人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

夢と現実の狭間に

2018-01-17 12:27:18 | 回想
23年前のこの日、夜中の何時頃かは定かでないですが、朝の5時46分より前、確かに私は地震に遭遇していました。
夢の中で ...。
割りと強い揺れだったので、飛び起きてしまいました。
そして「なーんだ夢かあ...良かった...」と安堵して再び眠りに就いたのです。
(後日調べてみて、ホントに明石方面で予震があったらしいですが、兵庫のずっと東の尼崎では分からないくらい弱い規模のものでした)
そして運命のあの時間が巡ってきて...
最初は一寸した揺れを感じる...「どうせ、これは夢なんだから、ほっといたら消えて行くんだ...」と、微睡みの中で、夢の幻想と決め込んでる私..と、すぐさま...
多くの人が証言していたような"ドーン"と突き上げるような衝撃...そしてかつて経験したことの無いような激しい揺れが襲ってきたのですi
一瞬にして部屋中の家具、動産がひっくり返ってしまいました。
電気をつけっぱなしにしていたのですが、すぐに消えてしまいました。家の中も外も真っ暗です。
すると、窓越しに外で稲妻のように、ピカピカと光ったのが目に飛び込んできました。異様な光景...
「これは地震だけでなく、何かとてつもないことが起きているのだろうか? ひょっとしてこれは、世の終わりなのか?」というものが過りました。確か先に見た夢では近くで火山(自宅近くにそんなのはありませんでしたが)が爆発していたから、そんな思いが沸いたのかも分かりません。
寝ていた私は本棚とか、一メートルくらい飛んできたテレビ器などで下敷きになっていましたが、イロイロなもので山になっている中を掻き分けるように、すぐさま外に出ました。(着の身着のままというけど、前の晩帰宅が遅くなったので、そのまま電気も消さずに外出着の格好で寝たのです)
外には私以外誰一人居ません。何事も無かったように静まり返っている...時折、そこ、かしこから"ひゅーひゅー"という音が聞こえてくる...
「なんという薄気味悪さだろうi」(後でこれは家々の家具等が動く時の音だと分かりました)
すると、私の足下を掠めるように、何か白い物体が道路を物凄い速さで横切っていく...白猫です。
私はまだ起こっている事態が飲み込めていないようでした。「これは夢なのか?」
やがて、懐中電灯片手に何かを探し歩いている人が通りがかる...
「もしかして、白い猫をお探しになっているのですか? でしたらさっき道路の向こう側にすっ飛んで行きましたよi」と、私が指差した方の家のブロックが無くなっていて、歩道に落ちているではありませんかi
「有り難う。さっきのはどうも淡路島の方が震源だったようですね...」そう言って、その人はそっちに向かって行きました。
「そうか、私は巨大地震に遭遇したのだi」
私はその言葉で大部現実に引き戻され、受け入れることが出来たようです。(猫ちゃんは見つかったのかな?)
よもやこの地でそんなことに遭遇することになるとはi
辺りが明るくなってくるにつれ、その現実はまざまざと浮き彫りにしていました。アチコチで煙が上がっている、家が倒壊している...
しかし、その恐ろしい揺れにも関わらず、私の近辺は隣駅の西宮北口や、神戸三宮辺りの惨状の比では無かったのです。
翌日には、私のところの最寄り駅から梅田までの区間は復旧し(これが奇跡のように思えました)、会社に出勤しました。行き交う人たちの話は地震のことで持ちきりでしたが、見た目何も変わっておらず、普段の日常そのままです。それを思うと前日の出来事はやはり夢のように感じられました。
直接その恐ろしい揺れを経験している人と、それほどでもない人との話ぶりの違いはハッキリ分かりました。
まるで見た来たようなことを平然と語る人を見ていて、「何を夢みたいなことを言ってるのだろう」と思いました。
私はしかし、この震災での本当の惨状というものに直面していないのです。
現に勤務が出来ており、電気はその日のうちに復旧したし、何日も食にありつけないことになったことも無いのです。
普段のままの日常と、日常を絶たれた生活を余儀なくされる現状の狭間に居たのかもしれません。
それは夢と現実の狭間のように感じられました。
ただあの恐ろしい揺れというものは、「何がどうなってもおかしくないほどのものだったi」とはハッキリ言えることです。
画面を通して伝わるものでなく、目の当たりにしたもの...本当に驚くべきニュースとはそういうものでしょう...。


コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする