太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

「enough said」

2013-10-06 21:08:06 | 勝手な映画感想



いいロマンス映画を観た。

特に恋愛ものは、それを見たときの自分の年齢や、人生の状況によって

心に響いたり、響かなかったりする。



その昔、ジュリア・ロバーツの「プリティ・ウーマン」が話題になった。

当時、こじれにこじれた恋愛をしていた私は、

何回も観た、と感動する人達の中で一人だけ、できすぎたストーリーに醒めていた。

「タイタニック」の時にも、

何度も泣いた、と感動する人達の中で、どうして私は感動しないのか自分で不思議なぐらいだった。

「ギルバート グレイプ」以外の映画での、ディカプリオが、あまり好きじゃないからかもしれないけど。



今回のこの映画が、「よかった」と思うのは、

私がこの年齢で、こういう人生状況だからなのだろう。


主人公の ジュリア・ルイーズ・ドレイファス が、美しすぎず、妙に若すぎないのがいい。

ジェイムズ・ガンドルフィーニも、全然かっこよくないのがいい。

アンジェリーナ・ジョリーが、いくら演技がうまくても、冴えない中年役にはなかなかなれない。


離婚暦があり、成人に近い子供がいて、

恋愛は億劫だと思いながらも、まだ男や女の部分を捨てきれない中年たち。


ジュリアや、ジェイムズの、不器用な感じが、

自信がなくて、でも求めたくて、求められたくて、

嬉しくて、臆病で、かっこ悪いぐらいの感じが、妙に心を揺さぶる。


燃え上がるような激しさも、争いも、有頂天になることもないけれど、

それがまた現実的で、気がつくとすっかり映画の中に入り込んでいる。

日本での公開は、ちょっと先かな。



四十代以上の人におすすめ。


かえすがえすも、ジェイムズ・ガンドルフィーニの急逝が惜しまれる。

少年のようなつぶらな瞳が印象的だ。









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