むらくも

四国の山歩き

蓮光寺山…香川県

2016-12-31 | 四国の山歩き
蓮光寺山         れんこうじやま


山行日          2016年12月23日
標高           370.6m
登山口          国分寺町西奥
下山口          国分寺町北前谷
駐車場          なし(車道路肩もしくは空地)
トイレ          なし
水場           なし
メンバー         アンジーパパさん、チマチマおじさん、ピオーネ、むらくも



アンジーパパさんの呼びかけで今年もチマチマっと忘年会を開くことにした。
行き先は五色台の一角にある標高370.6mの蓮光寺山、東麓には蓮光寺というお寺がある。
五色台には名の由来となった白峰、黒峰、青峰、黄峰、紅峰などがあるが、蓮光寺山は五夜嶽、烏帽子山、国分台とともに五色台の南嶺に位置する。
今回アンジーパパさんが提唱したルートは国分神崎池の北奥の墓地から続く旧遍路道を辿って、国分台付近に登り、五夜嶽方向に歩く。
途中から南東の蓮光寺山への尾根を進み、山頂に達した後、香川県農業試験場果樹研究所へと下る周回策だ。

第八十番札所国分寺から八十一番白峰寺への遍路道は今では国分台と猪尻山の間にある谷間につけられ少し遠回りになっているが、昔は国分台へと直登し、白峰寺への最短距離を歩いたようだ。
遠回りに付け替えられた原因は国分台一帯に広がる陸上自衛隊の演習場にあるようで、国分台の北西にある標高260mから300m付近は射撃場となっている。
小さな演習場なので富士や阿蘇演習場などのように戦車や装甲車が走って、砲弾などが飛んできて、ドッコンバッコン音を立て、土石を跳ね飛ばしたりして炸裂はしていないが、一応実弾の訓練場であることには間違いなさそうだ。

因みにここ国分は国府のあった府中から国分寺にかけて、古代における讃岐の中心地でもあった。
そして、城山や金山、常山と同じく五色台の青峰、白峰、国分台と蓮光寺山はサヌカイトで有名なカンカン石が採れる山として知られている。
それがどおしたー。
そんなことは讃岐で住んどる人間なら皆知っとるがって言われそうだが、そういうことでした。



10時に県道33号線沿いにあるコンビニで待ち合わせをして、下山口の香川県農業試験場果樹研究所付近に車を止める。
購入したばかりのアンジーパパさんの新車に乗り合わせて、登山口のある西奥へと移動、注意しないと塀にこすりそうな細い道、できれば軽四でいくのが正解だ。


         墓地                  簡易舗装路
奥まったところに墓地があって、その空き地に車を停めさせてもらった。
お天気は朝方は雨が降っていたが、10時前には止み、いまはお陽さんも射し込んでいる。
気温は朝から10度とこの時期にしては高く、日中は14度になる予想。
10:15、持参した厚鎌を手にして、お堂とお墓の間にある細い道を歩きだした。


          丁石                   雑木林
旧遍路道への入り口付近には14丁目と記された地蔵仏があった。
昔はこの丁石を辿ってお寺まで歩いていたようで、歩いた目安、あるいは目的地までの距離を知るために重宝されていたようだ。
1丁は60歩、1歩は6尺、1尺は30.303cmだから1歩は181.818cm、1丁はおおよそ109.09m。
この場合の1歩は歩幅の1歩とは異なるが、歩幅にすると現代の人と比べて小柄な昔の人だとおおよそ3歩分だろうか。
(注)普通の歩幅は身長✖0.37cm、早歩きの歩幅は身長✖0.45cm

14丁はたぶん第80番札所国分寺を起点にした距離だと思われる。


    旧遍路道を示す看板               プチヤブ
一本の杉の木?の幹に小さなブリキかトタンの板が括りつけられていた。
 遍路通行の皆様への〇願い
但し 山上で陸上自衛隊爆破訓練実施中〇、危険に付き絶対〇〇〇は出〇ま〇〇。
引き返〇、〇回〇から〇〇〇〇〇
                国〇寺〇同好会
ところどころ字が剥げ落ちており、相当に古いモノのようだった。


      ヤマコウバシ               遍路坂大師跡
道はほとんど消えかけており、落ち葉も重なってわかりにくかった。
頼りはところどころにある道しるべのお地蔵さん。
一か所倒れてしまったお地蔵さんがあったので起こし直した、南~無

山桜だろうか朽ちかけた倒木の陰に小屋が見え、近寄り中へ入ってみると、国分大師講中によって建てられた遍路坂大師跡の小さな碑があった。
碑によるとここにあった大師堂は平成7年に国分寺境内に移転されたことになっている。



     ところどころに…              遍路道の…

いくらか藪化しているが、ところどころには踏み込まれた道が残り、また木の枝には当時のお遍路さんたちが書いたものと思われる札などが残っていて、往時が偲ばれた。
振り返ると登山口下にある神崎池や、少し南にある鷲ノ山が梢の間からちらちら見え隠れしている。



       サルトリイバラ             法界万霊塔礎石?
棘のあるサルトリイバラの赤い実が、冬枯れた山で、わずかばかり心を和ませてくれる。
今年はさる年、あと9日も経つと年が明けとり年になる。
このイバラは本来の由来は知らないが、年を跨いで引き継いでゆく、丁度いましかないという名前を持っている。

いくつかのお地蔵さんを通過したあと、22丁目のお地蔵さんになるだろうか、その傍らに法界万霊と刻まれた台座だけがぽつんと残されていた。


       落ち葉踏み…             ベッド踏み荒し魔
この冬は寒さが厳しくなるだろうといわれていたが、蓋を開けてみると暖冬で、晩秋も暖かかった所為もあってか、里山ではツツジの花や野生の菊などもあちこちの斜面でかわいらしい花を咲かせている。
ネズミモチの木にもネズミの糞のような真っ黒なコロコロした実をたくさん成らせていた。

やがて道は緩くなり、前方がやや開けた場所に差し掛かったが、出口と思しきところがイノシシのふかふかベッド、わたしは避けて通ったが三人はドカドカと踏み荒らしながら通過した。
こんなことをしてはいけません。
ベッドを土足で、きっとイノシシ大明神の祟りがあるにちがいない。
坊主さんことチマチマおじさんなどは、蹴散らかしていた。
過去にメスイノシシにストーカーされたか、追っかけられたかして、恨みがあるようだ。


       防火帯                     番の州
開けたところは結構太く長く刈りこまれた防火帯だった。
遠くに坂出番の州にある四国電力発電所施設が見え、その奥に牛島、本島、広島の瀬戸の島が浮かんでいた。
島の左端高いところが広島・王頭山のようだ。


              堂山とおむすび三兄弟
時刻は11時半、お昼には少し早かったが、アンジーパパさんの号令でここで焼肉忘年会とした。
座った場所はやや強く風が吹く位置を避けて、眼下に堂山とおむすび三兄弟の里山が眺められる絶好のロケーション。


      風を避けて…                忘年会
防火帯の北側には自衛隊の演習場があるのだが、シーンとしていて、賑やかなのはわたしたちだけだ。
アンジーパパさんが、キロ単位で買ってくれた、美味しそうな大きな肉の塊りがリュックザックから取り出され、ドサッバサッと分けられた。
購入したときは一つの固まりだったそうで、そいつを自宅にある包丁でチャリンチャリンいわしながら、夜中にニタッと笑いながら切り分けたとか。
黒毛和牛かはたまたジブリか、そう言った。
即、チマチマおじさんに窘められた。
間違ごうとるが、ジブリやのうてジビエじゃが。
ギャフン!


       ジュー                   お裾分け
涎をタラタラ垂らしながら焼くチマチマおじさんと、恐怖に慄きそうな性格をひた隠しにした優しい姿のアンジーパパさんが、このあと焼けるのを待ちきれずに血の滴る肉にガツガツ食らいついていた。
食った食った、肉だけでお腹がいっぱいになった。
ギャル曽根なんかは3kgの肉をペロッと平らげ、まだそれでも足りないそうだが、いったいどんな胃を持ってるんだろう。
あんなにかわいい顔してきゃしゃな体で、一方で水だけ飲んでも肥える人もいてるし、人って見かけではわからんもんです。

食後にドリップコーヒーを淹れた。
アンジーパパさんが、コーヒーが一番おいしいと言った。(<一番>とは言ってなかったが空耳で聞こえてきた)

それがどおしたといえばそれまでだが。


                 フンコロガシ
ひとしきり話に花を咲かせた後、防火帯を西に進む。
糞がそこら中に転がっているが、イノシシだけではなさそう。
今話題の全国で繁殖しているアナグマなんかの糞もありそうだ。

アンジーパパさんが足元の小石を拾った。
カンカン石と云われているサヌカイトだった。
二つ拾って打ち鳴らす、キンキンと響きいい音がする。


       フンフン                三角点・国分台
因みに今も売っているかどうかはわからないが、屋島でかつて販売していたサヌカイトの石琴はここ蓮光寺山で採れたものらしい。

防火帯より離れた少し上にある三角点・国分台に立ち寄った。
学者のように熱心に調べるチマチマおじさん。
おじさんはかつてアオバトを追っかけていたこともあるらしい。
アンジーパパさんもチマチマおじさんも、わたしの知っている人たちのなかではなかなかの研究者肌だ。


                   蓮光寺山
西に進む防火帯は下っていて、その左手にこれからゆく蓮光寺山が間近に見えてきた。
その麓には温泉に関わる施設があって、建物が見えている。


      防火帯鞍部                小さなピークへ
鞍部に着いたが、防火帯はその先大きく右にカーブしている。
ここから防火帯を離れ、315mピークを右に巻くようにして西に進んだ。
アンジーパパさんの五夜嶽の説明では、五夜嶽はもともと後夜嶽と書かれていたものだが、空海さんがここ中腹にある岩屋にたびたび足を運び、作法を修めた道場で、その修験場だったとこらしい。
後日に地図で確認したところ五夜嶽山頂から西に下ったところに新池があるが、その中間あたりに岩屋寺がある。


         ロープ                  境界石
315ピークを巻いて鞍部から上りに差し掛かったところには、右側に三筋か四筋ものロープが張られており、そのロープ奥は五夜嶽砕石場の崖になっているらしかった。
足元にはいくつもの境界石。


       五夜嶽                     番の州
標高おおよそ350m、紅白のポール二本と赤いコーンのあるピークに到達し、その右の崖側に立つ。、
削られた五夜嶽がトラックや重機の通る幾筋もの道の段となって目の前に現れた。
左奥遠くにはやはり坂出番の州の工業団地が見え、右手にはかんぽの宿だろうか白っぽい建物が山の上に小さく見えている。


        水神社                   狛犬
ピークを少し進んだところにこんなところにと思うような立派な神社があった。
アンジーパパさんが、地図に載っていない不思議な神社だと言ってたが、破線の道も描かれていない。


         鳥居                   雑木林
狛犬にも本殿にも、傍らの小さな祠にも今年のものと思われる新しい注連縄がかけられている。
特に狛犬などは、土佐犬の横綱と見間違うような立派なものだった。
鳥居の額には水の一文字。


         防火帯                    鞍部へ
鳥居をくぐって南東に下ると人の手が加わった台地状の雑木林があって、その下はヤブでふさがっている。
強引に下った、ヤブからは国分台方面が見え、歩いた防火帯が一直線にひっかいた傷のようについていた。


        ヤブ突入               厚鎌フリフリ
ススキとイバラのヤブに突入。
後方からおばちゃんの悲鳴が上がり、チマチマじいさんが鎌で払わんかいの号令が頭越しに降り注ぐ。
鎌を持ってきてるのはわたしだけで、アンジーパパさんと先頭を交代し、あたりかまわず振った。


         ホエーッ              ホエホエーッ
ヤブはほんのちょっとの距離で、すぐに砕石場の端っこにある砂利置き場に出たので助かったが、それでもイバラが体中にまといつき、身動きできないし、痛かったー。


     再びヤブ突入                   急登
砂利の上を歩いて、再び樹木の覆い茂るヤブに突入。
時間が経つばかりだったがどうにもならない。


        笹ヤブ                蓮光寺山山頂
今度は笹ヤブに突入。


      三角点・鴨                  踏み跡なし
14:45、紅白のポールとぶら下げられた小さな山頂標識板を笹ヤブの中に見つける。
傍らには三角点・鴨の石柱が埋設されていた。
帰宅を急いでいるチマチマおじさんは、藪の中で時計を見ては焦っていたが、三角点を見つけるなりくしゃくしゃっとした顔をして抱きつくようにして近づく。
笹クズを含んだ汗と鼻水が額と口を伝って地面にポトポト落ちてゆく。

ところがその感動を吹き飛ばす出来事が起きた。
左肩に付けていたアンジーパパさんのGPSがない。
下山する者と引き返す者と二手に別れて捜すことも考えたが、アンジーパパさんは後日に探しに来るので今日のところはこのまま下山するのでいい、きっぱし宣言した。

そうと決まればゆっくりはしておれない。
すぐに下山開始、南へ直進。


     焦るアンジーパパさん              遮二無二
進む方向に踏み跡なく、三度灌木の茂るヤブに突入。
普段おっとりしているアンジーパパさんも時計を気にして焦りだした。
ただでさえ薄い頭を枝でひっかき、シャツを突き、目と鼻を笹がこする。


       暖かい冬                    ススキヤブ
やがて踏み跡が見つかりホッとするが、すぐに消える。


        ヤブ林道                   くくり罠
突っ切ると林道に下りることが出来ると言ってたアンジーパパさんの言葉通りに、林道に下りられたが、結構な荒れ林道だった。
林道は、そのまま直進すると車の駐車した位置から遠く離れた国道11号線に出てしまうので、途中で左折し東へと向きを変え、ジグザグっと下ったところで農業試験場の柵に突き当たった。
傍にはイノシシのくくり罠。


      イノシシ柵を開ける                試験場内
一か所、扉があって、そこから中へ入らせてもらい、内から扉をしっかりと紐でくくり閉めなおす。


         門扉                  駐車地点へ
駐車地点についたときは下山予定としていた時刻をややオーバーしたが、許せる範囲だったようで一安心。
つつがなく忘年会を終え解散、それぞれの新たな年の活動を祈念して家路についたのでありました。

落としてしまったGPSは後日に、アンンジーパパさん自らが、落としたと思われるところを絞って歩いた結果、発見したとのこと、安堵しました。

この山がなぜ麓のお寺の名を冠した蓮光寺山と呼ばれるようになったのか、気になっていたので、帰宅後にログを地図上に落とし込んで繁々と眺めた。
蓮光寺の墓地と思しきところからからわずかばかし西北に延び、途中で消えている破線の道が目についた。
ひょっとして蓮光寺の名を冠したこの山の登山道は、ここが元々の登山口ではなかったのか、そうでないと蓮光寺山の意味がない。
機会があればもう一度付近を歩いて、この疑問を確かめてみたいものだ。

登山口10:15-遍路坂大師跡10:40-11:30防火帯12:20-防火帯鞍部12:50-水神社13:20-砂利置場13:40-蓮光寺山14:45-林道15:25-15:50下山口


グーグルマップ(登山口などの位置がわかる地図)→こちら
ルートラボ(距離、時間がわかる地図)→こちら
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