教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

まんがで知る教師の学び、子どもの頃から哲学者(紹介)

2017年04月22日 23時55分55秒 | 教育研究メモ
 こんばんは。
 相変わらず仕事を一つ一つこなしていたら一日が過ぎていく毎日を過ごしております。4月1日からほぼ休みなく続いていた仕事が、やっと一段落しました。ちょっと燃え尽き気味です。

 さて、ここで久しぶりに少し本を紹介しましょう。肩の力を抜いて読めますが、とても勉強になる本です。
 まずシリーズもの。

・前田康裕『まんがで知る教師の学び―これからの学校教育を担うために』さくら社、2016年。
・前田康裕『まんがで知る教師の学び2―アクティブ・ラーニングとは何か』さくら社、2017年。

 両著は題名にもありますようにマンガです。絵は、われわれ中年世代が懐かしく感じるような、学習マンガのような印象ですが、とても描き慣れておられる感じを受けます。著者の前田氏は、熊本の現役小学校教員(今は教頭先生)。教育技術法則化運動の立役者・向山洋一氏とも長い交流のある実践家のようです。前田氏ご本人も、「前田式絵画指導」という技術を開発されています。
 両著とも、教師の学びをテーマとしており、「学び続ける教員」の実像を伝えてくれます。学び続け、教育研究に取り組み続ける教師のありかたをわかりやすく知るために、とてもいい導入書です。学生にはぜひ読ませたいです。

 ではもう一つ紹介。

・苫野一徳『子どもの頃から哲学者―世界一おもしろい、哲学を使った「絶望からの脱出」』大和書店、2016年。

 苫野氏は私と同世代、『どのような教育がよい「教育」か』(講談社、2011年)で出版デビューした新進気鋭の教育哲学者です。『どのような教育がよい「教育」か』を最初に手に取った時、同世代がこのような大きなテーマを単著で書き切ったことにとても驚いたことを憶えています。その後もたくさん書籍を出版されています(『教育の力』『勉強するのは何のため?』など)。最近は、理想の私立学校をつくろうと頑張っておられる様子。
 この本は、苫野氏の自伝を通して哲学のおもしろさを伝えようとした本です。躁鬱に苦しんだご自分の若い頃を、わかりやすく哲学の思考法を使って分析しています。とてもわかりやすい。難解な哲学をここまでわかりやすくしていいのか、と心配になるほどにわかりやすい本です。心の息苦しさを感じながら生きている人のために書いたとのこと。生きるのがしんどい人や、他人とつながりたいけど苦しいと感じている人には、この本は絶対にひびくと思います。しんどそうに生きている学生にはぜひ読ませたいです。
 私も、かつての自分に重ねながら、一気に読みました。似たような生き方・感じ方をしていた人が、同業者にいたのだなと勝手に思っています。具体的な事例はもちろん異なりますし、苫野氏ほど私は頑張っていませんでしたが。

 本を紹介する、と言いながら、内容を伝える余裕がない。余裕はないけど、これらの本の存在をみんなに伝えたい。そんな気持ちで書きました。ぜひ手に取ってみて下さい。
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