金を払うの?」

 ラリー  「だって払わなきゃ捕まっちゃいますよ。」

 フィル  「いや、そういう意味じゃないんだ。つまり、ふつう人がお金を払うのは、払ったお金に見合う見返りがあるからなんじゃないかな?」

 ラリー  「そりゃそうですよ。当たり前じゃないですか!」

 フィル  「じゃあ税金の場合はどうだろう?何か見返りってある?」

 ラリー  「見返りですか・・・うーんよく分からないです。」

 フィル  「それじゃ僕から質問するけど、ラリー君は今日ここまでどうや って来たの?」

 ラリー  「自転車ですけど・・・でも自転車は自分で買ったんですよ。」

 フィル  「じゃあ自転車に乗ってどこを通ってきた?」

 ラリー  「どこって、いろんな道路を通ってですよ。」

 フィル  「その道路っていうのは誰の道路?」

 ラリー  「誰の道路って、道路は公共のものなんじゃないですか?」

 フィル  「そうだよね。ところで高速道路を利用するときは高速料金を払うけど、一般の道路の場合はそんなことしないよね?」

 ラリー  「確かにそんなことをしたことはないですし、聞いたこともないです。それがどうかしたんですか?」

 フィル  「あのね、これは覚えておいてもらいたいんだけど、人が何かしら見返りとか利益を得る場合、基本的にはお金が必ずかかるってことなんだ。言葉悪く言うと、世の中タダで何かをしてもらえるほど甘くないわけよ。タダほど恐いものはないとも言うしね。だから、そう考えると一般の道路もみんな何気なく使っているけど、タダで使えるってわけじゃないんだよ。ただ、高速道路のように誰がどれだけ道路を利用したかを把握するのは無理だから、税金という形で国民から使用料をとってるわけ。つまり国は目には見えづらいけど、税金をとる見返りに国民に対して道路を利用できるなどといった利益を提供してるってわけだね。ちょっと分かりにくいかな?」

 ラリー  「なるほど。何となく分かってきた気がします。」

 フィル  「本当に分かった?まあ今日は第1回目だから、これくらいにして続きは次回にしようか。」

 ラリー「はい、分かりました。」        

        








コメント (0) |  トラックバック () |