同じところに堕ちないと一緒にはいられないのでは

なんというかね。

流さないと対等になれなかったんじゃないのかね。

そんな気がする。
彼氏さんの告発が成功することが信用できなかったとかじゃなしに。

自分だけぬくぬくと普通に生きて、死んだ後極楽浄土に行くという選択肢が選べなかったんだろうなと。

彼氏さんにしてみれば、自分の代わりに彼女さんが死後極楽浄土に行ってくれれば、それがいくらか救いにはなったと思うのですが。


小説版の地獄少女を思い出しましたね。

ある少年の知り合いが地獄流しを行って、失踪。
その知り合いに興味を持ち、高校を中退して東京に出てきて。
失踪したその子を探していたら。

地獄流しをしてしまった人のコミュニティを見つけてしまう。

その探していた彼。
意味も分からず胸に地獄の刻印のタトゥーを入れていたせいで仲間だと思われてそのコミュニティに入れてもらえるんですけど。

あるとき、そのコミュニティにとって邪魔な誰かが現れてきて（確か新聞記者）
こう言っちゃうんですな「俺があいつを地獄に流しましょうか？」

これでバレちゃう。自分が地獄流しを行わなかったことが。
（地獄流しは一人一回。二度目はありえない）

で、その彼「嘘を吐いていてすみませんでした！お詫びに今すぐあいつを流して来ます！」

その言葉を聞いてコミュニティの人の一言「我々の話を聞いていたのに、出てきた君の言葉がそれ。その言葉が悲しいよ」

皆深く後悔めいた感情を抱いていたんですよね。

……今回の彼氏さんも悲しかっただろうな。彼氏さん、後悔はしてないと言ってはいたけど。
彼女さんが自分の代わりに極楽浄土に行くことが、心の救いになると。
そう思ってたはずなのに。



で、最後。
前回馬鹿３匹のせいで住んでた家を追われてしまうようなどん底生活になってしまった少年。
自分を地獄に流してくれと新地獄少女・ミチルに頼んでましたけど。

多分彼の恨みはホンモノだと思うんですよね。
何故あんなＤＱＮが家族のドライブについてくることを了承してしまったのか。
例え殴られようと「絶対に嫌だ！」といえば良かったんじゃないか。

自分に勇気がないせいで、両親を地獄に突き落としてしまった。
自分が憎い。

これは本物だろ。

果たして、自分で自分を地獄に送ることはできないわ。
これは本当なのでしょうか？

……ちょっと考えてみたけど、物見遊山で地獄を体験したいと、教え子に「自分を地獄に流してくれ」と頼んでいた馬鹿教師が居ましたよね。
かなり以前に。

そのときに「そんなに地獄が見たいなら、自分で自分を地獄に流せばどう？」なんてあいちゃん言わなかったから。

多分、本当なんだろうな。

でも、それでも。
言葉ひとつで、地獄から救われる人がいるのであれば、救いたい。
そう思ってはいそうですね。新地獄少女・ミチル。
あいちゃんはドライで、依頼人には感情を持たない仕事ぶりだったけど。
ミチルは「可能なら救いたい」ってスタンスで仕事をするんでしょうな。

……それが地獄の支配者の怒りに触れなければいいなと。
真剣にそう思いましたね。