紫苑のきもの&60代から何ができる?

いつのまにか60代。きものブログで試行錯誤してきましたが、残りの日新しいことにも挑戦してみたい。

志村ふくみさん・美のルーツを探る

2016-10-14 09:54:56 | アート・文化

借り写真です。

 

志村ふくみさんの美術館に行ったあと、

その色の美しさが頭のなかでぐるぐると

渦を巻いています。

気になって、彼女の本で再確認しました。

 

たまゆらの道~正倉院からペルシャへ」(世界文化社)


かなり前に購入、目を通した、のですが、

まさに「目を通した」だけ。

頭からは素通りしていました。



この本の冒頭に、彼女の染色に道を志した経緯が

詳しく綴られています。

大阪の裕福な商家の娘として育った祖母、

その祖母を見て育った母。

しかし、母は柳宗悦の民芸運動に傾倒、

「すっぱり華やかな衣装を脱ぎ捨てて、

藍染、唐桟~などの質素な着物に徹底した」


志村さんが染色の道を志したとき、母親は

「私は豪華な衣装は身に添わない。

~~ただ自分の本当に気に入った着物が着たい。

あなたに織ってほしいのはそれや。

自分が着たい、愛する人に着せたいと思うものを織って

ほしい」とおっしゃったとか。



藍が生まれる瞬間。「たまゆら~~」より。

 

本は、志村さんが娘の洋子さんと、

京都・奈良の最古の裂(きれ)を訪ねたり、

日本の美の源流であるイラン・イラクへの旅を

綴っています。


 

その美しさを辿りながら、やはり思うのは着物のこと。


今の日本で着物がだんだん

顧みられなくなっていることを悲しみながらも、

「~~着物は古臭いどころではない。

新鮮で知的でなにより女らしい」という。


すべての女性が着物を着ると美しくなるのはなぜか

と、自ら問い、

「それは民族の魂や、叡智が宿っているから」

古の力は「自分以上の力を与えてくれる」とも。

 

確かに着物を着ると~~プチプラといえど

自分以上の力を感じるよ。

 

 

遠い異国の地にニッポンの美の源流を見、

祖母や母、そして若い頃に目に焼き付いた数々の美。


「あの頃の女性は、どんなに洗いざらしの着物でも

立派に着こなしていた。

最高の贅沢な衣装にも引けをとらなかった。

どこか男っぽい服装も時代や権力に媚びを

売らない姿勢だった」


 彼女の「美」形作ったのは、

こういうモノたちだったのですね。


伊達政宗の陣羽織・ 水玉が斬新(「たまゆらの~~」より

 

そして老いにも言及。

老いを上手に演出」するとは、

「姿勢。生きる姿勢。体の姿勢は弱っても、それを補って

くれるのは美容でも環境でもなく

自分ひとり、たったひとりで立つこと、

それ以外にはないと思う」

92歳、現役。

 

彼女の、高価な着物は買えないけど、

せめてその精神だけでも、

受け止めたいものです。


 

「たまゆら」とは勾玉同士が触れ合ってたてる

微かな音のこと。

 

転じて、わずかな間、一瞬、かすかを

意味する言葉です。

 

短い、一瞬の夢、それゆえに人は

 

あれほど美しいものに憧れるのですね。



この世にあるたくさんの美しいもののなかから

わたしたちはどんな「美」を選び取っているのか、


そして、なぜ自分は、それを美しいと感じるのか。

そんな自分自身の「美のルーツ」を

私もたどってみたくなりました。

 

美への、美術館への道。

 

長くなってしまいました。

最後までありがとございました。

 

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6 コメント

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志村ふくみさん (akira)
2016-10-14 12:34:21
 志村ふくみさん、私はエッセイの方から知りました。
お母さんが民芸運動に傾倒していたとは・・・。
益子がすぐ近くなこともあり、浜田庄司さんを通じて、
民芸には若い時から関心がありました。

 私は男だけど、着物を着る生活をしたいと思っています。
着物も帯もいくつかそろえたけど、(リサイクルの安物だけど)
実際にはハードルが高くて、まだ着物を着るまでには至っていません。
その代わり、その前段階のつもりで、毎日作務衣を着ています。
もう2年ほど、いつでも、どこに行くのにも作務衣です。

 そういうわけで、紫苑さんのブログはいろいろ参考になることも多く、
楽しみにしているのです。

「花ふきん」の本も興味があり、図書館で借りてみました。
みんなに伝えたい言葉もあり、そのうち私のブログでも紹介しようと思っています
Unknown (オレンジピール)
2016-10-15 14:31:23
 私も彼女の作品を美術館の企画展で見たことがあります。たくさんの作品と糸と端切れなども。私も脳裏に深く焼き付いたままです。
 何年か前に、伝統工芸展でなぜか惹かれる作品があって、調べてみたら志村さんの孫弟子にあたる方でした。不思議なものですね。
 志村さんの作品を伝統工芸展でずっと買い集めていた方は、一年間一生懸命お金を貯めていたそうですよ。大切に着て、もうこれは自分だけのものではないという想いから滋賀県の近代美術にご寄付したようです。 その方のお顔も忘れる事はできません。
 伊達政宗の水玉陣羽織は、仙台市の博物館で見ました。保存の意味で展示期間が限られているようですので、もし行かれる時は確認されたほうがいいと思います。  ご存知でしょうけど、水玉模様は切り嵌めなんです。志村さんの作品にも切り嵌め、ありますよね。
 長くなってしまいました。いつも感謝して読ませて頂いてます。ありがとうございます。
民芸運動 (紫苑)
2016-10-17 10:20:04
akiraさま
コメントありがとうございます。わたくしもときどきブログ拝見させていただいています。面白そうな本は読むようにしております。最近では森下さんの本が面白かったですね。
民芸運動の作品はいまやブランド品みたいになっていて、逆に庶民には手の届かないものになってしまいました。それでも、その素朴な作品に美を見出した慧眼は多くのことを教えてくれます。自分がきれいだ、面白いと感じる感性を磨きたいものです。
男性きものは女性よりハードルが低いので、ぜひ挑戦していただきたいものです。
 (紫苑)
2016-10-17 10:25:18
オレンジピールさま
素敵なコメントありがとうございます。一生懸命お金を貯めて、一着のきものを買う、そしてそれを「自分一人のもお」にするのではなく寄付する~、頭の下がります。こういうふうにきものを着る方もいるのかと感動しました。
とてもいいお話を聞かせていただき感謝しております。
きものには、作った方の思いがこもっているのですね。これからもそんな思いを大切にしながら、きものを楽しみたいと思っております。
ありがとうございました。
Unknown (創三奏)
2016-10-17 14:24:11
しおん様

いつも拝見させて頂いています。
又、美しい感性に触れ、思わず書かせて頂いています。
恥ずかしながら、志村ふくみさんの存在も存じ上げないまま、しおんさんが取り上げられたことで、書の内容を、拝見しました。そして、その中の文に心が小さく震えます。

老いの部分の下り。。。

自分ひとり、たったひとりで立つこと、それ以外に
無いと思う。


老いを目の当たりにして。。心身共に負けそうになる思いのなか、なにをどのように心を支えれば、覚悟ができるのかと。
そんな思いの繰り返しに挫けそうになるこの頃。。

ご紹介の数行の文に、心が小さく震え、思わず泪が。。。

そうなのですね。。
最後の一日まで、たったひとり、ひとりで立ち、できうれば、自分の届く範囲の中、美しき物や事に思いを注いで生き切れば良いと。
。。。たまゆらの下りも美しく。。

少し、心の行き先の目標が、見えたような。。。

有り難うございました。

創三奏
私も一緒に (紫苑)
2016-10-24 20:59:09
創三奏さま
いつも心のこもったコメントありがとうございます。私は創三奏さまの言葉を拝見して胸が熱くなりました。自分が思う、感じ、、それを言葉にしたとき、それ以上の深さでとらえてくださるのは、その方の感性が繊細で深いからです。そんな、それこそ「たまゆら」、かすかな音色にも心を傾け、耳を澄ます姿勢に心打たれます。私も老いを感じ、人の死に直面したとき、大きく揺れます。でも老いは自然のことなのですね。大きな自然のなかで、老いていきたいと思っています。創三奏さま、私がいますよ(笑)、一緒に年を重ねていきましょう。

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