白鳩さんがモンコレで駄弁るブログ

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聖炎の女神スケグル(続き)

2010年04月14日 20時04分48秒 | 連載カード考察企画
スケグルに関して運用や対処法の云々を書き出すのは
スケグルデックで使われるカードの選択肢が膨大すぎて無意味なので
今回はQ&A形式でスケグルというカードのヤバさを
補足説明したいと思います。


なぜスケグルはSレギュレーションでは目立たなかったのか?
それだけSレギュ後期のカードが強かったからか?


違います。
単純に当時のワルキュリアが即時不可だったためです。
当時でも即時召喚可能な弾が同じだけあったら
Sレギュ末期のデックとでも互角に戦ったでしょう。


スケグルデックは消耗が激しいデックではないか?


能力の発動に手札を消費する点を指して
言っているのであれば乱暴な考え方です。
ワルキュリアorエンジェルのユニットカード1枚は
魔力のスクロールや滅びの粉塵と同じ1枚です。
払いやすさではユニットカードのほうが圧倒的に軽いはずでしょう。
通常、パーティが完成すると
1回くらいは使い減りしない能力だけでコンボが撃てたり
オークやバードマンであれば先に高い攻撃力で攻撃出来るので
1回は相手に先に対抗を使わせる事が出来たり
ドワーフのような後攻デックであれば
普通のデックの攻撃力なら手札を使わないと全滅しないので
やはり1枚は先に手札を使わせる事が出来たりします。
それらと比較すると、手札を消費しないと
最低水準の戦闘が不可能なスケグルは消耗が激しいといえます。
しかしこれは長期戦に対応したアレンジを加える事は難しいが、
特に継戦時間が短い弱点があると言えるレベルでもないです。
一気に勝負を決めたほうが強いから大量に手札を回して
短期決戦を仕掛ける戦術を取っているなら消耗は激しくなりますが
それは消耗戦術が強いから選択しているというだけであって
デックの弱点として消耗の激しさがあるというのとは違います。

Qスケグルは事故りやすいデックではないか?


ピーキーな構築をしていないのであれば
そうとは言えないでしょう。
指輪と指輪でしか使いきれないほどの複合スペルを
大量に積んでいるから事故るのは、
そういう構築をしているからであって
これはデックの性質的な弱点とは別に考えなくてはなりません。
虹の詰った指輪を装備して常に6対抗をキープし
全戦闘を完勝で本陣陥落勝ちできた試合以外は全部事故、
ということであればモンスターコレクション史上に存在するデックに
事故り辛いと言えるデックは1つも存在しません。
スケグルをデックとして評価した場合、
聖主体の3・5デックの形に縛られること、
スケグル以外の主力戦力を投入しづらい事が
若干の縛りというか、弱点ではあります。
3・5デックは本陣に1度に2体までしかユニットを召喚できないので
(レベル2を引けたときだけ3体まで呼べるけど)
少し回転力展開力で不自由さを感じるデックではありますが、
今のGレギュではかなり融通されている形態です。
リミット5、8、10に自動的に対応する事が出来、
今のカードプールでグッドスタッフをピックアップすると
それは大抵レベル3か5であるはずなので
対応力の確保もしやすいからです。
モンコレでは単一の攻撃手段だけがずば抜けている
ピーキーな揃えば勝ちだけのデックが
環境に最強デックの一角足り得る事は出来ません。
総合的なポテンシャルが高く、
苦手な状況にも対応できるアレンジが可能で、
最終的に完成する1つのデックが
全てのデックに有利が付く最強のデックになるわけではないものの
構築次第でどんなデックにも不利が付かないように
調整できるデックでなければ
本当に強いデックの中に残ったりはしません。
スケグルにはそれに適うポテンシャルがあるという事です。
スケグルが指輪を使う構築は
スケグルデックに可能な調整の1形態に過ぎず、
現状の環境化ではベターな選択とされていますが
環境が変わればまた違う形の(安定性や長期戦にも対応した)
スケグルデックが開発されていくでしょう。
はじめからピーキーな構築を前提にし、
ひとつの戦法が通じないデックには無力化する
ニュークゴーレムデックや錬金銃デックとは
全く事情が異なるという事です。
ポテンシャルが高いのでピーキーな構築も選択できるだけなのです。
指輪を入れても事故率が許容値に収まるから
今のところは入れたほうが強いと考える人は多いでしょう。
他のアイテムデックでは
指輪ははじめから選択肢にも上がらない事が多いわけですから
それは他のデックからすれば贅沢な悩みなのです。
普通より安定性が高く事故り辛くて
他の戦術要素を同居させても型が崩れない基本があるから
成立する話なのです。
ただし今のデックは英雄と普通の種族王で
メインカードがデックに6枚あるのが普通の環境ですから
それと比べてしまうと主力パーティが揃うまでの
平均所要時間がかなり長めであることは確かでしょう。
そのくらいです。


スケグルは地形ロックなどに弱いのでは?


飛行進軍でほぼ統一されている3・5デックが
ロック戦術に弱いという事はありません。
環境に存在するほとんどのデックは
白夜の空が苦手で鋼の門では大型ユニットに勝てず、
悪くするとトンネルに入れないものです。
歩行主体のデックもその条件で戦っているのですから
トンネルに入れて飛行展開も出来るスケグルが
地形ロックが苦手なんて言えないでしょう。
展開戦で普通より不利が付く要素があるとしたら
昔からある場所が配置されたときくらいです。
しかしそんなのは偶数歩行デックにとってのトンネルに比べれば
どうという事はありません。
現在、リミット7以下の地形はトンネルしかありませんから
リミット5、8、10に対応できて
デックの大半が飛行ユニットで構成されたデックは
最も地形ロックが通じにくいデックのひとつといっていいです。


スケグルは防御力3の重対抗型ユニットだから
対抗不可には不利ではないか?


スケグルが居るために対抗不可の威力は
3点程度が基準にされているというのは事実だと思います。
ですがこれをもってデック間において
メタの関係が成立しているかというと疑問ですね。
スケグルにはイニシアチブ対抗や先攻を確保する手段を
講じる余地があり、それをされると対抗不可デックは無力ですから。
やはりスケグルのポテンシャルの高さがものを言います。
そもそも指輪を使うのも
対抗不可という戦法に対策するためという理由がひとつでしょう。
十分な対抗不可対策を積むだけの余裕があるんですから
多少不利かもしれないがどうにでもなる範囲だと思います。
他のコンボデックはもっと大変な条件で
対抗不可と互角以上に戦っていませんか。


将来的に儀式地形が追加される事でスケグルは弱体化するか?


今のところ公開されているデススペルの威力を鑑みると
勢力としてどこまで弱体化するかは懐疑的ではないかと思います。
英雄カードを対象から外している時点で
スケグルに限らず非英雄のユニットを要にするデックが
全部弱体化する事は確実なので
それを理由に英雄デックに乗り換える人もでてくるでしょうが
何度も言うようにスケグルはポテンシャルが高いデックです。
ポテンシャルが高いデックは多少不利なカードが登場しても
それに対応する構築の余地があるから本当に強いデックなんです。
現在のデススペルはコスト的に
指輪装備のスケグルを殺すときくらいしか
代償に吊り合った戦果を上げられないので
スケグルの強さを意識してデザインされたカードで
ある事は明白でしょう。
が、それが逆に問題です。
「今の」スケグルデックをピンポイントでメタりすぎだからです。
モンコレでは過去に対象範囲が狭すぎる対策カードが
何枚も登場しましたけど
それが現実に強豪デックに通用してきたでしょうか。
他のデックに対しても戦果を上げられる強力さがないと
まずそれほど使われませんし、
あんまり使える状況が限定されすぎると
少し弄るだけで魔神掌3積みのデックにも不利が付かない
スケグルデックというのもわりと組めるものです。
今のスケグルはSレギュ初期の指輪デックよりは確実に強いのに
Sレギュ初期より弱体化した儀式が通じるかといいますと。
最終的なメタの読み合いでバランスの帳尻を取れるカードが
登場することは無駄ではないですが
実際に被害を食ったのはスケグルデック以外の
非英雄デックだけだったというのは良くある話です。
というわけでデススペルはもう少し強くてもいいと思いますよ。


ならばキキーモラのほうきが登場したらどうなるか?


甚大な被害は被るでしょうが、
最も被害を受けるデックのひとつではありません。
スケグルデック以上に壊滅するデックが沢山でてくるでしょう。
また基本が5/5/3のスペル*アイテム1で
相手にも常動能力、宣言能力が存在しないならば
それはそれで戦いようがあるものです。
スケグルのコストは召喚して戦わせても
平均レベルの戦闘力は有するワルキュリアたちです。

聖炎の女神スケグルの聖炎のカーテンで支払うコストは
Gレギュで最低レベルに小さいものです。
にも拘らずその効果で対抗可能な有効範囲は
Gレギュレーションで最大レベルの広大さを持ちます。
(ロマンシングストーンが登場するまで
 コンボを除く最大の有効範囲といってもよかった)
これはひとつの観点においてモンコレゲームシステムの
理論上の最強を具現したといっていいデザインです。
しかし本当に強いのはこの能力を
3・5レベルのスペルアイテム完備のデックに
装備させる事が出来るという事で、
大きな弱点の発生しないデックが組める事が強いのです。
弱点と言える弱点を挙げるなら
戦闘能力が常に手札に依存するので
どんな最悪の手札でも最低限1回は使える対抗、
手札無しでも戦える攻撃力防御力、
というのがないこと。
(厳密にはレベル3の選択肢が無限なので
 調整でフォロー可能です)
つまりカードの引き運で常に大ハズレはしない事が
運用の前提となることが挙げられるでしょう。
ダイヤグラムでどのデックに対しても勝ち越す成績を残せるが
大差で勝てる仮想敵も居ない。
スケグルデックはそういうデックだと言えます。
しかしそれが本当に弱点かというとむしろ強みでもありますよね。

将来的にスケグルデックが弱体化する事があるかというと、
英雄の戦闘力のインフレで埋没していく部分はあると思います。
ただし決定的な対策カードがデザインされて
今の環境の中堅レベルデックがその対策カードを投入する事で
スケグルに互角で戦えるようになったりするかといえば、
魔神掌では今の指輪スケグルはどうにかなるけど
スケグルデック自体はどうにか抜け道を見つけてくるのでは。
ただしアベレージが下がると優勝狙いで使えるデックでは
なくなるので使用率は下がるかもしれませんね。
それならそれで初心者苛めのデックとして
悪名をとどろかせそうですけど。
レベル3or5でデックを問わず使えるような英雄だと
そのまま使えてしまうのもスケグルの強みですから
英雄の戦闘力の向上はスケグルデックにも利となります。
スペル*枠とアイテム枠を持つスケグルは
レベルさえあっていれば常備枠の色の違いで
選択肢から外れるという事がないためです。
レベル3・5がハイスペックなのは英雄も変わりませんから
レギュレーション落ちするまでは現役ではないですかね。

カード考察第22回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
星剣姫で再収録された破壊神以前のカードは含まれます。
この記事のコメント欄でもふるってご応募ください。

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2 コメント

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考察有難う御座いました。 (ShuU)
2010-04-15 21:44:43
アイテム&スペルが止められるスケグル。
また、専用デックでの代償の軽さも理解できます。
さらに蒼天近衛で8/10/8アイテム2&聖*。
この4枠で特殊能力も止まり隙が無い。
地形以外の対策が難しいことが良く分かりました。

ということで、以下をリクエストします。
《虹のつまった指輪》
以上、宜しくお願いします。
Unknown (白鳩)
2010-04-17 05:47:24
虹のつまった指輪あげました。

いえ、スケグルは地形ロックでも
なかなか倒せる相手ではないですよ。
そもそも地形ロックは戦局を停滞させるだけで
相手の地形を落とせないのでは互角以上には
なれない戦術なので
相手の苦手地形を入れるだけでは微妙な対策です。
パーティを完成させてから攻め込むタイプのスケグルには
決定力にならないのでは。
そのデックがノースペルアイテムの白夜トンネルだったら
能力が効かない事も合わせて
互角以上になれるでしょうが。

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