いいロマンス映画を観た。
特に恋愛ものは、それを見たときの自分の年齢や、人生の状況によって
心に響いたり、響かなかったりする。
その昔、ジュリア・ロバーツの「プリティ・ウーマン」が話題になった。
当時、こじれにこじれた恋愛をしていた私は、
何回も観た、と感動する人達の中で一人だけ、できすぎたストーリーに醒めていた。
「タイタニック」の時にも、
何度も泣いた、と感動する人達の中で、どうして私は感動しないのか自分で不思議なぐらいだった。
「ギルバート グレイプ」以外の映画での、ディカプリオが、あまり好きじゃないからかもしれないけど。
今回のこの映画が、「よかった」と思うのは、
私がこの年齢で、こういう人生状況だからなのだろう。
主人公の ジュリア・ルイーズ・ドレイファス が、美しすぎず、妙に若すぎないのがいい。
ジェイムズ・ガンドルフィーニも、全然かっこよくないのがいい。
アンジェリーナ・ジョリーが、いくら演技がうまくても、冴えない中年役にはなかなかなれない。
離婚暦があり、成人に近い子供がいて、
恋愛は億劫だと思いながらも、まだ男や女の部分を捨てきれない中年たち。
ジュリアや、ジェイムズの、不器用な感じが、
自信がなくて、でも求めたくて、求められたくて、
嬉しくて、臆病で、かっこ悪いぐらいの感じが、妙に心を揺さぶる。
燃え上がるような激しさも、争いも、有頂天になることもないけれど、
それがまた現実的で、気がつくとすっかり映画の中に入り込んでいる。
日本での公開は、ちょっと先かな。
四十代以上の人におすすめ。
かえすがえすも、ジェイムズ・ガンドルフィーニの急逝が惜しまれる。
少年のようなつぶらな瞳が印象的だ。
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