メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

「荘厳なる天平の祈り~第65回 正倉院展~」@日曜美術館(2013年11月3日放送)

2016-07-27 14:32:50 | アート&イベント
「荘厳なる天平の祈り~第65回 正倉院展~」@日曜美術館(2013年11月3日放送)

日本の歴史の時代区分だけでも、歴史が苦手だった自分には精一杯なのに、
日本の「元号」は多すぎて覚えられない・・・
これは、奈良時代のことか

マンガ感想メモリスト
『天上の虹』『日出処の天子』あたりかな?

仏教伝来とともに、シルクロードをたどって、日本にも渡ってきたさまざまなモノたち。
天平文化が花開き、華やかな仏具は、日本でも作られた。

正倉院内には約9000点の宝物が納められている中、今回の展覧会ではその一部が公開された。
毎年行われる展覧会で、今回も25万人の来場者が集まった。



 


ゲストの西山厚さん(奈良国立博物館学芸部長)は、正倉院の宝物を30年見てきた。


聖武天皇の想い
災害、疫病、飢饉などで苦しむ民を想い、仏に最高のものを捧げ、儀式を行うことで救おうとした聖武天皇の想い、
それに応えようと、最高の技術を結集した職人の想いが込められた品々。


貝、琥珀、トルコ石などが散りばめられている



唐の都・長安は、交易が盛んな国際都市だった



夾纈(きょうけち)
当時は染色技術がとくに発展したが、平安時代には途絶えてしまった日本最古の幻の技法。
それに魅入られた京都の染物屋さんが、インドの文献などを参考に50年かけて甦らせようとしている。

完璧な左右対称に染められ、千年以上前に作られたとは思えないほど色鮮やかに残された鹿の絵


<染め方の再現方法>
1.左右対称の絵が彫られた板の間に、二つ折りにした布を挟む
 

2.ロープで締める


3.穴の開いたところだけに染料が染み込み色が出る仕組み。木の釘のようなものを刺して紋様を表す


4.染料に漬ける


5.板を外し、水で洗う


6.完成したが、わずかな穴の隙間から色が混ざってにじんでしまった


「なんでもゆっくりゆっくり丁寧にやる。4色染めるのに2週間かかる
 何度も失敗もしますよw

 きっかけは、インドにあった版木を見て、
 1500年経ってもどうしてここまで色が美しく残っているのか、
 今、自分たちが染めているものが果たして千年ももつのか再現したくなった」


西山:
古代の職人さんのほうが、モノがない時代なのに非常にいい仕事をしています

奈良時代のレヴェルは信じられないほど高い
本当にいいモノがたくさん作られた時代は、私は奈良と明治しかないと思う

琴などは、仏に音楽を供えるため、儀式のために作られたと思われる。
国家がそれに価値を置いていたということです


井浦「いい~時代ですねえ!」



●聖武天皇が愛した「鳥毛帖成文書屏風」

君主の戒めが書かれている

一流の国造りを目指した聖武天皇は、飢えや病に苦しむ民のために東大寺に大仏を建立。



●23年ぶりに公開された「漆金薄絵盤」を復元する試み
 

法華寺から復元を依頼された高田さんは、復元過程で、蓮の花びら1枚ずつの大きさの違いに気づいたそう。
「お香の煙が立ち上る時、描かれた絵のエネルギーも感じます」

3年ぶりに公開された本尊の前で、実際にお香をたてる試みがされた
 

1.粉末状のお香を器に入れ、鳥の毛でつくられたヘラでならす


2.その上に灰を厚く盛る


3.盆を返して、型を抜き取る「香印」
 



法要で復元された「漆金薄絵盤」を使って実際お香が焚かれ、夾纈で染めた作品が披露された。
「香印」には、お香が一般の人々の隅々にまでいきわたるよう、長く燃える工夫があるという

 




井浦:
怖いくらい美しすぎて、1つ1つの絵を観ていて、途中で脳が止まってしまった。視力を超えてますね

専門家:
私はこれが、正倉院宝物のNO.1だと思っています。

完璧な形。そばにいくだけで蓮弁が揺れるように作られているんです
煙とともに全体が常に揺れる

そこには当時の切実な信仰がなければ生まれ得ない技術がある
“祈りの文化”だと思います




6つの楽器を奏でる天人が描かれている


●献物をのせる台にまでこだわり
 



専門家:
日本人は箱が好きですよね。女の子とかも箱に大事なモノを入れる。
モノを大切にする心。これらが残っていること自体が奇跡。

辛い出来事から生まれた信仰や宝物が、1250年後の人々を元気づけるというのもフシギなことだと思います



追。
「アートシーン」がらみのイベントのおしらせに思わず笑顔になる井浦さんw
 


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何とかしたい めまいの悩み チョイス@病気になったとき

2016-07-27 14:04:31 | テレビ・動画配信
何とかしたい めまいの悩み チョイス@病気になったとき

初めて見た番組だけど、最近、ふらつき感がするから予録してみた。
昔から「耳鳴り」などと同様、「原因不明」「ストレスのせい」と片付けられてきた気がするけど、
やっと科学的に解明されてきているんだな。


1.もっとも危険なのは、脳の病気~脳出血・脳腫瘍・脳梗塞 など


2.めまいの中では最も多い「良性発作性頭位[りょうせいほっさせいとうい]めまい症」

女性の例:
頭を動かすとグラグラする
月1回ほど
1分くらいで治るので病院に行かずに様子を見ていた
起きた時に激しいめまいで倒れた。吐き気もして、救急車を呼び、病院で点滴をしておさまった
次にいつくるか恐い


症状が起きるしくみ
ヒトば「内耳」で体の位置のバランスを保っている。
その中でも「三半規管」と「耳石器」で、頭の傾き状態を常に脳に伝えている。
老化等で耳石がはがれて、三半規管に入る→脳は「揺れている」と誤った情報を「目」に送る
 

 

 



めまいを起こしている時、本当に目が回転している/驚



なりやすい人は?
「寝相が良い人」
長時間、同じ姿勢をとるために、はがれた耳石が同じ場所に集まりやすい

「50代以降の女性」
骨粗しょう症によるカルシウム不足で耳石がはがれやすくなる


治療法~三半規管に入った耳石のかけらを、もとの耳石器に戻す
1.カメラを搭載した特殊なゴーグルをつける


2.モニターで目を拡大した映像が見れる


3.頭を動かすと、目がピクピクと動くことで分かる


耳石の位置は分かる
「三半規管」は3つの「半規管」でなり、どこに耳石があるかは目の動きで分かる


頭を動かして、もとに位置に耳石を戻すと治る。わずか数分
8~9割はこの治療で回復する
耳石が少しはがれることは誰にでもある→はがれても吸収・再生される


再発率は高め 20~30% 予防と対策、早めの受診が大事
・耳石を分散させる

粒が少し飛ぶことはよくあるが、塊で動くと「良性発作性頭位」になる

 

「クプラ」に耳石がくっつくと治療が難しかった


・ジャンプ(プールで耳に入った水を抜くような感じ


・「寝返り運動」を朝晩10セット(けっこうな回数じゃない?
 

 



・枕を少し高めにする(首が痛くならない程度)
・カルシウムの摂取+ビタミンD、Kで吸収をアップさせる
・症状が治まった後でも早めに受診する


3.メニエール病


42歳男性の例:
3年前、右耳にある違和感。飛行機に乗った時みたいな詰まった感じ。唾を飲んでも治らない
4日後、朝起きた時、頭の中がグワングワンして、立っての移動はほぼ不可能。嘔吐もある
低音が聞き取れない
10~15分で治まる時もあれば、2時間、半日続くこともある


原因
本質的な原因はまだ不明だが、過度+長期間のストレスを誘因として発症するといわれる
強いストレスがかかった後(ホッとした時)に発症しやすい

「良性発作性頭位」は数分で治まるが、「メニエール病」は時間が長い

進行性の病気のため、早期発見、耳鼻咽喉科の受診が重要。
治療が遅れたり、繰り返すと聴力が落ち、難聴が残り、元に戻らないこともある

「蝸牛」は音のセンサーの役割
「蝸牛」に「内リンパ液」がたまりやすい状態になる→平衡感覚がおかしくなる
 

 




治療法
・利尿剤などの薬物治療
・ストレスをためないような生活習慣の指導

専門家:
不安があっても、5分考えて結果が出なかったら、いったん思考を停止して、楽しいことを考える
有酸素運動が有効だといわれる
(こないだの「キラーストレス」と同じだな


「水分摂取療法」
この男性の場合、1日2.5リットルの水を毎日飲んだら1年半くらいで症状が治まった


・メニエール病の患者は内耳に水分がたまりやすい
脱水状態になると、「バソプレッシン」が分泌される
 

※注意!
・自己判断で行うのは厳禁!
・心臓、腎臓に負担がかかるため、必ず専門医の指導のもとに行う(心臓、腎臓機能が正常だと確認してから)
・少なくても2年間つづけて経過観察

95%の回転性めまいは抑えられ、進行を防ぐ


医師のイチオシは「静脈還流」
プールでの水中運動(泳ぐ・歩く)は、水圧がかかり、内耳の血流改善効果が高い
※中耳炎の人はやらない。メニエール病の患者は中耳炎でない場合が多い


「日本めまい平衡医学会」
相談も受け付けている

<内耳が原因で起こるその他のめまい>



4.首の骨の変形など
61歳男性の例:
25年前、電車のイスに座って寝ていて、目が覚めたら雲の上にいるような感覚になり、
帰宅しておさまったが、その後も続いた。

その後も目の中、頭のへんからフワフワして気持ちが悪かった
下を向くとグラグラするのが一番辛かった
寝ている時に横を向くとグラグラして天井が回る

耳鼻咽喉科に行ったが原因不明といわれた

4年後、脳神経外科で「CT」「MRI」など受けたが「とくに異常は見られない」と言われた

症状はどんどん悪化した(よくこんな症状を長期間耐えられたなあ・・・


毎日コルセットをつける日々


寝る時、お風呂に入る時以外は、ずっとつけていた
さまざまな病院を受診し、「良性発作性頭位めまい症」「メニエール病」の治療をしても治らない
仕事もできなくなった。「一生治らないのか?」と思った



内科医師「首が主な原因と考えた」

・「脳幹」と「小脳」は脳で体のバランスをつかさどっていて、ここに血液を運ぶのは「椎骨動脈」
 

「動脈硬化」などが原因で、「椎骨動脈」の血管が狭くなったり、曲がったりすると
 


首の骨のかたち
 

男性は「設計」の仕事をしていて、ずっとうつむいて長時間作業することが多く、それが一因と考えた。
抗めまい薬や、体操でようやく改善。今はいろんな作業ができるようになったことがウソのようだという。

 




<その他のめまい>

専門家:めまいは、耳だけでなく、首、脳、心臓などさまざまな原因で起こる

例:
・「起立性調節障害」(立ちくらみならしょっちゅうだけど?
・不整脈 など


追。
番組内で♪マイ・シャローナ が流れていたのが気になった


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『深夜特急1 香港・マカオ』(新潮文庫)

2016-07-27 14:03:31 | 
『深夜特急1 香港・マカオ』(新潮文庫)
沢木耕太郎/著
初版1994年(2000年 28刷) 400円

※2002.1~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。

メル友さんからオススメされて読んだ。
これを読んで最終地点のポルトガルに行って、何もなかったのが良かったらしい。

著者が“雨のせい”で会社勤めを辞めて、物書きになって、プロ志向から逃げて、とりあえず出た貧乏旅行。
最初の香港で最も刺激を受けたせいで、続くバンコク→マレー半島→シンガポールが“退屈”というのは残念。

図書館ではハードカバーで原作通り『第一便』と『第二便』だが、
久々、文庫本を買って、会社で入力の間に読むのに丁度いい(え、仕事中?w
BOOK OFFじゃ売り切れてたし

Nさんが「意外にマジメな旅にガッカリして1巻でやめた」と言ってたのが私には意外。
今まで自分の行った場所、しかもアジア中心なのが興味深いし、
なによりこれまでの自分の旅行が本当に通り一遍な観光ツアーそのものだったことを実感。

できれば危険をかえりみず、リスクも承知で安宿に泊まり、裏通りを散策し、
どーにもならなきゃ寝袋で道端で眠るのもOKな本物の旅をしてみたいけど、
女じゃどーにも危険度が高すぎるだろう。

なにかしら毎日“事件”や“イベント”がある香港での日々は、
そのままメル友(別の)が修行して香港に住んでいた頃の体験にもなにか通じるところがあるかもしれない。

とくに、マカオでの大小ギャンブルの件も面白かった。

「少しかじって、良識でセーブして、ワケ知り顔で旅を続けるより、
 とことんまで酔狂なことを突き詰めてみよう」


としたのも、やっぱり後で本のネタにしようとする物書きの性質のせいじゃないかなw
でも、今のところ安い女を買って遊ぶほどじゃないらしい。



あらすじ(ネタバレ注意

デリーで雑魚寝仲間のフランス人青年の死んだ眼を見て「行かなきゃ」と思う私。

話は出発地点の香港へとさかのぼる。

空港で日本人女性を助けたお礼に、紹介された黄金宮殿、ゴールデンパレスゲストハウス、売春宿まがいの所を拠点に、
スターフェリーでの豪華な船旅、路上生活者におごってもらったり、漢字での筆談、片言の英会話

マカオへ渡って、大小に魅了され、儲けてはスル繰り返し。



【ブログ内関連記事】
香港(1995.11.2~5)




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『深夜特急2 マレー半島・シンガポール』(新潮文庫)

2016-07-27 14:02:31 | 
『深夜特急2 マレー半島・シンガポール』(新潮文庫)
沢木耕太郎/著
初版1994年(1999年 28刷)

※2002.1~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意

カジノの売り上げもあるから、儲け続けることはあり得ない世界なのに、
つい理屈と攻略法をこねてはギャンブルにハマる男の悲しい性かな・・・苦笑

場を盛り上げ、最高潮でのゾロ目狙い&若い女性ディーラーのクセで、
音の違いに気づいて儲けた分も合わせて、結局は足が出た結果に終わる。

バンコクでも怪しい宿でひたすら女売りの客引き攻撃。
「金がない」とは言えない身分に気づくのも面白い。

日本語学校に通う男、タイ式ボクシング、香港での興奮を探してもムダと気づくまで

マレー半島への鈍行の旅は楽しく学生らと過ごし、中年売春婦に少々クラっときて(!)、
海沿いのホテルで日本人に会い、噂で「女が一番イイ」というペナンで売春婦と陽気なヒモらとの交流

列車、バスと同じ値段の乗り合いタクシーでシンガポールへ。

世界旅行を3~4年かけて行うという青年らに、半年で戻るつもりでいた“私”は
期限や目的なんてどーでもいいんだと目からウロコ。


【ブログ内関連記事】
シンガポール(1996.11.28-12.1)



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『深夜特急3 インド・ネパール』(新潮文庫)

2016-07-27 14:01:31 | 
『深夜特急3 インド・ネパール』(新潮文庫)
沢木耕太郎/著
初版1994年(2000年 32刷)

※2002.1~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意

ついにネパールに到着。

同じ雑踏でも、'70のカトマンズは、噂に聞きしヒッピー天国
現在ほどクルマのクラクション、ホコリ、スモッグの街ではなかったみたい。

インドの死生観、貧富のドラマは、直視するのが酷なくらいリアルで生々しい。
延々と受け継がれる「カースト制度」といい、
すべての常識が打ち破られる場所なんだ。

カルカッタで、海外が初めての学生とともに、現地に通じる青年の誘いで高級グランドホテルで泊まる。
顔と歳は10代、体は40代に崩れ、40ルピー程度で体を売る売春宿の女たち。

闇ドルの両替屋たち、スチューデントカードも売る/驚
ネズミとピーナツ売りのフシギなショー、列車の特等席は荷台。

ブッダガヤで此経さんと会い、マウト・カーストの子どもらに
農耕技術を教えるボランティア活動の拠点アシュラムでの貴重な体験

カトマンズの雨は続き、ハシシで次々と死んでいくヒッピーたち

「明日晴れたら、ここを出て行けるかもしれない」

インドではニーランニャム少年と心を通わせ、野良猿とたわむれる。

死体焼き場では、毎日、何体もの死体が焼かれ、甘い香りに恍惚として集まる牛たち、
天命を全う出来なかった者は、川へ流され、カラスがついばむ!

今まで下痢すらしなかった“私”は、ついに疲労のせいか高熱にうなされ、
カジュラホで女性用ドミトリー(集団部屋)に泊まらせてもらい
フランス女性と相部屋となる。

寺院には官能的な交歓の像に魅入られる

ようやく最初の計画の出発地デリーに着いたのに、再び高熱がぶり返してYMCAでダウン





【ブログ内関連記事】
ネパール(2001.9.29-10.7)


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『深夜特急4 シルクロード』(新潮文庫)

2016-07-27 14:00:31 | 
『深夜特急4 シルクロード』(新潮文庫)
沢木耕太郎/著
初版1994年(2000年 30刷)

※2002.1~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意

“その国の病は、その国の薬を飲むべし”

“いくら天然痘、コレラ、ペストで何十万人が死んでも、それ以上の人が生まれる
 その病になったら「縁」があったと思うべき”



インド→パキスタン
クルマは、まるでチキンレースの繰り返し 「ラマダン」の断食からのイラつきか。
バスの中では食べ物のすすめ合いw

退屈な映画を途中で抜け出し、爆弾犯人と間違われる!


アフガニスタン(カブール)
安宿に泊まる代わりに日本人の客引きを言いつけられる

21才で英語ペラペラのマネージャーは識盲だったので、名刺を書いてあげる

日本人ヒッピーらとしばし交流

「ヨーロッパの冬は寒い。雨雪のせいじゃなく、宿に帰っても誰もいない寒さなんだ」


建築家の磯崎氏と、妻で彫刻家の宮脇氏と会うため(ごちそうになるため
テヘランへ向かうバスの途中、必死で羊番をする犬に涙する

世界を制するコカ・コーラと、セイコー時計、十数カ国のヒッピーが乗り合いするバス

ビスケットの屑を拾って食べたオランダ人が、子どもらに金を恵む姿を見て
恵む=傲慢と思っていた私に、単にあげない理由付けで、ケチなのを認めるべきで、
自分のモノがなくなって物乞いをし、死にゆくのも“自由”なのだと知る。


テヘラン(イラン)で夫妻と会い、ごちそうにありつく


大都会で鎖をムリに切る芸をする中年男
ドミトリーには病の白人男性にブドウを分ける

日本人に会い、読み終わった日本の本を交換する

心を開きかけた白人男性をおいて出発したことに罪悪感を覚える。

「どうせならはじめから何もしなきゃよかった。
 自分がいつもそうして人から離れてきた気がして、さらに暗い気持ちになった」

古時計屋で見つけた懐中時計を何日もかかって値切って購入

旅という長いトンネルを抜け出せない不安。
トンネルの先にある生活と、うまく折り合えるかどうかの不安

『カーブス・ナーメ』の逸話で、王が子に遺した話

「若いうちは若者らしく、年をとったら年寄りらしくせよ」

「老いたらひとつの場所に落ち着け。とくに資力ない者は、老、貧は敵
 2つの敵と旅するは賢明ではなかろう」



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『深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海』(新潮文庫)

2016-07-27 14:00:30 | 
『深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海』(新潮文庫)
沢木耕太郎/著
初版1994年(2000年 32刷)

※2002.1~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意
イラン→トルコ<エルズルム>
ドミトリーのドイツ青年に「禅とは何か?」と聞かれて「Being on the Road(路上にいること)」と答えた。

黒海へ行くバスではトルコのオヤジに「これは日本にあるか?」と質問攻めw

ゲームをする老人の鼻歌♪フニャラ、フニャフニャ、ムスターファー
カメラを向けると皆記念撮影になるw

ガイドしてくれた青年に各国のコインをプレゼントする。

宮脇氏から預かった画家の死の知らせを元弟子(もしくは愛人)のゲンチャイへ届けに大使館へ。
美しいゲンチャイは、死のニュースを知っていて、著者を美術館等へガイドする。

<アンカラ>→イスタンブール
ヒッピーに連れられたホテルは、ブルーモスクに面した絶景ポイント
コーランを聞いたり、フェリーに乗ったり、チャイハネでビールをおごってもらったり。

日本人客、ハナモチ氏との交流

→ギリシャのテサロニキまでは、若者のクルマに同乗

→アテネ
「アジアとヨーロッパの違いは、茶かコーヒーか、ティー(t)かチャイ(c)か」

→ペロポネソス半島へ
<ミケーネ><スパルタ>で会ったアメリカの老元教授に言われて行った<ミストラ>は
滅んだ廃墟の美しさに感動しつつ、風景でなく人との出会いを求めている自分に気づく

ジプシー母子との出会い

<オリンピア>
200mほど走ってダウンしたことにショック。
元船員らはすぐコーヒーをおごる


中学の時、父からもらった1冊の本『何でも見てやろう~世界一周1ドル旅行』小田実著を読んでから一人旅人生がはじまる。
この半島への思い入れもあった

通りで笑顔を交わしただけの若者からパーティに誘われ、1泊までした。

「この一夜は旅の神さまのくれた最後の贈り物かも」

地中海の上からの手紙は誰宛か?

自分がウイスキーの空瓶のように感じ、酒に酔い、外国人女性に道程を話し、
「たっぷり3分かかった」「絹みたいね」

濃い疲れを伴う長い旅知る(ロードはロマンでなく、道として歩く者のためにある。
そこで見るのは“自分自身”

「そんな自分を求めてほっつき歩くなんて、これから二度と繰り返せない
 “終わってしまった”喪失感、自分を探しつつ、滅びる至福の刻(とき)を失ってしまった」


「飛行 飛行 汝に一杯の酒をすすめよう」

李賀にちなんで、海に残りのバーボンを流す


末尾、高田宏氏との対談の中で、旅をした26才、1便、2便を書いた10年、
3便で完結させたのが6年後とうのが驚いた。
ここまでリアルに書けるとは、やはり創作として練り上げられたのだろう。

旅=人生(幼年期、青年期、壮年期、老年期)

旅に死すことを完成とした芭蕉との相似点も面白い。

漂泊の欲望は皆もっているが、実際できる人は少ない。
終わりなき旅



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『深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン』(新潮文庫)

2016-07-27 14:00:29 | 
『深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン』(新潮文庫)
沢木耕太郎/著
初版1994年(2000年 33刷)

※2002.1~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意

ローマ、サン・ピエトロ寺院で、ミケランジェロの『ピエタ』に感動。
亡くなった画家の妻を訪ね、『ローマの休日』のアン王女とダブる。

つり銭に無頓着なスーパーで「また一緒に戦おう!」と言う老人

→フランス、モナコのグラン・カジノでマカオのリターンマッチのつもりが「上着がない」と門前払いされる

→スペイン、マドリードで子どもに絵描きと間違えられる
蚤の市をひやかし、スペイン人の愚鈍さをののしる日本人と話していて

「分かっていることは、分からないとういことだけ」

ヘミングウェイの短編を思い出す。「無にまします我らの無よ・・・」

バス車中で泣く少女にキャンディをあげる。

「誰だって、キャンディを舐めながら泣き続けることはできない」

→ポルトガル、リスボン
ファド(演歌のようなもの)

レストランで立ち聞きさせてくれた男にすすめられたビールの地元“サグレス”へ

深夜休業中のペンションに泊めてもらうと、海沿いの素晴らしい眺め!

既視体験

そしてCHAの国に戻った驚きで、旅の終わりの潮時をつかむ

→パリ
日本人からタダ同然で部屋をまた借りして、翌年を迎える

→カレーからフェリーでドーヴァー<ロンドン>
入国審査でトラブり、中央郵便局での電報は・・・「電話からお願いします」

「旅を終えようと思ったところ、そこが私の中央郵便局なのだ」

チケット売場で、私はアイスランド行きを買い、電報文は「ワレ到着セズ」というオチ。




巻末の井上陽水さんとの対談も意外で面白い。

「森でクルマが故障して、一軒家を見つけて、美しい少女と出会う

という陽水さんの永遠の夢も変だけど、
「カジノで絶対儲ける方法」を本気で研究しているらしい沢木さんも変だw

2人の関係性はどうなのか?
陽水さんの“セクシャルかどうか”の物差しも面白い。


いつも長編を読んだ後って寂しさが残る。
それこそ幸せな時間がもう二度と戻らない喪失感。
きっと、もう一度読み返しても、初回の感動は味わえないだろう。

“旅行記のバイブル”と言われて大ヒットしたらしいが全然知らなかったな。
最近、また旅ものの新作を出したって『めざましBOOK RANKING』で言ってた
アイスランド以降の話、ほかの旅の様子を書いたのも読みたい。


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