メランコリア

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『闇の伴走者』@WOWOWの連続ドラマW(2015)

2015-06-23 12:20:12 | ドラマ
『闇の伴走者』@WOWOWの連続ドラマW(2015)
原作:長崎尚志 監督:三木孝浩 脚本:佐藤大・阿相クミコ
出演:松下奈緒、古田新太、平田満、田中哲司、要潤、森本レオ、真野響子、温水洋一 ほか

「連続ドラマW 闇の伴走者」の完成披露試写会の舞台挨拶を動画配信中

ペーター・キュルテン(ウィキ参照
1973年、手塚治虫はキュルテンの事件を題材にした短編『ペーター・キュルテンの記録』を発表している。





story(ネタバレ注意

1話「恐怖を克服する」
美しい女性の命が消える瞬間を描く漫画家。それを見損ねて「また失敗した!」と苛立つ。

殉職した父を尊敬し、元警察官だったが、今は出版メインの調査をしているEKリサーチ調査員・水野優希は、
DVをしていた夫・寺田幹男と離婚調停中だが、寺田は常にユウキをストーキングしている。

漫画界の巨匠・亡き阿島文哉の妻・淑子(アジマプロ社長)から「未発表原稿」の調査を依頼される。
内容は、女性をストーキングして、死ぬ瞬間を見損ねて、森に埋めるという残虐なもの。
アジマプロ部長、阿島の大ファンでファンクラブ元会長だった小澤も協力するという。



かつて板橋で起きた4年間で4人の女性が失踪した事件の記事と一緒に原稿が棚にあったことから、
このマンガのストーリーは、事件と関係があるのではと推測。

その当時、阿島にはアシスタントが100人ほどいて、時代劇からミステリーに路線を変更していた。
妻「私にも夫が分からない。真実が知りたいの」

ネットを検索すると、かなり詳しく書かれたサイトを発見(いろんな人がいるよねぇ、ネット社会には・・・
4人目の被害者は死体が発見されたことから自殺と判定されていた。

「マンガに詳しい編集者を紹介して」と望月に頼んで、会ったのは、フリーの漫画編集者・醍醐真司

「不愉快で不健康。これは完璧に模倣した別人だ。本人より画は上手いかもしれないが、構成はヘタだ。
 巨匠の中で構成力があるのは、手塚治虫、白土三平、藤子不二雄、楳図かずお(お!

 '85年代のアシスタントを調べてみれば? 技術は年代によって変わる。初期は点描で重労働だった。
 スクリーントーンは画期的だった。高価だったが、'80年代以降安くなった。
 カブラペンは均一な線を描く、Gペンは強弱をつける時」(なんだか勉強になる

ダイゴ「この作品はあってはならない。罪の償いをさせるべきだ」(荒い呼吸音がジェイソンぽい

望月は、「英人社」副編集長・一峰馨に「ダイゴの状況を探って、報告してくれ。ヤバかったら闇に葬るから」と命じる。



ユウキは、父の警察署時代の仲間・矢島に「当時事件に関わった刑事を紹介してほしい」と相談する。

矢島「もし連続殺人ならなぜ'77以降止まったのか。病的な犯罪は続くはず。犯人は死んだか?
   この手の犯人はめったに改心はしない

ダイゴは一峰に会って、事件の話を相談する。

「ようやく、この出版業界のカラクリが分かったよ。
 大手の出版社だけが高い給料をとって、その生活を維持するために、オレたちフリーランスの編集者がいるってこと」

「なぜあんなことをしたのか?」と問うダイゴに、一峰は
「事件を記録すれば風化しないからっていうのもあるのでは?」

ユウキは、被害者の住所を1つずつあたるが、更地やマンションになっていた。
園田貴美子のアパートは残っていたが、母親が住んでいた。
「娘がいつ帰ってきてもいいように。きっとあのコどこかで生きてるんだわ」
借りてきた写真は、マンガで殺される女性にソックリだった。

 

「望月から調査は止めろといわれた。もう事件も時効だよ」
「せめてあと1週間だけください!」

ダイゴは「28pと49pに少年がいる。唯一の目撃者だ。この作品にはつづきがある」





2話「感動を得られるよう常に感覚を研ぎ澄ます」
ダイゴもバツイチだとユウキに話す。

「必要ないものこそ世の中に必要なんじゃないか! マンガも、音楽も、映画も、お菓子も!
 なくても生きていけるよ。けど、人生の楽しみはそこにあるんじゃないか!」

「編集者には2タイプいて、嫉妬しながら出世の道に行くヤツはタチが悪い」

阿島に似た画を描くアシスタントに「モリタコウジ」という名が上がる。

彼を知る漫画家トムラは
「あいつは画が上手い異常者だった。ボクがいない時、他の人をイジメてたんだ。
 新宿でロマンポルノを一度一緒に観に行ったことがある。監禁ものだ。北区あたりに住んでるのでは?」

ユウキとダイゴはモリタの住む団地に行く。
水道メーター?に「MD10~18」と走り書きがあって、
「M」は独身男、「D」は大学生、「10~18」はその時間はいないという暗号だという/怖
住んでいたのは「クロダヨシノブ」でモリタは引っ越した。


淑子「阿島は亡くなって、新しい作品は生まれない。私たちが何をどう守ればいいか分かるわよね?」と小澤に念を押す。

一峰「誰の画もソックリに描けるスーパーアシスタントなんて都市伝説みたいなものですよw
   モリタは人を殺したなんて噂もあります」


漫画家のもとに謎の男が現れる。

 

「リアリティ・・・? 完璧すぎて現実味がない。あなたの目は人殺しの目だ」


「一番怖いのは犬だ。獲物のニオイを嗅ぐと穴を掘る。神社の近くは最適だ。誰も掘ろうとはしない」

「私は秘密を共有したい。あなたにまた狩りをしてほしい。もう獲物は決めてあります。監禁場所も用意してあります」(高島平!


矢島「最後の被害者・タツミアキコは、新興宗教『リベルテ』の教祖で詐欺師だった。
   熱心な信徒の中には、お布施を払いすぎて餓死した者もいた」

 

ダイゴ「漫画家は売れれば売れるほど睡眠不足とストレスがたまるから早死にするのもムリない」
一峰「どうして、この事件を引き受けたんです?」
ダイゴ「マンガへの恩返しかな。初めて人から評価された」

一峰は阿島の最後の担当者だった。
「大ヒット作の後は皆苦労します。阿島先生もシナリオはゴーストをたてていました」(『ゴーストライター』?!

ダイゴはアジマプロでベテランアシを見つけ、モリタの引越し先を聞きだすが、
モリタの妻が出て「夫は10年前に死にました」
モリタの写真と“漫画家さん”は全然似てなかった。



“漫画家さん”に狩りをさせているのは小澤。
「生から死への瞬間の顔ほど美しいものはないんでしょ?」

高架下を一人で帰宅する女性にスタンガンをあてて誘拐する(スタンガンって、女性の身を守るものじゃん


3話「裏切りを恐れない。凡人は必ず裏切るから」
『リベルテ』は介護施設になっていた。
タツミアキコは、元有能なセールスマンで、洗脳にたけていた。
マンガに出てくる少年の母がタツミアキコだとダイゴは推察する。

 

小澤「ずっと獲物を飼うのが夢だった。母は恋多き女で、イライラすると虐待された。
   ボクは虫を飼って食べ物を与えず、少しずつ弱らせることに喜びを感じた。
   中学の時に阿島作品を読んで、強烈なエロティシズムを感じてファンクラブの会長になり、
   マンガ編集者になったがどこも不採用だった。拾ってくれたのがアジマプロだったんだ。
   阿島先生が亡くなって、1年後、原稿の整理中に原画と雑誌の記事を見つけてすべてがつながった。
   あなたの夢はボクの夢でもある」

漫画家「なぜオレだと分かった?」

小澤「モリタは自殺。残るは4人。'85のアシとわかって、名簿から分かった。なぜアジマプロに置いたんだ?」

漫画家「法則に従っただけだ」


ダイゴ「すべての手がかりは、この50枚の中にある。
    構成力、コマ割りの才能、見開きが面白いか、それで売れるか売れないかが決まる。
    “嘘の世界で生きていくというのは心が二ついる”石ノ森章太郎の言葉だ。“マンガは嘘の世界だ”
    つづきはどこだ? つづきがあれば作家の正体が分かる」

矢島「最近、似た事件が起きた。板橋で女性が失踪した」とユウキに報告。



小澤は「ボクは阿島先生が昔住んでいた家に住んでいて、自宅でつづきが見つかりました。月曜に自宅に来てください」
とユウキに電話する。「お前が2番目だ」
シャワーを浴びる小澤の体には、虐待されたアザだらけ。

漫画家「お前はオレのマンガ編集者にはなれない」

漫画家は、捕われた女性を解放する。
「一切、生活パターンを変えるな。約束を守れるかどうか、ちゃんと観察しているからな」(酷い仕打ちだ・・・
女性は帰宅し、事件性はなかったと判断される。

淑子からユウキに電話があり、小澤が風呂場で死んでいるのが発見されたという。
ユウキは一人で小澤の自宅に入り、地下室を見つけ、何者かに誘拐される(『羊たちの沈黙』みたい



ダイゴは、アシを使わないと有名なワタナベコウタに「アシがいたはずです。教えてください!」と頼み込む。
「ワタナベさんが、パーキンソン病になったのは'90、でもこのマンガの発行は'93」

 

 
なにかとユウキの相談にのってくれる一峰




4話「ほめ言葉や賞賛に動じない。賞賛は、いじめや悪意以上に人を滅ぼす」


ダイゴは編集者とともに小澤宅へ行き、地下室に監禁部屋を見つけるが、ユウキはいない。
再び、ワタナベのアシを教えてくれと頼み、代筆したのは貝原章彦だと分かる。
穏やかな男だが、昔、すべての指を骨折して、その跡が残っている。



貝原はユウキの腕と足を縛り、練炭を燃やして、画を描く(自分も苦しいのか???
2人のプロファイリングのやりとりは、やっぱり『羊たちの沈黙』みたい。
「オレのことを教える代わりに、君のことを教えてくれ」

ユウキの父は殉職だったが、暴力団と警察との癒着の濡れ衣を着せられ、心労でホームから転落したのを自殺と断定された。

モリタは、「3つ上の黒髪が美しい少女が最初に、小学生だったオレの画を褒めてくれた。あのコは天使だ」と話す。
少女は、男子学生らに集団レイプされるが、その顔は恍惚としていて、それを見て興奮した。

ユウキ「あなたの正義と一緒にしないで!」
貝原「人を救うのが正義とは限らない。人を殺すのがすべて悪とも限らない」
貝原はユウキの「どうしてあの画を描いたの?」という質問には「法則に従っただけだ」と答えるのみ。

ダイゴらは、解放された被害者に事情を聞く。
頑なに拒む彼女のネックレスのビーズの話をしてから、「オレたちの大事な友人の命がかかってる」と説得し、女性は話しはじめる。

貝原は阿島を恨んでいた。

阿島「オレより上手いんじゃないのか? でもお前はオレにはなれない」と笑ったから。

ダイゴは、ずーっとユウキをストーキングしていた寺田を問い詰め、とうとう貝原の住所を突き止める。

画を描いていると、物音がして振り向くと、マンガの中の少年がいて感極まる貝原。
「オレたちは運命共同体だよ」



ダイゴが貝原の部屋を見ると、初版本ばかりが並ぶ仕事部屋。
そこにあった『ペーター・キュルテンの記録』から、監禁場所を思いつく。

“人の命を救ったら、その人の人生も変わるかもしれないだろう?”『ブラックジャック』のセリフだ。
 ボクらの描いてるマンガの主人公は、普段は臆病で優柔不断でも、いざって時は必ず立ち上がらなければいけないんだ!
 それがマンガの真骨頂だっ!」(古田さん、セリフ量多くて大変だったろうなw

ユウキが気づくと窓が開いていた(元警官の腕をガムテって、わざとゆるくした?
窓枠にぶら下がっているユウキを見つけて、落下したところを救うダイゴ。

「まだ犯人は中にいるかもしれない」
「この犯人と向き合わなければならないんです。でなきゃ私は一生後悔します!」



5話「人はいつか死ぬ。だから死を恐れない」
矢島「貝原には前科があった。傷害致死だ」

その他にも、練炭による無理心中事件を起こしていて、相手は、貝原が話していた少女だと推測するユウキ。

ダイゴは、フキダシは貝原だが、ノンブルは別人の筆跡だと警察から教えてもらう。

ユウキは警察から貝原の経歴をもらい、『少年ロード』というマンガ雑誌で英人社にいたことを知り、
その時の担当者を教えてほしいと一峰に頼む。

寺田と話し合うユウキ。
「今まで家族の意味が分かっていなかった。家族って好きと嫌いも含めてなんだよね。
 あなたと復縁するつもりはないけど、今まで家族でいてくれてありがとう」

ダイゴ「死人が増えただけで、何も解決してない!」
ユウキが原稿を落としたのがキッカケで、順番を読み間違えていたと分かる。

「昔、奇人の作家がいて、アシに原稿を床にバラまかせ、拾わせて、“今拾った順番で読んでみなさい”と言った。
 アシは、いろいろ矛盾はあるが、こっちのほうが面白いと分かり、
 “君は時系列通りで面白くない。複雑にしたほうが面白い”と言ったんだ。この原稿は傑作の可能性も出てきた」



ダイゴが並べ替えると、最初のページはサリンジャーの画。
少年と出会い→犯行に及び→死体を埋め→少年と再開して、彼は漫画家さんの犯行に気づき、怒りで手を握り締める。

「この物語りの主人公は、この少年なんだ! 漫画家に怒り、真人間に戻そうとする。
 貝原が快楽殺人鬼だとすると、復讐を動機とした完全犯罪が紛れ込んでいる。
 このマンガには誰か介入した可能性がある。そんなことができるのはプロの編集者に限られる・・・」

(まさかの・・・?!

母を失って泣く少年を見て、貝原は「オレがやろう、君に代わって。世間では許されないだろうが、これは正義だ

ダイゴ「どうして貝原は少年を助けたか。少年しか褒めてくれる人がいなかったからだ。
    貝原にとって、唯一の編集者で、唯一の読者だったんだ。
    漫画家ってのは、自分に依存し、自分の愛読者にずっと生きて、幸せな人生を送って欲しいと願う人たちなんだ


マンガのつづき。

少年「漫画家さんとボクで、マンガ界、いや世界を征服するんだ! きっとずっと一緒だよ!」



「超人の定義」
その1「恐怖を克服する」
その2「感動を得られるよう常に感覚を研ぎ澄ます」
その3「裏切りを恐れない。凡人は必ず裏切るから」
その4「ほめ言葉や賞賛に動じない。賞賛は、いじめや悪意以上に人を滅ぼす」
その5「自分の行いに対価を求めない」
その6「いじめや批判に動じない」
その7「敵を作ることを恐れない」
その8「常にビジョンを見て、神を認識する」
その9「人はいつか死ぬ。だから死を恐れない」
その10「人を殺しても平気でいられる強い精神を持つこと」



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