むらくも

四国の山歩き

男木島…香川県

2017-02-11 | 四国の山歩き
ズッコ山、コミ山、ミ山    ずっこやま、こみやま、みやま


山行日            2017年2月8日
標高             185m、212.8m、39.5m
取り付き地点         回遊道東周り途中
下山地点           男木島灯台
フェリー時刻表        こちら
フェリー料金表        こちら
トイレ            男木港、男木島灯台
水場など           男木港および灯台に自動販売機有り
メンバー           ピオーネ、むらくも



1月下旬ころに男木島に咲く水仙の花便りが届けられた。
それ以来、妻の大きなお尻がむずむずそわそわと落ち着きがない。
アラカン(55歳以上64才の年代の呼称)を過ぎたころから、それなりにスマートだった妻が体重を増し続けた。
しかし、このときばかりは柳腰のように、花という微風にふわふわと揺れ動く。

2月のある日、隣に寝る妻の布団の中から「男木島の水仙、もう満開やろな~」と嚊交じりに聞こえてきた。
オットットー、普段、優しくない夫ではありますが、こんな寝言を聴いてしまうと行かないわけにはいきません。
訊かなくとも返事は解かってはいるのですが、翌日妻に、阿讃山脈の相栗峠の西に標高889mの鷹林山という山があるのだが、この山へ行くのと、男木島にあるズッコ山、コミ山へ行くのとどちらへ行きたいかと尋ねてみた。
しかし、意外なことにすぐには返事がなく、少し間を置いた後に「男木島」と呟いた。
間が空いたのは、酉年である今年の干支の山、そして雪山にも魅力あってのことらしい。
要するに妻は欲の皮が突っ張ってお腹の肉がぶ厚いのだ。
本人は口を閉ざしていわないが、腹回りの脂肪には、普段から気にしている。
いったい何センチだろう?まさかの1m超え?



島の地図をパソコンの画面で広げてみた。
灯台は北の端でトウガ鼻にあって、水仙郷はその付近の山手側にある。
島一番の高い山が標高212.8mのコミ山、そして南に2番目に高い標高185mのズッコ山がある。
さらに南にはコモガハマという砂浜の海岸の上にデン山があって、南端に三角点のある標高わずかに39.5mのミ山がある。
一先ずズッコ山からコミ山へ抜けて灯台へ下り、時間があればデン山とミ山へ寄ることにした。

6時自宅を出発し、7時過ぎ、高松港西にある一日490円の駐車場に車を停める。
400円というのもあったが、少し遠くて、駐車スペースが小さい。
トコトコ歩いて切符売場へ。
第三桟橋には大勢の人が並んで乗船を待っていたが、それは小豆島行きの高速艇だった。
国鉄宇高連絡船がなくなって久しいが、当時の賑わいには及ばないものの、港にはまだまだ人が多く活気がある。


         高松港                 めおん甲板
8時ジャスト、女木島、男木島行きのめおん2号の赤いフェリーは出港した。
めは女木島のメ、おんは男木島のオンらしいのだが…?
ほんとうだとしたら、なんとも俗っぽ過ぎるが、覚えやすい。


          女木港                 豊玉姫神社鳥居
20分で女木港に着いた。
草刈用の鋏を持って登山靴を履き、リュックサックを背負った団体の方たちがワサーッと一斉に下船した。
登山道などを整備しに来たのだろうか。
妻が切符を買う時に、女木島にも寄りたそうにしていたが、低山とはいえ男木島の山を北から南まで歩いて、その後に女木島にある山歩きは無理だ。
そういえば、女木島の山は一つはカタカナでタカト、もう一つは鷲ヶ峰、今年の干支の山だわ。
どおりで寄りたいというはずです。
やはり妻は根っからの欲張りだ。

8:40、男木港に着いた。
山へ登る人はわたしたち二人だけのようで、フエリーから降りた人たちの姿は三々五々、あっという間に港から消えていった。
とりあえず、港すぐのところにある豊玉姫神社の鳥居をくぐり、坂の参道を上がってゆく。


    女木島へ向かうフェリー               寒桜?
急な石段の先にはもう一つの鳥居が見えており、社はそこにあるようだったが、登る途中で振り返ると丁度わたしたちが乗ってきたフェリーが港から出て、女木島へ行くところが瓦越しに見えた。

寒桜だろうか、それとも寒緋桜だろうか、早咲きの桜にもたくさんの種類があってよくは判らないが、時期的に見て、少なくとも川津桜や寒桜よりも早い。
この時期だと普通は緋寒桜とも緋桜ともいわれている寒緋桜が妥当だが、島で咲く花は早いので、寒桜かもしれない。
どちらにしても花や木の肌から観察できるような知識は持っていない。
島はもう春だ。


        島の猫                   あんた笑ってるの?
船から降りた時にも猫はちょろちょろしてたが、細い道を連ねている家陰のあちこちからのそっと出てくる。
瀬戸内の島は猫が多い。
昔、ねずみ対策のために、船には猫を積み航海していたらしい。
特に外国からくるオランダ船は法律で義務付けられていたとか。
長崎に上陸し、やがて瀬戸の島々や港へと…。
そのうち尾曲がり猫はインドネシア出身というのが分かっている。


       東周り回遊道                  島々
神社の傍にある豊玉姫神社の由来が書いてある案内板を読んだり、サイカチの木や大きなウバメガシを見学したりしていると、島の男性がなにか作業をしていたので、ズッコ山に登る登山口を訊ねてみた。
いまはヤブだらけでイノシシの柵を施しており登り口はないとのこと。
危険なので、もし登るなら注意してくださいねと云われた。
東周りの回遊道を歩き、それらしいところを探ってみた。


       紅梅・白梅                  イノシシ柵
道端には荒れた畑ばかり、そこからは瀬戸内の島々が見え、畑に残された梅の木には紅白の花が咲き、いい匂いを放っている。
山手にはいくつもの畑へと通じるコンクリートの上り口があったが、どれもイノシシ柵が施され、その先はすぐに踏み跡は途絶えカヤや灌木が生い茂っている。
おいそれとは入れない状態だ。

島の半分ほどのところまで回遊道を歩いて念入りに探したが、見当たらない。
引き返して、エイヤッという気持ちで、一つの入り口から上がって、イノシシ柵の扉を開けて入った。
すぐに藪になった。


         ヤブ                    ズッコ山
上がっても上がっても石垣が現れ、灌木と、カヤと、イバラとクスドイゲと笹ばかり。
ズボンや上着がピリパリ音を立て破ける。
妻がときどき棘で手や顔をひっかく。
それでも先頭になって大きな体をこじりながら懸命に上へ上へと登る。
ちょんまいわたしは後ろからついてゆく。

やがて、上が透けて見え、笹ヤブを突っ切るとそこはズッコ山だった。
いま思い返せば、山頂近くまで畑はあったようで、そこここにイノシシの掘り返した跡と、笹をサークル状にきれいに寝かしつけたイノシシのベッドがいくつも見受けられた。


        ヤブ尾根                     石垣
山頂の回り、特に南側に踏み跡がどこかについてないか確かめてみたが、北への尾根筋にわずかにテープと極めて薄い踏み跡がついているだけで、他には見当たらなかった。
尾根筋を北に向かってコミ山の途中にある鞍部へと下った。
それはほとんどヤブ同然だった。

やがて鞍部へ着いたが、国土地理院に記されている東西から上がってくる破線の道は、これも見あたらなかった。
推測だが、イノシシ柵を施した結果、わざわざ入って歩く人はなくなり、次第にヤブ化してしまったのでは思われる。

鞍部から少しコミ山へ上がったところに石垣があってテープとロープが施されていた。
手前で座り込み一休み。
野菜スムージーとポンカンを食べる。


        五剣山                三等三角点・男木島
汗が噴き出し、上着を脱いで尾根を北へ追う。
コミ山に近づくに連れ次第に踏み跡がはっきりしてきた。
途中、見晴らしがいいところがあって、そこからは明瞭な尾根道が続く。

11:21、三等三角点のあるコミ山に到着。
点名は男木島。


     小さな山頂標識                  西へ下る
北尾根に下るルートがないか探りに行ったがヤブだった。
もし下ったとしてもタンク岩あたりの崖へ行くのではないかと思われた。
西側に明瞭な踏み跡が続いていたので、それを下る。


                     展望台
10分ほどで東屋のある展望台へ降りてきた。
ちょっと見にはコミ山への踏み跡がどこにあるかよくわからないようになっていて、逆取りコースを辿るときは要注意箇所かもしれない。
※写真の東屋奥の低い笹ヤブのところに薄い踏み跡有り。


                    直島、玉野方面
東屋からは岡山方面の景色が開けていた。


        ジイの穴                   水仙ロード
道標に従いジイの穴へ向かう。
女性4人が穴の入り口から奥を覗きこんでいたが、お一人が中へ入った。
わたしも中へ入ってみた。
奥左側に出口があって、外の光が暗い洞窟の中に差し込んでいる。
入り口から出口へ小さく1周して外へ出て、洞窟の説明板を読んだところ、危険につき穴には入らないでください、アチャー。
この穴は、鬼ヶ島から逃げてきた副大将のジイという鬼が逃げ込んだところらしい。


                      タンク岩
木段の道を下ってタンク岩へ。
道には水仙の花が咲きとてもきれいで、その先には第一水仙郷の水仙群生地が山手側にあって満開だった
黒っぽい石(玄武岩)がガラガラ崩れた先に大きく尖った柱状節理のタンク岩があった。
ホー、大きな溜息一つついて元来た道を引き返す。


                 灯台への遊歩道
灯台へと下った。


                第二水仙郷と灯台
第二水仙郷には木のベンチがあって、そこからは抜群の景色。
お昼ご飯とした。
観光客がワンサか、傍を賑やかに話しながら通り過ぎてゆく。

こちらにも回遊道があるぞ、港まで何分かかるんだろね、知らないかい。
おー、いいところでお弁当を食べてるねー、おいしさも2倍ですな。
上へ行くとジイの穴があるぞ、バアの穴はないのかや。


                 水仙郷と遊歩道
水仙の匂いがプンプンする。


                     男木島灯台
灯台は「喜びも悲しみも幾歳月」という映画の舞台になったところ。
一人の男性が、主題歌のテープが擦り切れてさ、聴くことが出来ないから、スマホでユーチューブで聴きながら歩いてんだよ。

それではお聴きください。
喜びも悲しみも幾歳月→こちら
※この歌を聴いて懐かしいと思った人、涙が出た人、年齢がわたしと変わらないかもしくは大先輩です。            


       西周り回遊道                じょうごカフェ
ツワブキの群生する海岸沿いの道を歩き、港へと帰る。
途中に、放牧場の跡があったり、人生をヨットに捧げた方の碑があったり、カフェがあったり、梅の花が咲いてたり、退屈しない。


                    男木港
男木港に着いたが、時刻は13:10、高松行きの船は10分前に出たばかりで、次の便は15時丁度。
予定していたミ山へ寄ることにした。
※デン山はイノシシ柵のため近寄ることが難しく思われたので断念


       加茂神社鳥居             ミ山山頂と三角点
墓地を過ぎ、しばらく歩いたところで加茂神社の鳥居に出た。
鳥居をくぐり本殿へ。
社左奥にダンチクか竹かのようなトンネル状の入り口があって、踏み跡を辿ってゆくと、やはりイノシシ柵が張り巡らされている。
一か所柵の扉があったので開けて中へ入り、ヤブをかき分けてゆくと、一番高いところに三角点があった。
標高39.5mミ山山頂、四等三角点・男木島南で、傍らには〇米さんの黄色い点票が木の幹に括りつけられていた。


         南端                   五剣山と屋島
ミ山からさらに南へ下り、海岸縁に立つ。
そこは男木島最南端の位置で、一本の角を生やしたような五剣山と屋島が見えており…


    おむすび三山と勝賀山               ミ山の岸壁
女木島の右手奥まったところには六ッ目山などのおむすび三山と、三角錐の袋山や勝賀山などがシルエットで浮かんでいた。


     男木漁港赤灯台            加茂神社鳥居とズッコ山
港へ引き返す。

      えんどう豆の花                神井戸
神井戸と書いて、しんどと読む。
その昔、山幸彦と豊玉姫が出会ったと云われている井戸だ。


                     猫たち
港に帰ると、係長と呼ばれている猫たちがうろうろしていて、犬で言えばノラクロ模様の…こういうのフェリックスっていうんだろうか、他の猫たちもぞろりと集まってくる。


          男木港                   フェリー
時刻は14:14、船の出港時刻にはまだ46分ある。
猫たちを相手にコーヒーを淹れて待っている間に、乗船する人たちがあちこちからそろりと集合してきた。

春のような陽光を浴びて島歩きをしたあと、翌日には今季一番の寒気がやってきて、一転して冷たい風が吹き、空は鈍色の冬空になり、二日後、そして今日もだが粉雪が舞った。
桜や水仙、えんどう豆の花も、そして島の猫たちも、いまごろ震え上がっていることでしょうにね。

高松港8:00-女木港8:20-男木港8:40-取り付き地点9:43-ズッコ山10:33-コミ山11:21-展望台(東屋)11:
30-ジイの穴11:35-第一水仙郷11:42ータンク岩11:54-12:06第二水仙郷12:31-男木灯台12:37-男木港13:10-ミ山13:39-男木島南端13:51-14:14男木港15:00-15:40高松港


グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちら
YAMAPログ(距離、時間などがわかる地図)→こちら
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