教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

教師と燃え尽き症候群

2017年06月13日 19時04分53秒 | 教育研究メモ
 新井肇『「教師を辞めようかな」と思ったら読む本』(明治図書、2016年)。とても明快な文章で読みやすい良い本です。

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 バーンアウト(燃え尽き)とは、教師・カウンセラー・医師・看護師などの対人援助職に特有のストレスとさす概念で、単なる疲労とは異なり、「長期間にわたり人を援助する過程で、解決困難な課題に常に晒された結果、極度の心身の疲労と情緒の枯渇をきたす症候群であり、自己卑下、仕事嫌悪、関心や思いやりの喪失を伴う状態」と定義されます。[略]
 [教師は]人相手の仕事であり、その成果がすぐに見えないために、適切なゴール設定ができずに頑張りすぎ、過剰に仕事にのめり込んでしまう場合も少なくありません。[略]
 バーンアウトに陥りやすい性格としては、
 ①ひたむきで、多くの仕事を熱心に完遂させようとし、達成できないとそのことに悩む。
 ②妥協や中途半端を嫌う完璧主義的傾向が強い。
 ③理想主義的情熱に駆り立てられる。
 という特徴があげられます。

 メンタルヘルスの観点からは、真面目な教師こそ、バーンアウトに陥りやすい性格の対極に位置する「心の柔らかさ」をもつことを望まずにはいられません。
 心を柔らかに保つためには、次のような心の構えが大切であると思われます。
 ①物事を楽しめるしなやかな心をもつこと
 ②いろいろなタイプの仲間の存在を相互に認め、尊重すること
 ③人を支え、人に支えられることを厭わないおおらかさをもつこと
 [略]悩みを抱えたときに弱音を吐いたり相談することは恥ずかしいことではないこと、また違う個性が助け合わなければ一人では何もできないことを教師同士が認め合うことが、職場の同僚性を高め、教師のメンタルヘルスの向上にもつながっていくのではないかと思われます。

 (新井肇『「教師を辞めようかな」と思ったら読む本』明治図書、2016年、17・19~21頁)
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