メランコリア

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『泣いたら死がくる』 眉村卓/著(角川文庫)

2017-06-15 12:08:23 | 
『泣いたら死がくる』眉村卓/著(角川文庫)
眉村卓/著 カバー/木村光佑、本文イラスト/谷俊彦(昭和56年初版 昭和58年5版)

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この表紙もイイ タイトルもキャッチー
イラストもたくさん入っていて嬉しい

読んでいると、所々に学生時代に読んだ時の記憶のかすかな片鱗が漂うのを感じたけれども
やっぱり新鮮な気持ちで、読み始めたら止まらない面白さ


[カバー裏のあらすじ]

暗黒連合──それは全世界をはじめ、月世界や火星にまでも根を張り、果ては、全ての征服を企む、強大なギャング組織であった。
そして今、警視庁秘密捜査官の太刀川丈一は、暗黒連合の下っぱに化けて、その本拠をつきとめる指令を受けた。
以前、両親をやつらのために殺された丈一は、復讐のために命を賭ける!
未来警察の捜査員が活躍する、SEハードボイルド・アクションの傑作!
他に「アンドロイドをつくるロボット技師」など収録。



あらすじ(ネタバレ注意

「泣いたら死がくる」

超音波メスで皮膚を剥がし、人工皮膚移植をし、顔に丹念に貼り付けられてゆく

太刀川丈一(JS一二八号)は、暗黒連合の下っ端・中村国夫ソックリになった
我々は、全世界、月、火星にも根を張るギャング組織をぶっ潰さねばならない
丈一にとって最初の仕事だった

室井チーフ

「どんなことがあっても同情心を起こしたりしてはいけない
 泣いたら死がくる それが、秘密捜査官の仕事なのだ」



丈一は、まだ学生だった3年前を思い出す
数名の男が、笑いながら、レーザーガンで警官を脅していた
暗黒連合、警察署の1つくらい吹き飛ばせるだけの組織と、科学力を持っている

数年前、彼の両親は、暗黒連合のとばっちりを受けて殺された
おめおめと引き下がりたくはなかった

そこにミニコプターが舞い降り、男が丈一を助けて逃げる



「やつらのライトには立体カメラが仕掛けられている
 君は抵抗したメンバを殺したことで、身元を調べられ、消されるだろう
 私たちの仕事を手伝う気はないか? 君の境遇と勇気があれば、きっとできる」

彼は秘密捜査官だった
彼らは、警官にさえ身元を明かすことはできない
失策により命を失っても文句は言えない

丈一は、3年間、ありとあらゆる知識と技術を叩き込まれ、死に物狂いで頑張った
見込みなしと判断されれば、記憶消去手術をされて放り出される



酔っ払ったフリをして、警察署から出ると、中村国夫と同格のアキラというチンピラが待っていた
「また飲んだくれて暴れたらしいじゃないか 大きな仕事があるんだ 行こう」

怪しまれないために、中村国夫ならどうするだろう
「ちょっと子どもの顔を見てくる」

国夫の妻は4年前に死に、一人息子の俊男と二人暮らし
俊男「どうしたの? 今日はいつものようにしないの?」

子どもと顔を合わせた時、国夫は習慣的に何かやるのだ
「いいのさ」と肩をすくめた それが国夫のクセなのだ

アキラ
「お前は、いつも子どもを抱きしめて、おいおい泣きながら
 お前だけはいい子になってくれよと頼むじゃねえか」


アキラは合言葉を言って、2人は大型エアカーのバスに乗った
20名ほどの仲間がいて、隊長は女性だった

「私たちは、これから宇宙空港の、地球月面都市間のロケットを襲います」

整備員らをレーザーで倒し、応戦していると、
遠くの大型ロケットが地面を離れていくのが見えた

レーザーパルスが隊長の腕に当たり、丈一は彼女を抱えて連絡車に乗り込んだが
逃げ切れないと思った瞬間、クルマごと上に持ち上げられる
暗黒連合が救助に来たのだ




「お前が考えているより、お前のやったことは大きい
 下っ端100人より、指揮要員1人を失うほうが、連合としては痛手だ
 だが、中村国夫はろくに能もない酔っ払いだという どういうことか説明しろ」

丈一は演技力を尽くして
「僕は・・・酒を飲むと別の性格が出てきて、その間は本当の自分を覚えていないんです」

女性指揮官キャラ
「まさか、二重人格者だというんじゃないでしょうね」

男「いくら嘘をついても、すぐにバレるぞ 極東支部の鑑定は甘くないからな」

丈一は、高度なウソ発見器にかけられることになり、
奥歯に仕掛けたカプセルを噛み、「思考減退」状態になった
質問に答えてるのは催眠記憶として叩き込まれた国夫のものだ

キャラ
「とにかくテストルームに放り込んでみましょう
 さっきの状態に戻らなかったら、そのまま死ねばいいわ」

天井から金属球が飛んできたり、粉末が噴出したりして、丈一は意識を取り戻し、攻撃を交わす
その様子を見て、キャラのもとで指揮要員の実地適性テストを受けることとなる

中央の机に座っている支部長は、14、5歳の少年で驚く
少年「指揮要員は不測がちだ しかしその男は足首を捻挫してるが大丈夫か?」
なぜ、外見から分からないことが分かるのだ?

「我々は、お前の家に高性能爆弾を仕掛けた 忠誠心が疑わしくなれば、子どもと一緒に吹き飛ぶのだ」
少年は愉快そうに言った

キャラ「支部長は第一級の透視術者なの あの威力を見せられたら、どんな抵抗もムダな気がする」

2人が磁力によって水平、垂直移動できる乗り物に乗っている時、
小さな十字架が転がっているのを見たキャラはうめき声を洩らした

「私は鬼・・・でも、こんなに悪い女じゃなかったわ! 私のせいじゃない・・・助けて!」



この異様な態度は十字架のせいらしい 丈一がポケットに入れると元に戻る

「お笑い種だけど、十字架を見ると、自分のやってきたことが恐ろしくて・・・
 潜在意識のひきがねになっていると医者は言うけど、これさえなければ、今ごろは・・・」


巨大ドームに出て、キャラが指示を出す
「宇宙ステーションを占領します 国連の大型ロケットを爆破するのです」

「あなた(丈一)には計画を話すべきね これは月世界征服作戦の一環なのよ
 しっかりやってね あなたほど能力のある男は、そういないもの」

彼女は、なにか特別な感情を抱きはじめているのだろうか


この作戦は食い止めなければならない
本来は、暗黒連合の本拠を突き止めるのが目的だが、月世界が奴らの手に渡れば
もう攻撃のしようがなくなってしまい、宇宙戦争になってしまう

ロケットを操縦するキャラの前に十字架を出せば、覆すことができる
だが、キャラは失脚するだろう 丈一も逃げ出さねばならない
しかし、また別の顔と体になってやり直すこともできる
鬼になるのだ! 泣くな! 泣いちゃいけない!


キャラの前に十字架を投げると「違う・・・私は本当は人殺しなんかじゃないのよ!」
彼女が動揺している間に、丈一は国連軍に「離れるんだ!」と警告する
国連軍にも素性を明かすわけにはいかない

「スパイだったのね あなた、秘密捜査官ね お蔭で私もおしまいよ あなたを抜擢したのは私だもの」

キャラは自分を取り戻しても丈一を撃たなかった
「この男の処分は、連合が決定します」



男「お前は何者だ! 言ってしまえ!」

丈一は原始的な拷問に、ヨガ(!)で鍛えた苦痛超越の術で耐えていた
支部長の少年は、透視力で、肉体のどこが弱っているか的確に見て、次々と指示する

キャラ
「私たちの処分は決定したわ あなたは死刑 私は脳手術によって思考力を奪われる
 でも、あなたの身元を聞き出せれば、私は許してもらえる

 私は肉親を助けたいばかりにメンバーになったの 命令を守らなければ消されてしまう
 上の地位にいくほど安全になる でも、今じゃ家族で生き残っているのは私だけ」

(これは、ワナなのだ!)

「あなたが話すはずないと分かっていた でも今言ったことは本当よ 私が処刑されることも」


少年
「どうせ何も喋らんつもりだろうが、1つだけ聞きたい あの俊男という子どもはどこへ逃がした?
 爆破しようとしたら、いなかった なぜ危険を知った? こんなことは初めてだ」

丈一の胸に安堵感が流れた あの子は無事なんだな


「敵の襲撃だ!」



警察か? 国連軍か? どのみち丈一もここにいては危険だ
「今、そこへ行くぞ!」 ドアが開くと、室井と1人の子どもがいた
この子はなんだろう その微笑をどこかで見た気がした

支部長「我々が死ぬなら、みんな道連れだ! 原爆で殺してやる!」

丈一は、キャラも捕えられていることを思い出した 味方になればどれほどプラスになるか
いや正直、自分は彼女に惹かれていることに気づいた

子ども
「この人はキャラという人を助けなければならないと考えているのです
 この人はその人が好きだし、役に立つと思っています」

室井「行くんだ! あきらめろ もう間に合わん 感情を捨てなければならんことを忘れたのか! 全速で離脱しろ!」


丈一は1週間「治療促進ドーム」に入っていたが、進んだ医療技術でほぼ回復した

室井
「極東支部は壊滅したよ その女も吹き飛んだだろう
 でも処刑で生きた人形になるよりは幸せだったのじゃないだろうか

 この子は、読心術者なんだ 俊男くんだよ 改造手術をしたんだ
 君が父親に化けて帰った時にすでに見抜いて、目的を読み取り、
 暗黒連合が人質にしようといることに気づき、自分から保護を求めに来たんだ」

ベッドの上で目をつぶると、ぼんやりと顔があらわれてくる
キャラの顔は、笑っているようだった



「アンドロイドをつくるロボット技師」

大都市は爆発的に膨張を続け、超高層ビルの間を縫って
あらゆる輸送機関が、ひしめく人々乗せていた

合成食品が開発され、人工的に味がつけられ、
栄養分を仕込まれて、天然食品と肩を並べようとしていた

無人の工場で、人力はほぼ不用になっていた

これまでとはまったく違った、「アンドロイド」と呼ばれる
人間そっくりのロボットの開発が強力にすすめられていた



倉田俊一は、研究所に到着すると、見知らぬ男が近づいてきて

「あんたらは今、人間そっくりのロボットを作ろうとしているんだろう
 そして、そのこと恥じているんだ
 人間を作りたもうた神への冒涜ではないのか?
 そんな怪物は必要ないと分からないのか?

同じ研究室の石川理恵は、その男に

「機械型ロボットにおける今までの生産方法とのギャップは、いつかは埋められねばならなかった
 陽電子頭脳の予想外に早い出発は、アンドロイド登場の背景を作り出した
 そして、まったく別の可能性を生み出したのです あなたには分かりっこないわね」

と鮮やかに言ってのけ、男はポカンとするしかなかった

俊一たちの第五研究室のテーマは、人間そっくりの表情、身のこなしをアンドロイドに与えること

(こないだの番組みたい!

人間とは何か? アンドロイド研究最前線@サイエンスZERO

理恵
「人間よりもアンドロイドのほうが、ずっと信頼できるわ 賢いし、ウソはつかない、丈夫だし
 アンドロイドが完成したら、人間なんていないほうがいいくらいです」


俊一「ロボットの役目は何だ?」
ロボット「人間に奉仕することです」

アンドロイドの満足そうな顔を見ると、ギョッとするほど生々しかった


その時、所長から重要連絡の合図が入った

今、本社のほうからストップの指令があった
 アンドロイド開発は、今月いっぱいで中止される

 頭の古い連中が騒ぎ出し、開発をやめないと、わが社の製品をボイコットすると言っているらしい」

(ばかな!)←また出ました

理恵は研究室を飛び出して行った


指示を受けた機械型ロボットたちが、室内を整理するのを俊一らはぼんやり見つめていた
今の反対派に説いたところで、彼らは気味が悪いのだ 受け入れられるまで待つしかない
あの日以来、理恵はずっと無断欠勤をしていた ほかにも10名以上が休んでいる

その時、何百人もの人がなだれ込んで来た
「壊せ! 怪物を作り出す研究所を壊せ!」

暴徒は、今夜まとめて処分するアンドロイドの試作品を担ぎ上げて走り去っていく
指揮しているのは若い女らしかった


結局、研究所の被害は少なかったものの、アンドロイドの試作品は全部奪われた
警察によると、海から放り投げたそうだが、1つも見つからないという

理恵が現れ「私、反省しました これからは新しいテーマに取り組みます」

おかしい 理恵はこんなに簡単に忘れられるだろうか

そこに所長が入ってきた

「我々は再びアンドロイドの研究を続ける
 これから1ヶ月で、研究水準をもとに戻して、アンドロイドの標準化を完了するのだ!」


あまりの厳しいスケジュールにあっけにとられた
標準化するということは、すぐに工場で大量生産が可能になるということだ

所長「実は、本社の密命だから、外部に漏れないよう急いでやれという指示が出ている」


俊一らは納得して作業に取り掛かるが、その昼過ぎ、所長室から電話の声が漏れ聴こえてきた
「おっしゃる通り、アンドロイドの研究は中止しました」

「今の話を聞いたかね? 今の話相手は、密命を知らない本社の人間なんだ」

その微笑は、この間、研究室で作り上げたアンドロイドのものにあまりに似ていた


理恵に話すと

「もし所長がアンドロイドにすり替えられたなら、ウソをついていることになるわ
 陽電子頭脳を改造するには所長の許可が必要なのに、なぜ所長自身が、自分のニセモノと入れ替わらなければならないの?」


理恵ら一部の研究員は、徹夜して働いた
俊一は帰ろうとして、クルマのキーを忘れてきたことに気づいて戻ると、灯りがすべて消えていて
研究成果のテープがない


翌朝、テレビのニュースで

「今朝、高速道路で衝突したクルマの一方はアンドロイドによって操縦されていたと見られています
 警察ではその出所を捜査しはじめています・・・」


俊一が慌てて研究所に行くと、アンドロイドたちが迫ってきた
その中には俊一そっくりの姿もいた

捕えられた俊一は、研究所の端の大きな倉庫に連れていかれ、
いつのまにか大きな鉄格子ができていて、中には所長や所員もいた

「アンドロイド開発を強行する連中の陰謀なんだ」

やはり、研究所襲撃事件の指揮官は理恵だった

所長
「アンドロイドにウソがつけるよう改造しろと脅迫され、拷問に負けて・・・わしはやった
 アンドロイドを人間社会に送り込み、共存状態の既成事実を作り上げようとしているんだ」



理恵「もうアンドロイドは大量生産に入っていますわ」

理恵の味方の所員
「ロボットが人間を指導するようにならなければ、正しい世の中はできませんからね
 もはやロボットは、人間の奴隷ではない!」



その後、理恵の声で命令が出された
「緊急事態発生! 全所員および全アンドロイドは、研究所玄関に集合せよ!」

監視用のアンドロイドが走ろうとして、俊一は
「全所員と言えば、僕たちは集合不可能の状態にあるぞ!」

アンドロイドは扉を吹き飛ばして走り出て行った

俊一らは、地下工場でアンドロイドが大量生産され、人口記憶を注入され、1体また1体と地上に出ていくのを見た

所長「止めよう」


外には重装備警官たちがひしめいている
「君たちがロボットを使って盗みをしたのはハッキリしている! 抵抗はよしたまえ!」

理恵「みんな、彼らをやっつけるのよ 突撃!」

警官はレーザーガンを撃ち、アンドロイドは爆発して転がった

理恵「補充はどうしたの?!」


理恵とその仲間は逮捕された
彼らは、大量生産のため、原料や資材を、大量にあちこちから盗ませていたのだった

本社命令で地下工場は壊され、所員たちは大幅な異動が発令された

所員「いつか再開されますか?」

所長
「いずれね 5年先か、10年先か いったん開発された技術が死ぬことはあり得ない
 世の中はゆっくりと進んでいるんだ
 研究は研究だ その成果を、世の中にこう使えと強制することはできない
 それは、研究者の宿命かもしれないな」




「ピンポロン」

校長の言う“先進的・革新的”な大望学園に来た理科教師・植田次男は、校長の熱弁を聞いていた

「新しいもののみを追求していくのでは、ほんとうの心を失う恐れがある
 古い、良いものも持ち続けなければならない
 あなたが、忍法に興味を持ち、自分でも忍者の能力を持とうと努力しておられることは素晴らしい

 つい最近開発された、生徒に対する精神集中システムは知ってますか?
 生徒1人1人に器具を取り付けて、授業から注意がそれた時、ブザーが鳴る
 わが校でも、今学期から採用することにしました
 生徒の首すじに取り付けた小型の震動器で、本人にだけ伝えられるようになっている」

「しかし、授業が退屈でわき見するなら、責任は先生にもあるわけですし・・・」

「そうなのだ! だから、わが校では、先生にも腕に生徒の数だけ光点のついたプレートをはめる
 注意がそれた生徒のものは、色が赤くかわる
 集中していない生徒数が、クラスの2/3を超えると、教室中にチャイムが鳴り響くんです
 ピンポロン、ピンポロンとね いい方式でしょう





授業が始まり、植田が光の点のことを考えていると、生徒が

「先生が教壇に立たれてから、すでに3分15秒経過しています
 僕たちは瞬時も気を緩めることが許されないんですよ それを空費なさる気ですか?」

植田は、旧式の方法だけではなく、映画、録音などを駆使し、てきぱき処理した
光はずっと白いままだ 彼はますます楽しくなった これはまさに教師冥利に尽きるではないか
ここにいるのは、きっと大学院クラスの生徒たちなのだ!

20分ばかり経ち、赤色が次々点滅していった

ピンポロン! ピンポロン!

チャイム音は大きく、大恥だった

女生徒の1人が泣き出し、数名がつられてわあわあと泣いた

「私たち、新しいシステムで気が抜けないのに、そんなに難しいことばかり教えなくてもいいじゃありませんか!」

「難しい? 君たち分かっているんじゃないのか?」

「何も分かりゃしませんよ 分からなくても聞いてなきゃならないんです
 じゃなきゃ首にビービーと震動が来るんです! でも、もう限界ですよ!」


「僕たちは奴隷じゃないんだ!」



今学期が始まってから3ヶ月、植田は校長に呼び出された
「あなたが本気でやっているのは分かっている でも、今のままでは困るんです」

最初の授業で、生徒いじめをする教師だと評判が広まってしまった
もともと、自然科学は笑いながら学べるものではない

ある日、教室に貼り紙が出ていて「連続35回チャイム達成を目標とせよ」と書かれていた
クラスごとに連絡し合い、連続記録をとっているのだった

校長
来週、あるテレビ局が、この実験的システムを取材に来るんです
 その際、できるならチャイムの鳴る場面を撮られたくない
 ですから、あなたの教室だけは、チャイムが作動しないよう調整しようかとも思うんですが」

「いえ、結構です なんとかやってみます」


それから頑張ったが、ついに連続記録がストップしないまま、取材日が来た
ここまで白い光が灯り、この調子ならいけるぞ、あともう15分だ

「来た!

テレビ局の人々がクルマをおりて、こちらへ来る
有名タレントもいて、「わあ、ステキ!」と女生徒が騒ぎ、赤色が増えていく

窓の覆いをおろさなければ!
日ごろ修行していた忍者の訓練で、彼は、教壇から跳躍した
瞬時のムダもなく窓の覆いをおろし、ワン、ツーと床を蹴って教壇に戻る

「先生! 今の何ですか?」

「スーパーマンだ!

あっけにとられ、ついで忍者の説明をした
そうだ、これをこれからちょいちょい見せることにしよう

話が一段落した時、授業終了のベルが響いた
それでも生徒たちは動かず、もう一度やってくれと要求するのだった



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