むらくも

四国の山歩き

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玉取山・兵庫山・大登岐山…愛媛・高知県

2016-05-23 | 四国の山歩き
玉取山、兵庫山、大登岐山        たまとりやま、ひょうごやま、おおとぎやま



山行日                 2016年5月19日
標高                  1330.4m、1303.2m、おおよそ1477m
取付き地点               四国中央市富郷町寒川山<玉取山大かつらへ入った林道三叉路西進>
駐車場                 なし(林道広い路肩)
トイレ                 なし
水場                  なし
メンバー                さぬきナメクジ隊<ピオーネ、むらくも>




4月26日に同三山を目指して妻と二人で歩いた。
ちょうどアケボノツツジが満開の時期で、次から次へと現れる鮮やかな花にホーホーとため息をつきつつ、特にピークの岩場では絶景にしばらく見惚れたものでした。
しかし、あまりにも二人の足の鈍さと、計画の甘さから、8時間余り歩いた挙句に兵庫山にも届かず、時間切れのため敗退した。

山を歩くようになって今日まで、体力・脚力は人並みよりないと自覚はしていたものの、気にせず楽しんでたのですが、目的の三つの山に二つも届かなくて、だいぶしょーたれた。
奮起一番、改めてシロヤシオやシャクナゲが咲くこの時期に、妻の呼びかけで再び歩くことにした。

計画を変えた。
前回は少し距離のある白髪トンネル手前の猿田峠から玉取山を目指して登ったが、今回は玉取山山頂直下の林道から取つくことにして、距離を2.5kmほど詰めた。
そして出発時刻を1時間ほど早めた。
日照時間も前回山行日より、後ろが20分ほど長くなっている。
むふふふ、これで大丈夫、計画は万全、三山は余裕シャクシャク、鼻歌ルンルンで歩けると思った。



法皇トンネルを抜けてキラキラ輝く金砂湖に下り、銅山川を遡るようにして県道6号線を走り、途中高知県本山町への126号線を左折し白髪トンネル方向へ。
126号線入口には「全面通行止(復旧未定)」の看板が立っていたが、道の崩壊場所は白髪トンネルを抜けた高知県側、かまわず走る。
猿田川沿いの車道脇では、一頭のはぐれ猿が木に駆け上り、のり面や谷の斜面では真っ白なウツギの花が真っ盛り。

上猿田集落を過ぎ、トンネル手前1kmほどのところでダート道を右折、入口には県天然記念樹「大カツラ」の看板がある。
道は荒れていて四駆のオフロード車でないと、底をするなどして走るには無理っぽい。

記念碑のある三叉路を折れ曲がるようにして右折し、歩くような速度でガタゴト走る。
三叉路から距離にして500m余りのところの緩やかなカーブにある広い路肩で止まる。
山手側は植林地で作業道の入口には「保安林」の黄色い標識が立っている。
最近間伐作業が行われたのか、植林帯は一部木が切り倒され、木クズが残っていた。

7:07、スタート。


          林道路肩                  保安林作業道入口    

今日は気温が上がりそうなのでスポドリ3本(500mL)と500mL入りの山専ボトル一本、凍らした麦茶一本(500ml)の計2.5Lの他に牛乳と青汁ワンパックずつを持参。

間伐材の転がった斜面と自然林の境目の尾根を追う。
ところどころに林業用のピンクのテープが施されている。
やがて植林帯は終わり自然林になるが、登山者が施したのだろう、赤いテープが木に巻かれていた。


          間伐林                       自然林へ

苔むした岩場を右手に迂回。
木漏れ日の落ちる林野にシャクナゲの花。
シカがキューンと鳴く。


          岩場を迂回                   シャクナゲ尾根

じわっと汗が滲む。
大きな栃の葉が茂る斜面で、リュックをおろし、着ていたヤッケを脱ぐ。
標高1250m、前方の岩を右へ迂回。
急斜面なので復路のおりには注意を要すると思われるところだったが、ここにも赤テープが施されており、記憶にとどめた。


           栃の木                    再び岩場を迂回

登る方向は南南東ほぼ一直線、やがて林野は明るくなり山頂手前に達した。
7:53、見覚えのある縦走路に飛び出したところが玉取山山頂だった。


           山頂目前                   玉取山山頂

白髪山方向に展望が開けた三角点でおにぎり一個の朝食をほおばる。
山頂付近には前回登ったときにもミツバツツジが咲いていたが、あれから3週間以上経ったいまもまだ咲き残っている。


            白髪山                1334ピーク肩へ向けて

玉取山から兵庫山に向けて出発。
ゆるく下りかけたところに分岐を示すピンクのテープがあったが、薄いふみ跡を右に行くと林道へ下ってしまうので、左へのふみ跡を追う。
すぐに急勾配の斜面になり、鞍部に降り立ち痩せ尾根を歩くことになるが、西に猿田川の支流がある谷間から風が吹き上げてきており、、東への汗見川の支流のある谷間へと抜けていく。


          タニギキョウ                 ヤマグルマの花

額からは汗が滲んでいたが、吹き抜けの風がたちまちにさらさらっと乾かせてくれる。
帽子を脱いだ。
涼しくて、ホーッと喉元から声がもれ、谷間に消えていった。

前を行く妻がうわーっ、きれい、見て見て、と声を張り上げる。


           シャクナゲ                 シロヤシオ(ゴヨウツツジ)

足元にはシロヤシオの白い花びらが舞い散り、見上げると小さな五枚の葉が、産まれたての赤ん坊のような手のひらの形で広げている。


            尾根                      シロヤシオ

もうすでに落花して終わっている木もかなりな数があったが、満開のものもあり、オンパレード。


         シロモジの芽生え                ミツバツツジ

やがて1334mピーク肩へのきつい登り返しが始まったが、そこにはシャクナゲも咲き始めており、ミツバツツジの紫っぽい赤色と混じって見事なものでした。
肩からはシャクナゲやアオダモの樹幹越しに丸く穏やかな玉取山の頂が見えていた。
どなたが名付けたのか知らないが、玉取姫を連想させる微笑ましい名前です。

しばらく休息していると体の周りでブヨが舞いだした。
急いでパワー森林香をリュックのポケットから取り出し、火をつける。
効果てき面、虫は体から遠ざかり、近寄ってはこない。
いつもブヨに噛まれ、痒さで眉をしかめている妻だが、この日は一日噛まれることはなかったようです。


      シロヤシオとミツバツツジ         シャクナゲとマルバアオダモの花後

岩場に向けて稜線を辿っていくが、そこから垣間見える景色は素晴らしくて、赤石山系から二ッ岳や、赤星山から豊受山の稜線を望むことができ、手前の天堤山から芋野山を経て銅山川へと下る尾根中腹には下猿田の集落が見えている。


      東赤石山~二ッ岳                  赤星山~豊受山

バイケイソウの群落にやってきた。
ここから稜線伝いに登ると絶景の岩場のピークに立つことができるが、今日は大登岐山へ行く時間が欲しいため、登らずに、向かって左の南東方向に岩場基部を巻くことにした。


       バイケイソウの尾根                  岩場を巻く

尾根に登り返すと、そこにはやはりシャクナゲとミツバツツジの饗宴。


     ミツバツツジとシャクナゲ                 岩棚からの展望

途中で、尾根からわずかに左に外れた岩棚へと下ってみた。
緑の濃い渓谷の奥に白髪山が聳え、さらに北へと続く尾根先にはきびす山がこじんまり居座っている。


                     桑ノ川渓谷と白髪山

南には大己屋山が登岐山から派生した尾根の途中に引っかかるようにして頂をちょこんと突き出していて、その麓には桑ノ川林道が走っている。
白骨林の陰にはこれから行く大登岐山が烏帽子頭の形でドデンと構えていた。


         大己屋山                      大登岐山

いつの間にか1226mピークを過ぎ、振り返ると桧の生えた岩場ピークが徐々に遠のき、前方の兵庫山がだんだんと近づいてくる。


          兵庫山                        尾根

11:12、足首までの、短い笹原の斜面を登って兵庫山山頂に到着。
木陰をのぞき込むと、ありました。
高松一校OB・OG会による石鎚山~剣山縦走記念のプレートが…、縦走日は1971年12月21日~翌年1月5日。
いまから44年も前の縦走、当事者にとっては懐かしいプレートだと思うのですが、きっといまも現役で歩かれていることでしょう。


         兵庫山山頂                      記念板

兵庫山から大登岐山までの所要時間は標準でおおよそ1時間少々なんですが、わたしたちだと1時間半ほどはみておかないといけないようなので、腹の虫抑えにケーキを食べ、青汁を飲む。
小さくアップダウンを繰り返し、桑ノ川林道奥からのふみ跡が左から上ってきているテープの賑わしい鞍部分岐を通り過ぎ、いよいよ大登岐山への上りに差し掛かる。

ブナ林を過ぎて、しばらくのところからシロヤシオのクライマックス。


           ブナ林                      シロヤシオ 

玉取山から1334mピーク肩間の尾根と比べて、やや標高が高いため、落花してるものはなくどの木も満開だった。


         シロヤシオ                      シロヤシオ

妻の足が止まってしまい、カメラを構えたまま動かない。
山頂へは行かない、ここまででいいと言い出す始末。


     ミツバツツジとシロヤシオ               岩尾根と黒岩山            

妻のケツを引っ叩いて、やっとこさシャクナゲの咲く山頂に到着。
時刻はタイムリミットぎりぎりの12:54でした。
東側の頂にも寄って、高知県側を眺める。
もう少し頂の標高が高いと太平洋が見えるのですが、生憎でした。


         大登岐山山頂                 南西方向の眺望

定番の黒岩山・野地峰方向を眺める。
ずーっとどこまでも続く愛媛・高知県境尾根の風景に、圧倒され言葉が出ない。
遠くに沓掛山と笹ヶ峰の吊り尾根も小さく見えていた。


                   黒岩山~野地峰~東光森山

早明浦ダムのさらに上流にある岩躑躅山を、挟み込むようにして流れる吉野川の水面も見えている。


                   鎌滝山、早明浦ダム上流、岩躑躅山

山頂で30分近く休憩し、遅いお昼ごはんを食べたのちに、兵庫山へと復路を急いだ。


           兵庫山へ                   イノシシのベッド

14:33、シャクナゲの咲く兵庫山通過。


       兵庫山山頂                玉取山へ

アセビの茂る岩尾根を越えて。


          岩尾根                    アセビ尾根

次第に近づいてくる桧の岩場ピークを前方に眺めながら、直前で右へ迂回。


      シャクナゲと豊受山                    岩峰手前

危なっかしい岩峰にはテープや県境杭があるが、基部を巻くルートにはふみ跡もテープもなく、適当に歩くしかない。
尾根に登り返して、ぼっとらぼっとら玉取山へと進む。
経過時間は9時間を超えた。
次第に疲れてきて、声が出ず足取りの重い二人はひたすら黙々と歩く。

渓谷からの涼しい風は、山肌を伝って稜線に吹き上がり、高知側の谷へ駆け下りてゆく。


          岩峰基部                     快適な尾根

16:40、1334mピーク肩から大森山と佐々連尾山を眺め、17:35やっとこさ玉取山でへたり込み、コーヒーを入れた。


       1334ピーク西肩                   玉取山山頂

玉取山から林道への下りは方向が北北西へ一直線ではあったが、岩もあったり、尾根筋のはっきりしない急勾配だったりで気を使った。
シャクナゲのある尾根のところでは妻が不安そうに、「ここ朝に歩いたところ?」と呟いた。
自信がなかったが、「だいじょーぶ、だいじょーぶ、心配ない」空返事。
登りと下りでは感覚が随分と違うものです。

見覚えのある間伐林を下り、18:22、駐車する林道に舞い降りる。
沿面距離わずかに13kmの山で11時間あまりうろついた。
ナメクジ歩きからの脱却はほど遠い。

しかし、達成感は大きくて、帰宅後の気分は爽快、雲一つない透き通った青空のように、スカーッとした。
うっし、ナメクジ隊は明日と言わず今日から、スクワットと階段一気駆け上がりで、鍛えるぞ、オーッ!


       玉取山北尾根斜面                  取付き地点へ下山

<後記>
後日、早速、妻と一緒にダンベル持ってスクワットに励み、100m走スタートダッシュをやった。
なんと、妻のほうが速い。
スルスルーッと追い抜いていった。
女子(この場合は女バアだ)に負けるなんて男児(男ジイの間違い)の沽券に関わる。
懸命に走った。
本人は新幹線並みにぶっ飛ばしてるつもりですが、足がもつれヨタヨタ、コケそう、ダメ追いつけない。

「あんた、足速いな~」
「うん、学生時代は速かった」
「ふーん、だけど運動が嫌いだったんだ」
「うん」
「………」
運動好きやけどトロ鈍くて、ドン臭い(泣)
運動嫌いやけど俊足で、やるときゃやる。
世の中いろんな人がいてるもんなんですね~。


取付き地点7:07-7:53玉取山8:09-岩場直下9:31-1226mピーク10:21-11:12兵庫山11:24-12:54大登岐山13:20-兵庫山14:33-1226mピーク15:22-17:35玉取山17:44-18:22取付き地点


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4 コメント

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独り占め (アンジーパパ)
2016-05-27 21:42:59
むらくもさん、Pさんお疲れさん。
玉取山ー兵庫山ー大登岐山ー登岐山
の稜線のシロヤシオは圧巻ですね。
それも静かに楽しめるところが最高です。

私もあの周辺は何度か歩いてシロヤシオ、アケボノの綺麗な時期を三度程経験していますが
玉取ー大登岐のピストンは凄いですね。
二人の息が合って無いと無理ですわ。
いやいやお見事です。

バイケイソウ尾根懐かしいです。
あの辺りの尾根はルンルンですね。

はて?林道終点から玉取山頂は
そんなにややこしかったかな?
また行ってみないと。

暫くの間はまっていて最近は良い所なのに
外していました。
ありがとうございました。
静か、誰にも会いませんでした。 (むらくも)
2016-05-27 22:28:02
アンジーパパさん こんばんは

何年ぶりでしょう。
どの山に行っても花付きよくて満開、今年のツツジ系の花は爆発してましたね。
シャクナゲも終わって、いよいよタカネバラとオオヤマレンゲ、タカネマツムシソウ、シコクイチゲにギボウシなどの季節が近づいてきました。
四国の梅雨入りはあと一週間先でしょうか?
今日もなんとなくムシッとして暑苦しかった。

このあたりの県境尾根はもともと静かなところなんですが、白髪トンネルの先の高知県側で全面通行止め(復旧未定)になってますんで、ますます静かになってますわ。
大田尾峠も峠手前(愛媛側)で通行止めですが、こちらは復旧工事がだいぶ進んでいるようで、そのうち通行できるようになるらしい。

ところで、玉取山への登山口ですが、今回取りついたところは林道終点ではなくて、その途中の作業道からでした。
間伐材が転がっていたり、岩場があったり、急斜面だったりしてるのですが、玉取山山頂直下なので距離は短く、尾根筋は一直線なので、短時間で登れるのが長所です。

わたしたちでこそ11時間あまりかかってますが、たぶん9時間から10時間くらいで歩けると思いますので、お試しあれ。

それと玉取山~兵庫山間にある岩場のピークですが、あそこはトラバースせずに、岩場へ登ることをお勧めします。
ちょっとばかし危なっかしいところがあったり、岩穴をくぐらないといけませんが、テープもついてますし、時間もそれほどかわりません、それになにより絶景ですわ。
ええところです。
良き山 (佐々連)
2016-05-28 01:05:35
むらくもさん、ピオーネさん、アンジーパパさん
今晩は。

アケボノ、シャクナゲ、シロヤシオと見所満載のルートだったのですね。
5年前、3人と1匹で歩いた時は、良い尾根道だと思ったのですが。
そういえば、分水嶺が虫食いだらけで残してますわ。
来年は少し暇になりそうなので、この時期に歩き倒します。

こもさんのレポ見ると帰りは大岩を登ってますね。
とても登れそうになかったですが、テープ頼りにトライしてみますか。
あのようなマイナーな所を歩き、テープをつけている人がいるとは、一度会ってみたいですね。

岩峰ピークの山名が知りたい (むらくも)
2016-05-28 22:32:29
佐々連さん こんばんは

懐かしいな~、あの時は兵庫山への登りで右足に軽い肉離れを起こしてしまって、痛くて歩きにくかったこと。
その後の山歩きでは半年ほど支障が出ましたわ。

2年後には二人で兵庫山から野地峰を縦走しましたが、あれも傑作やったね。
大登岐山を下って黒岩山の山頂までたどり着いた後、なにを血迷ったかまたまた大登岐山方向へと歩いてスズタケブッシュに突っ込んだ挙句にそこで初めて間違いに気が付いて再び引き返すというとんでもないハプニングをやらかしてしまって、結局12時間近く歩いたよな。

分水嶺歩きはその後いっちょも進んでない。
もう、やりとおす元気がなくなってしまったわ、ほんま。

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