岩政伸治研究室

白百合女子大学岩政研究室  ―場所は本館3階英文研究室の向かいです。

■ iPhoneにも禅の影響?-- The Zen of Steve Jobs 発売

2012-01-22 10:06:02 | 岩政ゼミ課外授業@スタンフォード
スティーブ・ジョブズと、彼の禅の師であった乙川弘文老師との交流を描いたグラフィックノベル、 The Zen of Steve Jobs が発売された。これまで書かれてきた伝記にある、彼の時として独善的な振る舞いを読む限り、どこまで彼が本当の意味で禅を受け入れていたかは疑問で、このことについてはすでにあちこちで議論されているが、彼の物作りに賭ける美学的な面においては、彼は確かに禅の求道者だったといっていいだろう。この本が著すように、禅そして禅が影響を与えた文化が持つ洗練された簡素さが、Appleの製品のコンセプトには確かに見受けられる。そのことがよくわかるのは、ジョブズのスタンフォードで行われた卒業式のスピーチだ。その一方で、アイザックソンの書いたジョブズの「公式」伝記の最後を読むと、ジョブズが癌との闘いで、禅思想に対して懐疑的になっていたような読後感を覚えた。しかし伝記作家がそう受け取っていたとしたら間違いだろう。某サイトの書評でこのことを書き、このスピーチでジョブズが引用した道元禅師と法華経の言葉がジョブズの禅への理解を知る上での手がかりになると書いたが今のところあまり反応はない。ネタバレになるのでこれ以上本書の内容には触れないが、本書のエンディングはジョブズのスタンフォードのスピーチと合わせて読むことで味わい深いものになるだろう。
 追記:ジョブズが道元の言葉を引用していることを指摘している人は結構いるようだが、参照元まで示しているのは、「ぽえたりん」の名でブログを書かれている人のサイトぐらいだ。法華経については今のところ、指摘している人は見あたらない。どなたかそれ以外にもジョブズが禅や仏教から引用した発言を見つけられた方、どうぞお知らせ願います。

追記:集英社から翻訳が出るようだ。タイトルは「ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ」。うーん、せめて「禅とスティーブ・ジョブズ」とか「スティーブ・ジョブズの禅思想」とかにしてほしかったと思うのは僕だけだろうか。
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■ Restoring the Lightの予告編

2012-01-20 19:22:22 | 岩政ゼミ課外授業@スタンフォード

11月に紹介したドキュメンタリー、"Restoring the Light"の予告編がYouTubeでも見られることがわかって早速組み込んでみた。以下紹介記事を編集して再掲示。
 彼女はスタンフォードの英文科の卒業生で、国際連合協会フィルム・フェスティバルに同作を出品。急成長を遂げる中国における農村部の医療問題を取材した力作だ。急激な経済成長の一方でモラルの低下が指摘される中国において、貧しくて医療を受けられない人々のために地方を奔走する医師の姿に胸を打たれる。個人の努力を超えたところにある中国の地方医療の問題について、指導者たちがこの映画を観て取り組んでくれることを、またこの映画が日本でも上映されることをぜひ望みたい。

* 予告編は3つあり、1つめ終了後そのままにしておくと自動再生されます。
* 組み込み画面右下をクリックすると、フルスクリーンでご覧頂けます。
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■ 入試直前対策?アメリカで若者たちがパスワードをシェアする意外な理由

2012-01-19 00:53:37 | Weblog
入試直前対策、思いの外反響が高く、他大学の受験生にも読んで頂いたようです。読解編をもう一つ用意しました。
NYタイムズが、1月18日朝刊でアメリカの若者たちの間でパスワードをシェアする傾向があると報じています。

記事のリンクはこちら

では質問です。

この記事を読んで、アメリカの若者たちがパスワードをシェアする意外な理由を見つけましょう。同じ世代だとちょっと気になるのでは? その好奇心はきっと英語の苦手意識を克服してくれるはずです。答えは左にあるツイッターの"follow"アイコンをクリックして1/18のツイートをご覧ください。

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■ 就職活動の学生必見 -- 奇跡の名刺?

2012-01-18 10:21:35 | 岩政ゼミ課外授業@スタンフォード
A先生からツイートでキセキノメイシなるものを紹介していただいた。就職活動がそのまま知的障がいのある子供たちの支援になるとしたら...考えるだけで面接を受けるのにも少し自信がわくのでは。以下はキセキノメイシHPからの引用。「知的障がいのある子供たちが書く文字。絶妙なバランスで、味わい深く、とても不思議な”伝わる力”を持った文字。これをなんとかしてビジネスの場で活かせないか? そんな想いから、この キセキ ノ メイシ は生まれました。」この名刺を理解してくれる企業は入ってからも働きがいがあるかもしれない。キセキノメイシHPはこちら

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■ 入試直前対策?-- 読解編1

2012-01-15 01:17:44 | 岩政ゼミ課外授業@スタンフォード
こういう時代だけあって受験生らしき人からもこのブログに質問を もらうことがある。現在は地球の裏側のシリコンバレーにいるので今年の入試がどうなっているのか知る由もないが、少しでも英語を読むのが苦にならないようになるための手助けはできるかもしれない。
 さて、出題はNYタイムズから、各自がまずこの新聞の2012.01.12日のアート欄を読むこと。リンク先はここをクリック。内容は、思わず顔をしかめたくなるような記事だが、それでも記者はこの記事にひとかけらのヒューモアを入れることも忘れていない。さて問題です。この記事にははいったいどんなヒューモアがあるでしょうか。
 ヒントは先ほどツイート(1/14のツイート)したが、音と関係がある。もう一つ、記者は別に入れなくても問題にならない何かをわざわざ入れている。作者、語り手の意図をさぐることで、記事がずっと読みやすく感じられたはずだ。最後まで目を通せたらしめたもの。クスッと笑えたら一歩前進。
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■ 1月16日は何の日?-- キング牧師生誕から82年

2012-01-12 21:14:59 | 岩政ゼミ課外授業@スタンフォード

 1月16日はアメリカ公民権運動の指導者、マーティン・ルーサー・キングJr (Martin Luther King Jr.)にちなんだ祝日だ。キング牧師は1929日の1月15日に生まれ、1968年4月4日、凶弾に倒れた。奴隷解放宣言を出したリンカーン、戦争という暴力を否定し、平和を叫んだジョン・レノン。アメリカの歩みは民主主義とテロの歴史でもある。最近起きたイランの核開発に関わる科学者暗殺はイスラエルが関与した可能性が高いとされる。これが事実ならアメリカでうずまくテロからイスラムを連想する構図は吹き飛んでしまいそうだが、この報道自体あまり感心を集めていないようだ。映像は、昨年8月に公開されたキング牧師のメモリアル除幕式でのオバマ大統領の演説だ。このメモリアル完成には14年の歳月を要したとされる。人々の平和と人権への願いが込められたメモリアルの除幕式に、広島の原爆慰霊碑を思わせる厳粛な雰囲気を感じた。この祝日はキング牧師の誕生日に近い、一月の第三月曜日に設定されている。人気ブログランキングへ 日記@BlogRanking
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■ 視聴するだけで募金-- santa project

2011-12-17 01:50:46 | メディア

この時期、海の向こうの日本でも街はクリスマスムード一色に染まっているのだろう。クリスチャンが人口の一割に満たない日本でクリスマスはいったいどんな意味を持つのだろうと考えずにはいられない。いや、このムードに水を差すつもりではない。日本でもクリスマスはしっかり意味を持つのだ。その答えは意外と身近にある。この時期にまつわる物語を思い出すだけでいいかもしれない。たとえばアンデルセンの『マッチ売りの少女』。孤児の少女が一人でマッチを売っているが、誰も買ってくれない。暗くなって人通りもなくなってしまった。このままだと店の主人に怒られてしまう。帰るに帰れない少女はマッチをすることを思いつく。マッチをすると、炎の向こうにクリスマスの楽しい思い出が次々とフラッシュバックする。美味しい食事、プレゼント、テーブルを囲んだ団らん、少女が最後にマッチを擦ったときに現れたのは、亡くなってしまった最愛のおばあさん。少女はおばあさんにしっかり抱きかかえられる。次の朝、凍てついた通りに無数に散らばるマッチの燃えかすと、凍え死んだ少女の姿を人々は発見する。アンデルセンはどうしてこんな悲しい物語を用意したのだろう。でも誰もが、アンデルセンが冷たい人だとは思わないはずだ。むしろ物語の向こうに、涙をいっぱいにためたアンデルセンの熱い眼差しを感じるかもしれない。その多くがクリスチャンでない日本人が、クリスマスから学ぶことがあるとすれば、それはこの時期だからこそ、自分とは違う世界に目を向け、抑圧されたり、苦しんでいたりする人々のことを考えようとすることだろう。恐らくここに、宗教を超えたクリスマスのスピリットがあり、だからこそ私たちも宗教や国を超えてこの偉大な文化を分かち合えるのだと思う。映像は先輩の先生がブログで紹介していたものを紹介しています。
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■ ベイエリアに紅葉の見どころはあるか?

2011-12-16 12:22:30 | サンフランシスコ--シリコンバレー
←写真はスタンフォードキャンパス内の紅葉。
 師走でも昼の気温が16度近くまで上昇するスタンフォードではまだ紅葉が楽しめる。、今年の秋、日本のように紅葉狩りをしようと情報を集めたが、まず言葉として「紅葉狩り」なんていうものは存在しない。紅葉について書かれた文献で有名なものには、ソローの"Autumnal Tints"があるが、ソローが住んだマサチューセッツと違って夏が涼しくドライなベイエリアに自生する樹木は、オークなどの乾燥に強い常緑樹が中心で、まわりの山々が錦色に染まることはない。ヨセミテのように雪解けの水源が夏まで残るエリアの川や湿地帯に沿ったところか、もしくは年間を通して雨量が多いオレゴンあたりまで足を伸ばさないと、まとまった紅葉はなかなか望めないようである。結局ブドウの葉が紅葉すると聞いて、ナパのワイナリーに紅葉を見に行ったが、帰りに用事があってPalo Altoの住宅地を走って驚いた。赤や黄色に染まった庭木や街路樹で、紅葉のトンネルが出来ていたのである。地元に住む友人に、このあたりで一番紅葉が楽しめるのは、高級住宅地やハイテク企業のキャンパス内だといわれて確かにそうだと思った。
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■ お知らせ --Twitterからブログ新規投稿の通知ができるようにしました

2011-12-15 12:42:44 | 岩政ゼミ課外授業@スタンフォード
 リクエストにお答えして、ブログへの新規投稿のお知らせをTwitterで携帯などで見られるようにしました。私自身携帯やスマートフォンに疎いので困ったモノですが、友人の話だとm.twitter.comに携帯、スマートフォンまたはタブレットからアクセスして、"siwamasa"または"shinji iwamasa"で探せば登録できるようです。またパソコンからは今ご覧になっている画面左にあるTwitter(青色の鳥のようなアイコン)のボタンから登録できるようです。
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■ 東日本大震災からの復興を願って

2011-12-15 00:39:59 | 岩政ゼミ課外授業@スタンフォード
"110 stories. Thousands of life stories. Gone. Collapsed dreams. Compressed sorrows. Shattered innocence. Blood. They say what they need from us now is blood." -- "Scattered Potsherds" by Terry Tempest Williams.
これはアメリカの作家テリー・テンペスト・ウィリアムス(Terry Tempest Williams, 1955 -) が自らの9/11体験をエッセイにした「散らばった陶器のかけら」からの抜粋である。ウィリアムスは、世界貿易センタービルの110階の英語、"stories"を掛詞に、「110のストーリー(階)、数千もの人生のストーリーが、失われた。(亡くなった人の数だけの)潰えた夢、潰された悲しみ、散らばった罪のない人々...」
 この一節を読む度に私は東日本を襲った大震災を思わずにはいられない。震災の直後から、新聞などのメディアが震災の生死を賭けたぎりぎりのなかで繰り広げられた人々のライフストーリーを次々と報じたが、その影に隠れて決して報じられることのなかった無数のストーリーが消えてしまった。心残りなのは、震災後すぐに渡米したために被災地にボランティアとして入れなかったこと。かつてホームレスの人々の話を聞くボランティアをしていたときにかけられた言葉が脳裏をよぎる。「偽善者!」準備が足りず、全員におにぎりを配れなかったときのことだった。
 震災後の混乱の中、震災情報の翻訳ボランティアに登録したものの、準備をして旅立つのが精一杯でほとんど何もできなかった。幸い、スタンフォードの日本人会が震災復興のためのTシャツとリストバンドをつくり、収益を寄付するプロジェクトをスタートさせたので、私も可能な限りTシャツを売り、また自分でも買って人にプレゼントした。親友の元東大野球部エースのS君はまとめて10枚も買ってくれた。
 急にこんなことを書くのは、アイルランド帰りのもう一人の親友S君がツイッターに書き込んだ、ボランティアとして被災地入りした経験を読んだからだ。DAYS Japanの広河さんは、地震が起きた直後に流れたツイッターやメールの内容を集めている。亡くなられた方々のライフストーリーを、記憶を語り継ぐ努力が求められていると感じた。
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