むらくも

四国の山歩き

御在所岳…鈴鹿山脈

2016-11-12 | 四国外の山
御在所岳       ございしょだけ


山行日        2016年11月4日
標高         1212m
駐車場        湯の山温泉バス停付近に有料あり(普通車1日800円)
            その他鈴鹿スカイライン沿いの登山口に無料有り
登山口        鈴鹿スカイライン沿い中道登山口
下山口        湯の山温泉翠明橋奥にある裏道登山口
トイレ        バス停付近、山上公園内レストランなど各施設、藤内小屋
水場         山上公園、兎の耳付近沢、藤内小屋
メンバー       ピオーネ、むらくも




琵琶湖と伊勢湾に挟まれるようにして、南北に伸びる鈴鹿山脈があり、直線距離にしておおよそ50kmある。
北には関ケ原の南西にある標高1083mの霊仙山から始まり、伊賀・甲賀市境に聳える標高693mの油日岳まで続いている(鈴鹿峠までとする説もあるが…)。
最高峰は標高1247mのカルスト台地の御池岳、第二位には1238mの雨乞岳、そして第三位は日本二百名山に選ばれている標高1212mの御在所岳がある。
因みに御池岳は田中澄江さんの著書で有名な花の百名山でもある。
参考までに鈴鹿山脈の北部には花の百名山が三山あって、御池岳の他に霊仙山、それに日本三百名山の一つである標高1144mの藤原岳は特に花の種類が多く、田中澄江さんはこの山を「花の百名山」「新・花の百名山」両著書で紹介している。

花の三山は石灰質の山だが、御在所岳は主に花崗岩から成り立っており、藤内壁はロッククライミングのメッカでもある。
麓にある湯の山温泉で一晩泊まり、鈴鹿スカイライン沿いにいくつもある登山口から好きなコースを選んで、ゆっくり周回するのはなんともいえない魅力がある。
また奇岩の多い山容と、山頂までロープウェイがついていることからも、小豆島の寒霞渓に似たところがあって、秋のこの季節はねらい目だ。
花の名山藤原岳と霊仙山は他の季節に譲ることにして、秋の遠足は紅葉の景勝地御在所岳と鈴鹿山脈最高峰の御池山の二山に絞った。



前夜、湯の山温泉西にある道の駅「菰野」で車の中で寝た。
すぐそばには近鉄湯の山線が走ってて、絶えずウンゴロカッタンコットンと煩く一晩中音を立てていたが、いつのまにかぐっすり。
朝6時前には走る電車の音がちょうど目覚まし代わりになって、何度か通ったのだろうが、頃よく目覚めさせてくれた。
布団を頭から被って寝ているまん丸顔のドッヂボールのような妻の頭をペヒリと叩き起こす。

前日に、鈴鹿スカイライン沿いを滋賀県八日市から峠を越えて走り下りてきたが、その日は祝日であったこともあって、スカイライン沿いにあるいくつかの登山口にはたくさんの車が駐車していた。
なおかつ駐車場をはみ出して延々と道路縁にも止められており、登山口から駐車地点までの長い距離の車道を歩いている人をたくさん見かけた。
紅葉シーズンのこの時期は観光客や登山者が詰掛けて、平日とはいえ油断ができない。
駐車場が満杯になってはいけない、湯の山温泉へそれ急げ。

朝焼けの御在所岳を正面に眺めながら鈴鹿スカイラインから577号線へ入って、ぐちゃぐちゃっと走ったところにバス停があって、その手前の三滝川渓流沿いにトイレのある広い駐車場があった。
有料で普通車一日800円だった。
スカイライン沿いの登山口付近には無料の駐車場があるが混んでそうだし、中道尾根と裏道を歩いての周回にはここがよさそうだ。
湯の山パーキングセンターの管理をしているお土産物屋さんに料金を払い、登山口までの道を訊いて出発。
時刻は7時50分だった。


   湯の山温泉バス停                   涙橋

バス停にはドテッパラと後部にかもしか号と書かれた赤いバスが停まっていて、傍らには御在所岳への道標が立てられており、登山口まで案内してくれる。

時は元禄15年10月10日、夜も明けきらぬ朝、大石内蔵助が愛人小柴太夫との別れを惜しんで涙してこの涙橋を渡ったという。
そっか、愛人がいたんだわ、うーん。
橋を渡りながら、奥さんはその頃どんな気持ちでどうしてたのかなとつい余計なことを考えてしまう。      

      古い温泉宿           表道・中道・武平峠・鎌ヶ岳分岐口
良雄(内蔵助のこと)は愛人とこの宿に泊まっておったのか!(ウソじゃ)
近くには内蔵助が立ち寄ったという大石公園があって、それを横目に道標に従ってほどなく進んだ分岐のところで登山届のポストがあった。
ポストの下には行方不明者のポスターが貼られており、9月12日、80才、登山歴10年、年50回ほど御在所岳の一般道を繰り返し歩いていたとのこと。
9月中旬は台風がいくつも発生し、お天気があまりよくなかった時期でしたが、ガスがかかって視界がよくなかったのでしょうか。
他人事とは思えませんが、日数がだいぶ経過していて心が痛みます。
妻が届書に記入して、ポストへポトン。

スカイラインへ出たところが中登山口で、道路沿い上下にそれぞれ駐車場があるが、マイクロバスが停まったりで、大勢の方たちがたむろっていた。
今日は平日だのに人気がある山です。
この様子だと、昨日(祝日)は相当な人が押し寄せてたことでしょう。
明日は土曜日、今日という日でよかったわ。


    ロープウェイ下通過            負ばれ石

植林の中を進むとすぐに自然林の急な登りになる。
20分ほどで分岐があって、右にとると裏道の日向小屋の上に出る。
ここは左へ振り尾根を辿る。
空を見上げるとまだ朝の気配を残した陽がサンサンと山に降り注ぎ、ロープウェイの小さめな赤いおもちゃのようなゴンドラが頭の上をいくつもいくつも通過して行く。

大きな負ばれ石という奇岩が現れた。
子守をするときに赤ちゃんを背中にを負ぶうというが、この石は負ぶった石よりも負ばれた石のほうが大きくて、いかにも重たそうで、負ぶった石は力負けしてそのうち倒れるんじゃないかと思う。


              ロープウェイ山上駅と御在所岳東面
空気はひんやり乾燥していて、気持ちがいい。
急峻な山肌に白い鉄塔が立ち、目にまぶしい。


                  ゴンドラと鎌ヶ岳
ゴンドラが次々と運ばれてくるその奥にはキューピーのような尖った頭の鎌ヶ岳がおいでをしているように見えたが、ちと遠くからの者なので遠慮しておくことにした。


       伊勢湾方面              850m付近
出発地点の温泉街が標高350mほどだったので、おおよそ500mほど登っただろうか、尾根筋のあちこちにある岩場からは展望がよく、遠くには伊勢湾が霞んでいて、辺りの木も一段と紅葉が鮮やかになっている。


                 地蔵岩
今年の紅葉は厳しい残暑が長く続いたことと、秋雨前線の停滞や相次ぐ台風の影響で長雨が続いたことにより、高所では芳しくない。
むしろ、これからの冷え込みにより里山や麓のほうが紅葉は期待できそうだ。


     ゴロゴロした岩場              キレット
ちょっとばかし危なっかしそうなところに差し掛かった。
昭文社などの山地図には先ほどの地蔵岩あたりと、この場所に㋖マークが入っている。
負ばれ石あたりから上は花崗岩の瘦せ地なので、ツツジ系の樹木には適していて、春には奇麗らしいのですが、ガスが発生したりすると迷いやすく危険なのだそうだ。
下りなので怖さが倍加します。
鎖がついてるのでそれを補助にしながらゆっくり慎重に下った。


       梯子              富士見台
キレットを過ぎると林にすっぽり包まれるが、春に来るとアカヤシオ(アケボノツツジ)で全山ピンク色に染まるんだとか。

歩きだしておおよそ3時間、標高おおよそ1190mの富士見岩展望台に着いた。


         東面                 東面下とロープウェイ
山頂へはもう少し上らないといけないが、とりあえず、紅葉真っ盛りの景色を眺める。
富士見台へはロープウェイの山上駅から近くて、何人もの人々が入れ替わり立ち寄っていくが、みなさん景色に心を奪われているのかシーンとして静か。


                   富士山方面遠望
ときには富士山が遠くに見える日もあるようだが、今日は生憎見えていなかった。


     中央左奥に御池岳、その右に藤原岳、右端手前に釈迦ヶ岳
鈴鹿山脈の一部である御池岳、藤原岳、釈迦ヶ岳が一望できた。
手前は国見尾根で、尾根上に白く小さく点のように並んだ奇岩(天狗岩・ゆるぎ岩)が写り込んでいる。
この尾根の手前渓側が復路に歩く裏道ルートがある。


                     朝陽台
朝暘台では大勢の人がいて、三々五々銘々に深まる秋の山を楽しんでいた。


        望湖台           鈴鹿山脈南方面(手前に長者池がある)
こちらは望湖台、琵琶湖が見えているような見えてないような、目が悪い私には厳しい。
左奥にある山は雨乞岳のようだ。
南方面には鎌ヶ岳の尖がり頭、その他の山はよくはわからない、山脈南端の油日岳は残念ながらもっと右のほうでほとんど霞んでいて見えなかった。


         朝陽台              御在所岳山頂
山頂から朝暘台を眺める。
山頂には一等三角点が埋設されている。


      三重・滋賀県境                 スキー場
三重と滋賀の県境を跨いでヤッターと叫んでほくそ笑む妻。


        芭蕉池                こもしか君
水芭蕉の咲く芭蕉池、4月の20日ごろから5月初めにかけて、咲くとのこと。
小さな鯉が一匹泳いでいた。

山上公園にあるレストランで名物の御在所カレーうどんを頂いた。
麺は伊勢のもちもちっとしたうどんで、トッピングには豚の角煮。
豚の角煮はあまりにもふんわかとやわらかだったので、妻が間違って「麩」が載ってるわと言った。
それ豚の角煮やでと訂正したら、大声でウソと叫んだ。
お店の人が一斉にこちらへきつい軽蔑した視線を投げてきた。
慌てて、おいひーって言いなおしたわ。

レストランを出ると、ご当地ゆるキャラの「こもしか」君が、子どもたちと記念写真を撮ってご満悦。
菰野町の「こも」とカモシカの「しか」を捩ったものだそうだ。
妻がカメラを向けると、即ポーズ、かわいいね。


       国見岳                      裏道
国見峠に向かって下山開始。
下り坂で体が揺れる度に、ゲップ。
カレーうどんと豚の角煮の匂いが胃からこみあげてくる。


            藤内壁(一部)
裏道は谷へ向かって一気に下るが、右手には岩壁がそそり立っていた。
ここはクライマーたちがトレーニングに訪れる藤内壁という有名なところ。
わたしたちノーテンキ老ハイカーはおよびじゃない。
写真はたぶん、前尾根の下部を撮ったのじゃないかと思ってる。
藤内壁全体はもう少し雄大で、これは藤内壁のごく一部のようです。


         藤内沢               兎の耳
大きな岩がゴロンと転がる藤内沢へと下りてきた。
若者三人が沢を歩いているのだが、岩に比べて人が小さく、どこに写り込んでいるのかわからない。
兎の耳という奇岩に出合った。
うさぎの顔と耳に見えますね。


       藤内小屋                 藤内沢木橋
大きなごろ石のところどころに赤ペンキが施されており、それを辿って新しいトイレのある藤内小屋に着いた。
小屋の前には缶ビールやジュースの飲み物が冷たい水で冷やされている。
ロッククライミング用の道具を身につけた方が楽しそうに話をしていたりして、ここはクライマーたちの集いの場所のようです。
わたしたちも一休み、熱いコーヒーでホッと一息!


        日向小屋                 鉄橋①
この渓谷は2008年の豪雨でかなり流され荒れたようで、当時の道も消失してしまい、大きく迂回する新しい登山道が作られたようです。
新しく建て替えられた日向小屋は迂回する新しい登山道からは離れておりました。


           壺                   鉄橋②
やがて、前方にスカイラインに架かる大きな青い鉄橋が見えてきた。
登山道はY字に別れ、一方は左谷川へ下ってゆく、もう一方は上に向かっていた。
傍に道標があった。
上への道はスカイラインへ出るようだ。
左下は裏登山口への道だった。
どちらへゆくか迷って、立ち止まったところへ、スカイラインからカジュアルな服装をした女性が降りてきた。
女性の話ではスカイラインへ出ると、そこから湯の山温泉へは遠いとのこと。
一瞬スカイラインへ出ようと思ったりもしてたので、この情報はありがたかった。
スカイラインの高く見上げるように大きな橋げたの下の登山道をくぐって歩く。


   ロープウェイ山麓駅            裏道登山口
ロープウェイの下を通り、14:40、見覚えのある裏道登山口に下山した。
今夜は山上のレストランで予約した宿の温泉につかり、のんびり寛ごう。
明日は御池岳が待っている。

この山は田中澄江の「花の百名山」に次のように書かれている。
…御在所岳は麓に湯の山温泉を持ったのが不幸で、ロープウェイで運ばれた頂上付近の、遊園地化には、胸も凍るまでの衝撃を受けたが、まだまだ鈴鹿には原始の姿がいっぱいあるのではないかしら。…
山頂は公園あり、スキー場やレストランもありでまったくそのとおりでしたが、登山道沿いはまだまだ自然が残されていました。
春~初夏にかけては、アカヤシオ(アケボノツツジ)やシロヤシオ、サラサドウダン、ベニドウダン、コバノミツバツツジ、ホンシャクナゲなどが咲く花の山だそうです。
下山後の麓の湯の山温泉宿では、お湯の白い煙で曇った窓から、暖かい色をした秋の夕陽の匂いが残る御在所岳と、新名神高速道路の亀山JCTから美濃関JCTを繋ぐ建設中の橋下駄と長いアームの黄色いクレーンが見えていた。

<本日のコースタイム>
駐車地点(バス停)7:50-中道尾根登山口8:35-おばれ石9:10-朝陽台11:00-御在所岳11:30-<休憩30分>-国見峠12:40-兎の耳13:35ー13:45藤内小屋13:55-裏道下山口14:40ー14:50駐車地点(バス停)


グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちらへ
ルートラボ(時間、距離がわかる地図)→こちらへ
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