部下たちのやる気を高めてもう少し熱心に働くように仕向けたいのなら、方法はいくらでもあります。
ボーナスを出したり、職業訓練の機会を与えたり、管理職向けには豪華な特別待遇を提供したり、
といった方法はいずれもやる気を引き出すでしょう。
しかし、すでにお気づきのように、それらの選択肢には問題があります。
それは、多額のコストがかかること。会社にはふつう、そんなお金の余裕などありませんよね。
しかし、心配は無用です。あなたは運に見放されたわけではありません。
マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院の幹部教育プログラムは最近、
費用を一切かけずに簡単に実行できる従業員向けの新しい方針を試用し、
そこで得られた好ましい結果を「ハーバード・ビジネス・レビュー」のブログで公開しました。
フレックス制の導入は無料
この魔法のような特別待遇とは、一体どういうものでしょうか? それは、従業員の就業時間と就業場所を、
従来よりもはるかに柔軟に設定した新方針でした。MITのDean Peter Hirst副学部長は、この新しいプログラムを4つのポイントから説明しています:
第1に、オフィスのあるマサチューセッツ州ケンブリッジへのつらい通勤が週2日か3日は回避できたおかげで、
職員のストレスが驚くほど軽減されました。
それは職員にとってうれしいことですが、プログラムの最終結果としても良い知らせだと、Hirst氏は指摘します。
通勤する車の中でイライラすることが少なくなれば、「職員はより健康かつ幸せになるので、急な病欠が減ります。
人材管理の研究団体『Society for Human Resource Management』が2014年に実施した、
職場におけるフレックス制に関する調査では、調査に参加した企業の3分の1において、フレックスタイム制の導入後に、
常習的な欠勤が減少したことがわかりました」とHisrt氏は書いています。
第2に、悪天候に見舞われることが多いボストンのような土地では、このプログラムによって、
職員が雪や氷と格闘しながら職場に行く必要がなくなるため、生産性が向上しました。しかし、
穏やかな天候の土地に住んでいたとしても、実際にはフレックス制によって従業員の勤務時間が減るどころか増加することが、
他の研究で判明しています。
新しい方針を導入したことによる効用のなかで、Hirst氏が最も驚いたのは、職員の信頼感が大きく増したことでした。
「プログラムをスタートしたとき、このプログラムが職員に対する信頼感を伝えるものになるとは考えていませんでした」とHirst氏は説明しています。
「つい忘れてしまいがちですが、定時で働くような従来の労働慣習の場合、従業員の職務遂行能力をあまり信頼していないかのような印象を与えがちです。
今回のプログラム導入後に職員の意見を聞いたところ、62%が、自分は以前より信頼され、尊重されていると感じると答えました」
お金をまったくかけずにチームのやる気を引き出す方法は他にもある
就業時間にある程度の柔軟性を持たせることは、お金をまったくかけずにチームのやる気を引き出す上で、有益かつ喜ばしい方法です。
しかし、研究によると、これが唯一の方法というわけではありません。
お金をまったくかけずにチームのやる気を高める他の方法については、英文ですがこちらの記事をご覧ください。