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所得税:最高税率が45%にアップ、庶民には無関係か

2017-06-20 11:08:56 | 日記




(プレジデントオンライン)



PRESIDENT 2013年7月1日号 掲載

■給与所得控除は上限が245万円に

2013年度税制改正は、富裕層や高額所得者にとって厳しい、つまり税負担が重くなるものとなった。なかでも注目すべきは、所得税の改正だろう。その所得税だが、最高税率が40%から45%に引き上げられる。具体的には、現行制度では課税所得が1800万円超の場合、所得税の税率は一律40%だ。これが15年以降は、新たに課税所得金額4000万円超という区分が設けられ、ここに課される税率は45%となる。住民税の所得に対する税率は一律10%であるため、所得税の税率と個人住民税の税率を単純に足すと55%になる計算だ。

「税率が55%」というと、稼いだ金額の半分以上を税金で持っていかれると思うかもしれない。だが、それは大きな誤解だ。年収や年商といった「収入金額」から、必要経費や勤め人にとっての必要経費ともいうべき給与所得控除を差し引いたものが「所得」となる。

この所得から、社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除などの所得控除を差し引いたものが「課税所得金額」だ。ここに前述の税率が課せられる。

では、今回の税制改正で、高額所得者の所得税負担はどれくらい増えるのか。給与年収5000万円の45歳男性(扶養家族は42歳の専業主婦、21歳と19歳の子ども、生命保険料控除10万円、地震保険料控除5万円、社会保険料控除と小規模企業共済等掛金控除あわせて238万円とする)で、課税所得金額を4300万円として試算すると、12年の所得税額は約1440万円だが、15年には約1455万円と15万円ほど増加することになる。

ただし、ここでも考慮すべきポイントがある。従来は、給与収入に応じて逓増的に控除が増加するしくみだった給与所得控除についても、12年度の税制改正で、給与収入が1500万円を超える場合に245万円の上限が設けられた。その結果、課税所得金額が増えることになるのだ。この改正は、所得税は13年から、個人住民税は14年から適用される。

では、今回の増税で、どんな事態が起きうるのか。アベノミクスによって景気回復が期待されるものの、現時点ではその恩恵は高額所得者が中心だとも言われる。増税で富裕層が消費を手控えた場合、庶民が恩恵を被る前に景気がしぼむ可能性もなくはない。

さらに富裕層に追い打ちをかけるのが、相続税の増税だ。15年から相続税の基礎控除が、現行の(5000万円+1000万円×法定相続人の数)から、(3000万円+600万円×法定相続人の数)へと引き下げられる。これによって地価の高い大都市圏に戸建ての家を持っているだけで相続税の対象になる可能性が高くなる。ちなみに、現在は相続税の課税対象者は被相続人の4.2%程度だが、改正後は10%程度に増えると見られる。

税率も引き上げられる。現行では、法定相続分の取得金額が1億円超~3億円以下の場合は税率40%、3億円超は50%となっている。ここに2億円超~3億円以下、6億円超という区分が新設され、税率はそれぞれ45%と55%になる。

不動産を相続したものの、手持ちの現金が少ない場合、相続した不動産を売却して納税資金をつくるか、それでも足りない、あるいは売れない場合には、今住んでいる自宅を売って資金をつくらざるをえないケースもありうる。富裕層をターゲットにした増税の結果、彼らが消費を手控える。その結果、庶民の給料が上がる前に景気がしぼむ。さらに相続税を支払えず、自宅を手放す羽目に陥る人が相次ぐ。これが、今回の増税で考えうる、最悪のシナリオだろう。

(田中卓也税理士事務所代表 田中卓也 構成=大山弘子)





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